なぜDJごっこ続けているのか、考えてみる(4)

DJに必要なことはだいたいレンタルブースで学んだ

arith
DJ on MOGRA

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@arithです。2012年の12月に初めてMOGRAで回してから、早いもので1年以上が経ってしまいました。あれからほぼ月1のペースでMOGRAでの練習は続けているし、あろうことか2回、イベントのオーガナイズまでしてしまいました。一体どういうわけで僕はこのDJごっこを続けているのだろう。脳内DJ諸氏と対話しながら考えてみる第4回。レンタルブースについてやりとりします。

第1回「MOGRAでなにがどうなったの?」
第2回「で、MOGRAでどうなったかという話はどうなったんだ」
第3回「うっかりDJごっこをはじめてしまったことなど」
第4回「DJに必要なことはだいたいレンタルブースで学んだ」
第5回(完結)

Q:レンタルブース、いいよね。ちょっと説明してもらえる?

A:レンタルブースっていうのはその名の通り、ブースを貸してくれるサービス。MOGRAでは毎週水曜日がレンタルブースデイになる。でもちょっとその前に、捕捉も兼ねてMOGRAのスケジュールについて紹介するね。

月曜日はお休み、火〜木はDJバーとして営業、週末は大きなイベントが入って、金曜と土曜はオールのイベントがある。

DJ聴きながらお酒飲みたいとか、Blog書いたりちょっと作業したいときはDJバーの日に行くとまったり楽しめるし、ガッツリ飲んで遊ぶぞって時はオールのイベントや、午後をまるまる使ったイベントに行けばいい。

もちろん、平日の夜に開かれるイベントもあって、例えばPure Ibizaとかすごくお勧めなんだけど、会社帰りに遊んで帰ることもできるよ。

Q:バーとその他の営業はどう違うの?

A:バーの時はフロアにテーブルが出てる。なので、フロアで身体を動かすのはちょっと難しい。

深夜営業の時はハイテーブル以外は片付けられていて、フロアが開放されている。たくさん人も入るし、多少身体を動かしても大丈夫。

Q:その「身体を動かす」って表現が何か歯にモノが挟まった感満載だね。事情はわかるよ。

A:察してくれてありがとうw ほんとなんとかしてほしいよね。ま、このようにクラブといっても、営業の形態はいくつか分かれていて、常にガンガン盛り上がっているというわけでもないのね。特に平日はまったりした時間が流れていることの方が多いのかな。

で、その平日の営業日のうち水曜日が噂のレンタルブースデイ。

Q:ようやく話が戻った。

A:お待たせしました。レンタルブースデイは17時から23時まで1時間刻みで文字通りブースを貸してくれる日で、フロアにはテーブルが並んでバー状態になってる。特に規定はないから、借りた方は1時間、練習なりガチなDJなりをする。

ジャンルもみんなそれぞれで、観測範囲ではなぜかGT系のゲーソンDJが多いような気がするんだけど、それこそあらゆるジャンルの音楽がプレイされている。

Q:フロアでは何してるの?

A:DJを聴きながらお酒飲んだりソフトドリンク飲んだり、友達と話に花を咲かせたり。ときどき、DJが楽しくてぐぐっと盛り上がって、スタンディング状態になることもあるし、それもまた楽しい。

逆に人が少なすぎてアウェイ感があることもあるけど。次にプレイするDJの友達がたくさん来てたりするときとかね。

でも、たいていフロアはガラガラ。お客さんはだいたい数名、うち一人か二人はその日プレイする人、っていう感じで、初心者でも緊張せずに回せると思う。

Q:敷居が低そう。

A:そう、敷居はすごく低い。しかもレンタルする料金が安い。1時間1500円プラスワンドリンクというシステムなので、トータル2000円でいい。ちなみにお客さんはドア500円プラスワンドリンクで、最低1000円支払う必要がある。

Q:なにが出るかわからないのに、1000円払って入るんだ?

A:そこは壁かもしれないねー。でも、クラブってお酒で成り立ってるので、なんか飲まないと潰れちゃうんだよなー。そこはご理解を、ぜひ。

Q:うん、まぁそうか。でも、プレイする側の負担が軽いのはいいね。

A:レンタルは月に1時間って決まっているから回数はこなせないけど、急な空きができたり、前日になっても埋まってない時は例外で入ることが出来るので、月に3回くらい入れちゃうこともあったりするんだよ。

なんといっても時代の最先端をいくMOGRAでプレイできちゃうのは痛快で、興味あったらやってみるべき。

Q:いや、そう簡単にいくかな? で、arithはなにを使ってるの?

A:現場の機材はPioneerで固まってるね。ミキサーがDJM900 nexus、CDJがCDJ2000、タンテはおなじみtechinicsのSL1200 mk5。CDJならCDとヘッドフォンだけ持ってくればいいし、タンテを使いたい場合はカートリッジも必要になる。

僕は最初はオーディオインタフェースとDJコントローラを持参してつない始めた。だんだん慣れてきて、CDJもやってみたくなって、それからはUSBメモリに楽曲を入れてCDJに挿してプレイするようになった。

USBメモリにすると、荷物が少なくて済むし、CDJのプラッター回したりして、DJやってるーって気にもなれる。なかなか楽しいよ。BPM合わす練習にもなるし、機材と仲良くなれるのは勉強になる。

Q:なんか、いままでになく解説風だね。パセラとなにが違うのかな?

A:まず、機材がちゃんとしてる。ブースとフロアが明確に分かれていて、ブースに立つ、という経験ができるし、さらにブースで音を出してフロアに向き合う、ということが出来る。これはカラオケじゃ絶対無理。

Q:現場感覚?

A:そう、現場そのものだし。それに、DJとフロアの対面関係だけでなくて、DJ同士の出会いの場でもあるんだよね。

Q:出会い系???

A:DJ出会い系w 僕がハマったきっかけになったイベントのelemogは、実はブースレンタルからスタートしたと話を聞いてるし、ブースレンタルって、DJやりたい人、やってる人の交差点になっているんだ。

僕の大好きな話でこの所良くするんだけど、数年前のelemogで知り合ったVLOXYっていうオタクのテキサス人がいる。彼はお**い好きのナイスガイなんだけど、オタク熱をこじらせて昨年ついにMOGRAでDJデビューしてしまった。生まれて初めて機材にふれて音をだすのがMOGRAのブースなんだよ。これって、凄いよね?

自分が大好きな海外のクラブがあるとして、そこでいきなり音を出すことを想像しようとしても、まずありえない。でも、それができちゃうのがMOGRAのレンタルブース。

その日はVLOXYが演るって分かって知り合いがたくさん集まって、前後のレンタル枠をとって入ったりして、みんなでものすごく盛り上がって遊んだんだ。レンタルブースって、何かが生まれる場所になっている。そしてそこがすごくアキバっぽいし、柔軟さと懐の深さがある。

Q:DJっていうよりも、アキバ文化論的な。

A:そうそう。僕は家で音を出せない分、レンタルブースでずっと練習してて、音が止まっちゃったり、低音絞って忘れちゃったり、次に何かけるか見つからなくて冷や汗かきまくったりしてるんだけど、それでもいいんだな。まずは、やりたいことをやってみろっ!って場所なんだよ。

Q:完成は求められていないの?

A:完成よりもチャレンジを、そしてもっと楽しくって感じ。

Q:それは確かにアキバっぽい。常に未完成で、最前線。

ところでフロアに人があまりいないんだったよね? てことは、フロアの反応をみて曲を展開させるのは厳しそうだね。

A:あ、それを言うか。でも、それはまさにその通り。かける曲のセットリストをがっちり作ってそれに従ってかけるタイプの人もいるけど、僕は準備する時間がいつもなくてぶっつけが多いから、本当はフロアの反応を見て選曲できるようになりたい。でも、そこはレンタルブース。緩くてもいいんじゃないかな。実験いっぱい出来るよ。

Q:聴いてる方は大変そうだなw どんな実験をしてきたのよ。

A:ビート感のないアンビエントや分解系をひたすらかけるとか。

Q:わーw

A:やっぱりまずいかな? さて、次回は「で、ほんとにDJって楽しいの」って、個人的には核心に触れる話をしたいと思ってます。

Q:え、楽しくないの?

A:それは次回、お楽しみに。

第5回はこちらからどうぞ。

※以下宣伝
2014/4/3 Wed. 18:00 — 23:00 @MOGRA “Fのトランク” Vol.3

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arith
DJ on MOGRA

“Fのトランク Vol.8” will coming on September, @ MOGRA