条件付きルーティングで少し複雑な承認プロセスを実装する

Masaki Kubomura
DocuSignDevJP
Published in
5 min readAug 20, 2019
Photo by Cytonn Photography on Unsplash

従来のDocuSignでは、複数の受信者に対して、文書の署名依頼を直列の順序で送付したり、並列で一度に送信したり、署名グループを作成して、そのグループ内メンバの誰かが署名する、といったフローを実装することができました。

ただ、実際の業務では、それに加えて、稟議の申請金額の多寡や、申請者の所属によっての承認者の変更など、様々なフローの要件があります。

この2019年夏にようやく上記のような複雑なフローを組むことができる、条件付きルーティング機能がリリースされましたので、その概要をご紹介いたします。(注: 本機能は、ご契約ライセンスによってはご利用いただくことができません。詳細については、担当アカウントマネージャーもしくは営業までご連絡ください。)

ケース1: シンプルな条件付きルーティング

例えば、購買申請などで、その金額によって、承認者が分かれるようなケースです。

1. テンプレートの作成

まず、テンプレートを作成し、WordやExcel文書を雛形としてアップロードし、最初の「申請者」を受信者として設定します。本ブログではテンプレートでの手順でご説明していますが、直接エンベロープを送信する手順でも同じ設定で実装可能です。

2. 条件付き受信者を追加

また残念ながら翻訳が終わっていませんが、「ADD CONDITIONAL RECIPIENT」リンクをクリックし、ある条件が成立した際に呼び出される受信者を登録します。

保存ボタンを押したあと、再度ADD…リンクからグループを追加します。

3. フィールド配置画面での設定

メールタイトルや本文を適切に設定したあと、「次へ」ボタンを押して、フィールドの配置画面を表示します。まず、1番目の申請者用に、「申請金額」というデータラベルを持つテキストフィールドを配置します。
また、この際、検証属性には「数字」を設定します。数字を設定することで、後で設定する条件設定で”範囲”指定する条件を設定できます。

そして、「条件付きルーティング」の「設定」(もしくは編集)ボタンを押します。「+ ルールの追加」リンクを押したりして、要件に応じたルールを設定します。ルール設定が終われば、「完了」ボタンを押します。

テンプレートの設定としては、以上になります。通常通り、DocuSignの画面から、エンベロープを作成し、最初の申請者に送信すると、その申請者が画面で入力した申請金額に応じて、それぞれ承認者が割り当てられます。

ケース2: (少し)複雑な条件付きルーティング

例えば、商品を値引き承認申請のケースで、その値引率によって承認者が変わるケースです。

ルーティング設定例

こちらの例ですと、値引率が70%以上の場合は、すべての条件付き受信者グループへの条件合致になりますので、全員の署名が必要になります。また、例えば19%以下の場合は、条件付き受信者へのルーティングルールに該当しないため、文書としては「完了」ステータスになります。
この場合、受信者順序2の部長にルーティングするかどうか判断 → 次に順序3のVP → 順序4のCFO、という判定処理が少しゆっくりで、かつシーケンシャルなので、ステータスが変わるまでしばらくお待ち下さい。

現状の制約

本機能は、今後も引き続き発展・改善されていきます。現状では、例えば

  • API、PowerForm、DocuSign for Salesforce
  • 署名グループ、一括送信、など

などと一緒に利用できません。この点、十分にご検証・ご理解の上、ご利用ください。

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