Macbook Air 2018…微妙。

tooyotta (Toyota)
水槽の脳ライフ
7 min readNov 10, 2018

今年こそMBA(Macbook Air)取得を目指そう。

Macbook Airは2018年で生産終了、なんて噂があちこち(※1)で流れていましたが、予想に反してリニューアル版Macbook Airが登場しましたね。ニューヨークでの新型Macbook Airのプレゼンテーションを見た直後は、かっけえ!MBA取得したる!という気分にさせられました。ティム・クックのプレゼンはなかなかのものです。

微妙な立ち位置

軽さを求めれば12インチMacbook、速さならPro、はてAirとは。

Air と呼ぶほど小型軽量か?

もしかするとMacbook Proが軽すぎるだけか

Macbook Air 2018は、確かに前モデルより軽量・薄型化された。だが、Macbook Air 2018の1.25kgという重量は、Macbook Pro 13-inchの1.37kgと約100gしか違わない。一方で、12インチの無印Macbookは0.92kgで明らかに軽い。 “Air”を名乗る製品がProと似たような重量であるというのはいかがなものだろうか。また、AirはなんとなくProより小さい見た目をしているが、Macbook Airの最も厚い部分はMacbook Pro 13-inchよりも厚い。そしてフットプリントは変わらない。当然、Macbook Airの最薄部はMacbook Proよりも薄いのだが、もうちょっと頑張って“Air”であることを見せつけて欲しかった。あるいは、プロユースに耐えられるマシンパワーを持っているのにProが軽すぎるだけかもしれない。

2時間あれば世界を救える

12インチMacbookとMacbook Proのバッテリー駆動時間は、Apple公式サイトによると10時間。だが、Macbook Airは12時間と表記されており、2時間も長い。2時間も長い作業時間、あるいはビデオ閲覧時間が手に入るというのは大きいメリットだろう。

Core i5にご注意

AirのCPUが非力なのも気になる。Intel Core i5プロセッサ搭載ではあるが、このCore i5はCore i5–8210Y という型番(※2)で、Core M系のCPUなのだ。ちょっと前までは、Core i5はCore i3の上位機種で結構速い、という常識が通じたのだが最近は事情が違うのだ。

小さな犠牲、偉大なる演算能力

Geekbench 4でCPUベンチマークを見てみよう。スコアは執筆時のもので、最新のスコアはリンクをクリック。

Macbook Air Late 2018

  • シングルコア : 3756
  • マルチコア : 6774

Macbook Pro mid 2017 Core i5

  • シングルコア : 4317
  • マルチコア : 9071

Macbook mid 2017 Core m3

  • シングルコア : 3527
  • マルチコア : 6653

ホラーだ。Airと12インチMacbookのスコアがほとんど変わらないなんて恐ろしすぎる。12インチmacbookいくつかのCPUラインナップがあって、今回は一番低いCore m3のスコアを掲載したのだが、Core i5を積んでいるAir 2018とほとんど変わらないようだ。重量はAirの方が300g以上重いのに性能がほぼ変わらない。もし軽い12インチMacbookを購入検討している方がいたら、買うべきだ。Macbookは軽量にも関わらずCPUパワーも劣っていないことがAirとの比較によって証明されたのだから。

一方、Macbook Proはプロらしいスコアを出してくれている。Proの最廉価デュアルコアモデルとベンチスコアを調べたが、マルチコアではAirの約1.3倍のスコアだ。Macbook Airの最安モデルは税抜¥134,800だが、プラス¥8,000出せば税抜¥142,800のMacbook Pro 13-inch Touch barなしモデルが手に入る。プラス¥8,000で1.3倍は高コスパだと私は感じている。

つまりどういうことだい?

よし、状況をクールに分析しよう。

100g程度重量が重いこと、¥8,000程度価格が高いこと、そしてTouch IDが使えないこと(Touch bar付きMacbook Proなら使えるが、価格帯が違いすぎるのでMacbook Airと単純比較はできない)、バッテリー駆動時間が2時間短いこと(12時間→10時間)この4点をもし許容できるならば、より高速なCPUを持つマシン、Macbook Proが手に入る。ということだ。

Airを買うべき人

  • Air以外認めないAir原理主義者
  • Airの楔形フォルムが好きな人
  • Airプラス¥8,000払えない人
  • Touch ID付きMacを安く手に入れたい人
    (Touch bar付きMacbook Proは高すぎる)
  • バッテリーライフが大事な人
    (これは有りうる)

CPUパワーなんてどうでもいいから、少しでも軽いAirが欲しいんだ!という意見もmake senceだ。だが、非力なCore m系CPUで用が足りるような使い方をしているなら、更に軽い12インチmacbookやiPad Proの方が良くない?

Airはどうすればいいか

もっと軽くする。
もっと安くする。

省電力性のためにCPUが非力なのは仕方がないとしよう。問題は、Macbook Proと価格・重量が近すぎることだ。ほんのちょっとだけ重量と価格を我慢すればProが手に入ってしまう 、だからAirが劣って見えてしまうのだ。もしAirがもっと安ければ、CPUが非力であるとはいえお買い得だな、という心理が働くのだが。

もっと速くする?

Macbook 12-inchとCPUベンチが似通っているのも、Macbook Airが劣って見える原因だ。CPUをもっと高速にできるならばして欲しい。だが、2時間長いバッテリーライフを実現するために低電圧CPUの採用は仕方ないのかもしれない。

与えてくれたもの

Macbook Air 2018に搭載されたTouch Barなしキーボード+Touch IDは素晴らしい。ぜひMacbook Pro にも採用して欲しいものだ。Touch Barなんて人類は欲していないんだ。だって、Macbook Proは “Pro”用なんだぜ。プロはショートカットキーを駆使して作業するから物理ファンクションキーが必要なんだ、そんなの全世界の常識じゃないか!もちろん物理エスケープ木だって大切だ!プロはターミナルで作業をすることが多いから、vimとか使うときに物理エスケープキーを押したい!感触のフィードバックがないTouch BarのバーチャルキーボードはUXが低すぎるのだ。Appleは、洗練されたUXは生産性を向上させる、ということを僕らに教えてくれたのにどうしてしまったんだろうか。

MBA取得

経営学修士のことをMBAと呼ぶらしい。シュッとしたビジネスマンの90%がMBAの肩書を欲しがっているという統計データはないが、ビジネスの世界でMBAは強力な肩書だ。

〜〜大学MBA取得、というフォーマットでこの肩書は用いられる。勘の良い方はもうお気づきだろう。有名大学の生協や購買部でMacbook Airを購入すれば「〜〜大学MBA取得」という状況が生まれるのだ。さァみんな、MBAを取得しよう。

本当はMBPの方がおすすめなんだけどね。

※1 例えばギズモード
※2 https://japanese.engadget.com/2018/10/30/macbook-air-cpu-core-m-gpu-uhd-617/

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