[JBA勉強会] ゲームメカニクスから見るスカラーシッププログラム|上野広伸
2021年12月1日(水)に開催された「日本ブロックチェーン協会(JBA)勉強会」にて、テーマ「Play to Earn」についてお話させていただきました。
今年に入ってAxie Infinityなどのブロックチェーンゲームを筆頭に「Play to Earn」という言葉が話題になっております。
今回はその成功要因を「ゲームメカニクスから見るスカラーシッププログラム」として考察しました。
Speaker:doubelejump.tokyo CEO上野広伸
まず前提として、今までのゲームの歴史には、その時代とともにテンプレとなるゲームの仕組みがありました。
少し前ではガチャやパズドラ、中華圏ゲームではVIPやマンスリーカードがテンプレとなって業界が発展しました。
ただ、ブロックチェーンゲームを作る上では、ソーシャルゲームで使われていた得喪のあるガチャというシステムは使えません。
さらには、ソーシャルゲームで一般的であった「Free to Play」も、NFTを無料で生成すると過度なインフレを招くため、単純には設計できません。
NFTをたくさん持っていてもその使い道がなければ、NFTを持て余すことになります。この状態を放置するとNFTの販売数は限定的になります。
ブロックチェーンゲームのこれらの課題を解決したのが、YGGが事例作りした「スカラーシッププログラム」になります。
Axie InfinityではNFTが3体ないとゲームを始めることができませんが、NFTを購入するためには資金が必要です。
「スカラーシッププログラム」では、NFTを無料で借りてゲームを始めることができるため、形を変えてのFree to Playが可能になりました。
Free to Playでありつつも、NFT3体を必ず持っているアカウントであることが証明されているため、根拠のない大量の複数アカウントが生まれるということもありません。
「スカラーシッププログラム」の成功要因のひとつに、報酬がFTであったこともあります。これによりNFTを貸す側と借りた側でプレイ報酬を細かく分配することができます。
持て余したNFTも貸すことでユーティリティを持たせることができますし、貸すことでゲームユーザーも増えます。
結果的に、オートプレイが入り込むことはできない仕組みにより、プレイした労力や時間が価値になります。
JBA発表内容から追記:解決7
トレカなどでは特にそうですが、コレクションに興味あるコレクターとプレイングに興味のあるプレイヤーは別であることも多いので、それぞれが興味のあることに集中できる仕組みであることも優れた点です。
doubele jump.tokyoが、2018年に日本初のブロックチェーンゲームとして開発した「My Crypto Heroes」のテーマは"ゲームにかけた時間も お金も 情熱も、あなたの資産となる世界”です。
もともと、ブロックチェーンゲームでは、デジタルアセットが資産になるということは魅力のひとつでした。
それが「スカラーシッププログラム」という形が出てきたことで、ひとつの時代のテンプレになるのではないかと思います。
以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
日本ブロックチェーン協会(JBA)ではこのような勉強会を定期的に開いております。興味のある方はこちらをご確認ください。