ばあちゃんに「テレビがお友達なの…」と言われたことを思い出した。[2016–10–16]

Midori Akashi
drmdrJP
Published in
3 min readOct 16, 2016
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ばあちゃんは生きるのに飽きちゃったのだと思います。

先週、95歳になるばあちゃんが咳と高熱が酷く、救急車で運ばれて入院したという連絡が来て、昨日お見舞いに行きました。
1月に会ったときは、少し物忘れがあるものの、お箸でお寿司を元気に食べてトイレにも自分で行っていましたが、ベッドに横たわるばあちゃんに見る影もなく、一分置きぐらいに「ここはどこ…?」と聞いていました。

記憶は消えない、ただアクセスがしにくくなるとよく聞きますが、まさにその通りでたまにスイッチがキチンと入ったかのように目に力が入って、その瞬間はしっかりと受け答えをしているので、退院したらもう少し前のように戻りそうかなと思いました。また、わたしたちが遠くからお見舞いに来たことはわかるので、しきりに感謝して「帰るのに時間がかかるのだから早く帰りなよ」と行ったり、わたしの父のことを心配したりしていました。

病室を出た後に、ばあちゃんと一緒に住んでいる叔父さんと叔母さんとわたしの母と話をして、叔母さんは入院させたのが悪かったのかもしれないと落ち込んでいました。

そのときにわたしは、何年か前にばあちゃんに「テレビがお友達なの…」と寂しそうに話をしていたことを思い出しました。
ばあちゃんは70中盤でお豆腐屋さんをおいかけてダッシュしたり、叔父さん一家のスキー旅行についていってスキーをするぐらい元気で(実はスキー旅行で転んでダッシュはあまりできなくなってしまったけど)
入院前も食事トイレお風呂全て自分でやっていました。

ただ、趣味はどんどん減っているみたいで、厳格な叔父さんと心配症の叔母さんが何かとストップを掛けるため、毎日つまらなかったのではないでしょうか。
ここ数年は、前よりも心なしか表情に元気がなく、ばあちゃんは生きることに飽きちゃったんじゃないかと思います。せめてひ孫が入ればよかったかもしれないから、それについてはごめんなさい🐸笑

話を戻すと、わたしはばあちゃんに「テレビがお友達なの…」と言われたときに、とてもショックを受けて「ああ、もうばあちゃんはきっとボケてしまう」と確信したので
そう思うとそこから何年かは元気にすごしていたので、だいぶマシだったと思います。

ばあちゃんは音楽学校に通っていました。
フルートも確か80代でもう一度少しだけ習っていたけど、すぐに辞めてしまって、本人は吹きたい曲をできたからと言っていたみたいだけど
せっかくの趣味なんだからもっと続けられるように周りが工夫すればよかったかなと思います。

何はともあれ、入院の原因である気管支炎は辛いでしょうから、それは治るといいな、家に戻ってこれたら簡易的なピアノを買ってあげようかなと思います。
多分音楽はばあちゃんを楽しませてくれるから。

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