国内のモバイルe-Sportsを因数分解してみようと思う。

清水敬介
e-Sports Hack
Published in
5 min readJul 8, 2016

しばらくMediumで記事を書いていなかったので、久しぶりに何を書こうかと思っていたら、e-Sportsってなんかユーザーもビジネスマンも(自分も)それがどういう構造になっているのかって実はよく分かっていないんじゃないかと思ったので、キーボードを叩くことにした。

普段の僕の仕事領域はモバイルのe-Sports業界なので、そのへんの領域に一体どんなビジネスプレイヤーが存在しているのかってことを書いていこうかと思う。自分の頭の中を整理するって意味も込めて。

ちなみに、主に海外市場だとこの辺に精通しているジャーナリストでJonathan Panという人がいて、積極的にMediumで記事を書いているので、海外のシーンはどういうビジネス構造になっているのかっていうことを知りたくて、英語が読める人は彼の記事を読んだほうが早いです。

from eSports Business Insider

海外のe-Sportsシーンはもうかなり出来上がっているのでビジネスプレイヤーは多岐にわたる。カテゴリの分け方にもよるけれどこんな感じで各プレイヤーがゲーマーをターゲットにしてビジネスをしている。
これはPCのe-Sportsシーンを多分に含んでいるので、より煩雑なビジネスマップになっているけれど、逆にいえばここまでのビジネスプレイヤーがいると市場として十分に価値がでるということでもある。

残念ながら日本のe-Sportsシーンというのはまだここまで成熟していないし、ビジネスプレイヤーも多くはない。しかも僕も含めて多くの人たちが何が正解かわからないまま模索して仕事をしていることのほうが多い。

日本という国はGREEやDeNAといったメガベンチャーがかなり奮闘したおかげもあってか、ゲームはスマホでやるというのがだいぶ一般的になってきた。なので、今後もしe-Sportsが日本でムーブメントになるのであればそれはPCよりもモバイルなのではないかと最近考えるようになってきた。

では日本国内でのビジネスプレイヤーはどんなポジション取りをしているのだろうか。

知らないサービスや会社もたくさんあるので、もちろんこれがすべてではないけれど、だいたいこんな感じにまとまると思う。

上から順に項目を見ていくと
「ゲーム開発会社」「リーグ運営者」「配信媒体」「チーム/プレイヤー」「メディア媒体」
この5つのビジネスポジションに日本の国内e-Sportsも因数分解できるはずだと思う。

まだ日本のe-Sports市場は魚すらいないブルーオーシャンみたいなもので、このマップで説明が足りると思うけれど、市場が少しずつ成長してくるとここに「広告主」というビッグポジションが現れる。

“10代から40代くらいの、余暇があればゲームをして過ごし、ゲーム内アイテムという現実には存在しないものをオンラインで決済することに抵抗が少ないゲーマーというユーザー層”に対して、広告を出稿したいというビジネスプレイヤーが現れる。

もしくは単純に露出が高いという観点からブランド認知を求めて広告出稿を行うクライアントも現れるかもしれない。
アメリカではクレジットカード会社、韓国では携帯キャリアが広告主として市場に参入しているように、日本でも近い将来そういった動きが起こると思う。もしくはもう起こっている。それほど日本のモバイルシーンは成長が速い。

そういった広告主が現れてしっかりと満足のいくリターンができるような市場になると、初めてブルーオーシャンが少しだけ赤くなる。そんな感じだと思う。

実際にそうなるとお金の流れがどうなるのか。いわゆるe-Sportsのエコシステムはどう働くのか。これも海外の事例を参考にするとわかりやすい。

From Jonathan Pan

BRANDSというのは広告主のこと。これをみてわかるように、おもしろいのはしっかりとこのエコシステムの中には“e-Sportsファン”が組み込まれていること。当たり前といえば当たり前だけれど、スポーツなのでファンがいないと市場が回らないのだ。

個人的にはゲームをプレイするユーザーよりもゲーム配信をみるユーザーが増えることのほうが何倍も大切だと思っている。

と、ここまでなんとなくe-Sportsというものを改めて整理してきたけど、やっぱりおもしろい。

なんでここ数年で日本の国内でe-Sportsという言葉がたびたび聞かれるようになったのか。

海外で多額の賞金を獲得するゲーマーが何人も誕生したからだろうか。

韓国のオリンピックスタジアムを満員にするほどの観客が集まる世界大会が行われたからだろうか。

個人的にはe-Sportsがもたらすユーザー体験の本質に、日本のビジネスマンたちが気づき始めたからだと思っている。

e-Sportsがもたらすユーザー体験の本質とはなにか。このへんの話になるとおそらく記事がもう1つかけてしまうので、このテーマについてはまた今度記事にしようと思う。

これだからe-Sportsはおもしろい。

--

--