準備段階で、最も大切なことは何でしょう

電子書籍を出版しようと決めたら、最初にやるべきこととは?

八鍬兼二
電子書籍出版 MAGAZINE
3 min readJul 18, 2016

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電子書籍を出そうと決めたら、まず浮かんでくるのは本の内容だと思います。

でも、最初に考えねばならないことは、電子出版の戦略についてです。あなたの電子書籍が成功するかどうかは、ほぼこの戦略にかかっているからです。

それはなぜかと言えば、個人が出版する電子書籍は、セルフ・パブリッシング(自己出版)で行われるからです。

セルフ・パブリッシングでは、本の企画・執筆・編集・出版・販売等、諸々(もろもろ)のことは全て作家本人の手によって行われます。

どんなに内容のすばらしい本だとしても、誰に向かって、どのように販売をしていくのかということを考えなければ、その本が売れるかどうかは、運次第といったところでしょう。

実際、この点に関して言えば、オープン当初のAmazon kindle ストアにおける電子書籍の販売状況と、最近のそれとでは、如実な違いがあると実感しています。

読者の裾野が広がることで、電子書籍という存在そのものへの興味から、面白い本、内容のある本、ためになる本、興味のある本といった視点できちんと選択していく、そんな流れが始まったと私自身は考えています。

とりあえず出せば売れるといった状況は、もう終わったと見るのが間違いのないところでしょう。

もしそうだとしたら、今後はより戦略的に電子書籍を執筆し販売していかなければなりません。あなたの電子出版には、出版戦略が必要なのです。

出版戦略は難しい?

例えば、出版における文字数の問題は、誰もが気にするところです。電子書籍の標準的な文字数の目安は、約2万文字です。紙書籍の場合は、標準的な厚さの単行本で、大体10万文字と言われていますから、結構な違いがあります。

なぜ、紙書籍と同じ、10万文字ではなく、2万文字なのでしょうか?

10万文字の電子書籍が出版できない訳ではありません。どんな電子書籍を出すのも自由です。しかし、出版する以上、作者として人から読まれる電子書籍の方がイイに決まっています。

紙書籍1冊を書くことを考えれば、電子書籍なら単純計算で5冊出せることになります。分冊して複数冊出版でいくのか、あるいは、1冊にギュッとまとめた構成でいくのか……。

判断するヒントとして、10万文字の電子書籍を1冊出す場合を想像してみましょう。スマートフォンで読み始めたものの、読んでも読んでもゴールが見えてきません。次第に画面を触るのが億劫(おっくう)になってきます。これでは、読書を放棄されかねません。

電子書籍としての出版戦略を十分考えておかないと、このようなことに陥る可能性があります。読者目線に立って本の構成を考えれば、おのずと電子出版の戦略が見えてくるはずです。

紙の本を、そのまま電子書籍にすればOK、ではないのです。そこには、電子書籍としての戦略が必要なのです。

せっかく電子書籍という、すばらしい自分メディアを手に入れるのですから、いつでも自由に出版し、自己のブランディングを高め、結果的に自分のビジネスにも良い影響を与える好循環型の出版戦略をおすすめいたします。

いつ、どこで、誰が読むのか想像してみましょう。

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