Shopify でオススメのメールマーケティングアプリ Klaviyo

Kazuki Yonemoto
EC ARCHITECT
Published in
18 min readSep 23, 2019

Eコマースサイトを運用していると新規顧客、既存顧客、潜在顧客、見込顧客、休眠顧客と様々なセグメントで顧客を細分化して効果的なマーケティング活動を進めたいといったことが多々あるかと思います。

昨今ではSNSの登場により販売チャネルやマーケティング手法の幅もグッと広がりました。ただ、SNSの登場によって従来利用されてきたメールでのマーケティング活動自体は衰退することなく今でも多くの現場で活発に利用されています。

今回は全世界で注目を集めるECカートサービス Shopify でオススメのメールマーケティングアプリ ”Klaviyo” の紹介と基本的な操作方法についてまとめていきます。

Klaviyo とは

Klaviyo は Shopify で人気のメールマーケティングアプリ(プラグイン)でレビュー評価も4.4とユーザーからの満足度が非常に高い拡張サービスです。サービスの導入自体も容易で特別なカスタマイズをする必要がありません。また、利用料金も月に宛先250件の登録と500通のメール送信までは無料で利用する事ができます。(2019/09/23時点)

Shopify とは別のカートサービスや他の外部サービスを現在利用されていて乗り換えを検討されている場合は以下リンクより月額費用をシミュレーションすることができます。

Klaviyo の特徴

Klaviyo の主な特徴をあげるとすると以下3つになります。

  • 機会損失への対応ができる
  • パーソナライズされたメールマーケティングができる
  • アナリティクス機能でより良い判断ができる

単純にメルマガ機能として利用する場合にもデザインテンプレートが豊富に用意されていて、且つ無料で利用できる点も大きな魅力の一つです。

Klaviyo の導入方法(Shopify)

Shopify の管理画面からアプリストアへアクセスし、 “Klaviyo: Marketing Automation” をインストールします。

インストールが完了したら Shopify 管理画面のアプリ管理より “Klaviyo Email Marketing for Shopify” を選択します。

Klaviyo の管理画面は Shopify 管理画面とは完全に切り離されている為、利用する際は別途アカウント作成とログインが必要です。

アカウント登録の際に入力するメールアドレスは新規の場合、初期登録時メールアドレスがアプリのオーナー権限を持つことになります。その為社内共通で利用するメールアドレスをオーナー権限として設定しておくと担当者が変わっても権限の移譲などでバタつく必要がないかと思います。

登録完了後、次のように Klaviyo 管理画面が表示されます。

管理者アカウントの追加

Klaviyo の管理者を増やしたい場合、Klaviyo 管理画面右上のアイコンをクリックしてドロップダウンメニューを開きます。”Account” という項目を展開すると Klaviyo の使用状況を確認できる画面が表示されます。

”Account” のナビゲーションに “Settings” というメニューがあるのでそこからさらに “Users” を選択してください。

”Security” にチェックを入れると全ての管理者アカウントに2ステップ認証が求められます。

“Users” では現在管理者権限をもつアカウントを確認することができます。”Add New User” のボタンを押下すると新たに管理者アカウントを発行することができます。

“User Role” ではアカウントが持つ役割を指定して、Klaviyo で管理される情報へのアクセスを制御することができます

  • Owner: 「オーナーは全ての情報へのアクセス権限とサービスの閉鎖などが行えます。オーナー権限をもつアカウントは1つまでになります。初期登録時のアカウントがオーナー権を持ちます。」
  • Admin: 「アドミンはオーナーと同じくフルアクセス権を持ちます。他アカウントの追加削除も行えますが、サービスの閉鎖は行えません。」
  • Manager: 「マネージャーは Klaviyo がもつコア機能全てにアクセスできます。しかし、顧客のメールアドレスをエクスポートしたり、他の管理者アカウントの追加削除を行うことができません。」
  • Analyst: 「アナリストは アナリティクスや分析レポート、セグメントへのアクセスが可能です。アクセスできる項目は次になります。(Dashboard, Profiles, Metrics, Lists & Segments)
  • Campaign Coordinator: 「キャンペーンコーディネーターはキャンペーンの作成、編集、送信が行えます。アクセスできる項目は次になります。(Campaigns, Email Templates, Signup Forms, Data Feeds, Coupons, Preference Pages, Image Library)
  • Content Creator: 「コンテンツクリエイターはテンプレートの作成、編集を行うことができます。アクセスできる項目は次になります。
    (Email Templates, Signup Forms, Data Feeds, Coupons, Preference Pages, Image Library)

“User Role”に関する詳細は以下リンクでご確認ください。

Klaviyo と Shopify の統合設定

メールマーケティング機能を利用する際、基本的にはECサイトで登録されている顧客情報を元にメールの配信を行うことになるでしょう。

そこで、まずは利用中の Shopifyストアから Klaviyo へ顧客情報を連携できるように設定しておきましょう。

左サイドバーから “Integrations” を展開します。“Integrations” は顧客情報の統合を外部サービスと連携する際に利用する項目です。

“All Integrations” を見てもらうとわかるように Klaviyo は Shopify 以外にも Magento や WooCommerce といったカートサービスなどとも連携が可能です。

“Enabled Integrations” では既に連携済みサービスが表示されます。Shopify 管理画面からインストールした場合、 Shopify が既に連携済みになっているかと思います。もし連携されていなければ “All Integrations” から Shopify を選択しておきましょう。

“Enabled Integrations” の Shopify をクリックすると顧客情報統合に関する詳細設定を行うことができます。

“Integration Settings” には統合済みの Shop URL が入力されているはずです。

  • “Subscribe customers who Accept Marketing to a Klaviyo list.” にチェックを入れておくとECサイトでメールアドレスを取得した際に自動で Klaviyo で設定されている顧客リストへ追加されます。デフォルトでは “Newsletter” 、”Preview List” が選択できるようになっていますが、日本語で独自のリストを作っておきたい場合は後述する「顧客リストやセグメントを作成する方法」を参考にしてください。
  • “Automatically add Klaviyo onsite javascript (recommended)” にチエックを入れておくと Shopify テーマへ自動で Klaviyo の用意する JavaScript が追加されます。 Klaviyo の用意する JavaScript は主にストア内での顧客行動をトラッキングし、顧客行動に応じたメールマーケティングに利用されます。特別な理由が無ければここはチェックを入れておきましょう。
  • “Update Shopify profiles with Klaviyo data” にチェックを入れると Klaviyo に直接顧客情報を入れた際、Shopify 側へ反映できるようになります。基本的な運用では特別な場合を除き、顧客情報の自動更新は Shopify (ECカート) サービスから Klaviyo への一方通行にしておいた方が良いかと思います。特に理由がなければチェックを外しておきましょう。

設定の最後に以下の質問に対する回答が求められます。

“Do you sell products to customers within the European Union?”

「ヨーロッパの顧客に対して商品を販売するか」という質問ですので販売予定であれば ”Yes, I sell to customers within the EU” を選択してください。ヨーロッパの顧客に対して販売の予定がなければ “No, I don’t sell to customers within the EU” を選択しましょう。

越境ECをされる方はもうご存知かと思いますが、EU圏内へ商品を販売する際にはGDPRと呼ばれるEUの一般データ保護規則に準拠してサイト運営する必要があります。メールマーケティングでは顧客情報をかなり利用しますので、GDPR準拠に関しては特にご注意ください。(日本でのみの販売の場合は無視していただいて問題ありません。)

設定の完了ができれば “Update Shopify Settings” をクリックしましょう。

確認で接続先URLが表示されるので問題ないか再度確認しておきます。

顧客リストやセグメントを作成する方法

左サイドバーから “Lists & Segments” を選択し、”Create List / Segment” をクリックします。

基本的に顧客情報のリストやセグメントの作成を行う際にはこの “Lists & Segments” から行います。

“List” “Segment” 二つの選択肢が表示されます。”List” はCSVなど顧客情報が外部にあってインポートしたい場合や既にある顧客情報をさらに細分化したリストを作成したい際に用います。 “Segment” は顧客の行動を起点にメールマーケティングしたい際に利用します。

List を作成する方法

まずは “List” を作成する方法からみていきましょう。

“Name” にはリストの名前を入力しましょう。リストにタグ付けしたい場合は “Tags” からタグ付けしたいタグを選択もしくは作成できます。

タグ付けすることで顧客情報のソートが容易になります。

“There isn’t anyone in this list.” 「リストに誰も登録されていません」と出るので顧客情報を登録する手段を選択します。

専用の登録フォームを作成する場合は “Create Signup Form” を選択します。登録フォームの形式はポップアップ、埋め込みなど用途に応じて使い分けてください。

登録フォームのテンプレートも豊富に用意されています。

“Add a Subscribe Page” では専用の登録ページを用意することができます。特定のキャンペーンを開催する場合などQRコードで専用登録ページから顧客に入力してもらうなどすれば、顧客のセグメントがより容易になります。

ページのカスタマイズも直感的な操作で作成することができます。

“Upload Contacts” では入手済み顧客情報をCSVで一括アップロードすることができます。Shopify や別カートサービスから顧客情報を移す場合はここからアップロードが行えます。アップロード時メールマーケティングで不要な情報やマッチしない項目があるかと思いますので必要に応じて調整してください。

Segment を作成する方法

“Name” と “Tags” は List の場合と同じ要領で設定してください。List と大きく違う箇所は “Definition” の設定になります。

“Definition” では特定の顧客情報や顧客行動をトリガーとして選択し、セグメントを作ることができます。

ここでは全てを紹介しませんが、頻繁に使用するであろう “What someone has done (or not done)” について少し触れておきたいと思います。

“What someone has done (or not done)” を選択するとユーザーの行動に応じてメール配信することができます。

“Has” 以降の設定では Shopify側で計測される行動、Klaviyo 側で計測される行動それぞれ選択可能です。また回数や間隔を “at least once” 「少なくとも一回」、over all time「いつでも」といったように設定することもできます。

メールテンプレートの作成方法

メールテンプレートを予め作成しておきたい場合は左サイドバーの “Email Templates” を展開し、”Create Template” をクリックします。

既に用意されているデザインテンプレートが豊富にあるので使いたいテンプレートを選択し、独自にカスタマイズを加えるという手法が最も効率的ではないかと思います。

使いたいテンプレートの雛形が見つかればテンプレートを選択し、独自のテンプレート名を入力します。

テンプレートの編集は直感的に行うことができ、要素の追加などをドラッグアンドドロップで行うことができます。

  • “Blocks” ではメールで追加できる要素のコンポーネントが用意されています。使いたい要素があればドラッグアンドドロップで簡単に追加できます。
  • “Styles” では横幅や背景色などメールの基本的なスタイル調整をすることができます。
  • “Preview” では作成したテンプレートの表示確認が行えます。一旦PCで確認する場合は “Show directly in Klaviyo” で Klaviyo 管理画面から確認できます。”Send as an email” にするとテストメールを実際に送ることができます。メールアドレスはコンマで区切ると複数のメールアドレスへテストメールを送ることができます。

Campaigns の設定方法

“Campaigns” ではその名の通り、メールマーケティングしたいキャンペーンをそれぞれ作成することができます。

画面右上の “Create Campaign” をクリックすると新規キャンペーンが作成されます。”Campaign Name” にキャンペーン名を入力し、”Tags” でタグを選択もしくは作成します。

“Which lists are you sending this campaign to?” 「どのリストへこのキャンペーンを送りますか?」とあるので送りたい顧客リストを選択します。

“Use smart sending?”「スマート送信を利用しますか?」とありますが、Yes にしておくと16時間以内にメールを受け取っている人には送信しない制限がかけられます。No にすると関係なく該当するリストの顧客全てにメールが送信されます。

“Use UTM Tracking?”「UTM トラッキングを利用しますか?」

UTM トラッキングの有無も適宜必要に応じてここで設定してください。デフォルトでは「使用しない」にチェックが入っているかと思います。

キャンペーンの基本設定ができたらキャンペーンの内容を作成します。

HTMLメール、テキストメール、テンプレート利用を選択することができます。ここは用途に応じて使い分けてください。

準備ができたら “REVIEW & SEND” へ進みます。どこかで問題があれば次のようにエラーが指摘されます。

送信日時が予め決まっていればタイムゾーンを “Asia/Tokyo” に設定し設定しておきます。直ぐ送信したい場合は ”Send Now” をクリックします。

Flows の設定方法

“Flows” ではユーザーの行動に応じてメールを出し分けたり、細かい送信時間の設定などを行うことができます。

設定できるパターンがあまりにも多い為、ここでは細く解説しませんが。”Create Flow” からある程度ユーザー行動の雛形を選択することができます。

まとめ

Klaviyo が提供する機能は非常に豊富で他にも紹介できていない機能がまだたくさんあります。今回は基本的な導入設定方法と頻繁に利用する機能に絞って紹介しました。

Klaviyo の日本語ドキュメントはまだ少ないですが、基本的な操作ドキュメントや動画セミナーなどは Klaviyo が既に用意してくれています。今回の記事が少しでも Klaviyo を利用される方々の助けになれば幸いです。

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Kazuki Yonemoto
EC ARCHITECT

TAM inc. Web Technical Director / After studying abroad in Canada, I changed from school teacher to Web developer.