Shopifyストアで顧客タグを自動付与させる方法

Kazuki Yonemoto
EC ARCHITECT
Published in
7 min readDec 4, 2019

Shopifyでは顧客、商品、ブログ記事などにタグを付与して登録情報のカテゴライズやフィルタリングをすることができます。

顧客タグとは

顧客タグとはShopifyストアで登録される顧客情報に設定できるタグのことです。顧客タグを上手く利用すると顧客情報の絞り込み検索だけでなく、一定の顧客タグを持つ人だけに特定のコンテンツを表示させたり、ディスカウントを適用させたりすることができます。

Shopify 管理画面 / 顧客管理

顧客タグは Shopify 管理画面の顧客管理から顧客を選択して確認することができます。手動追加するだけであれば以下画面から設定することが可能です。

Shopify 管理画面 / 顧客タグ

基本的にタグ情報の付与はShopify管理画面から手動で設定することができますが、自動でタグの付与を行いたいケースもあるのではないでしょうか?

この記事では会員登録時に一定の顧客タグを自動で付与させる方法について紹介していきたいと思います。

顧客タグを自動で付与する仕組みを作る方法は大きく以下の2つに分けられるかと思います。

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  1. Shopifyテーマ側で仕組みを作る
  2. アプリで仕組みを作る

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1, 2 それぞれメリット、デメリットがありますので後述する内容を確認して使い分けてください。

1. Shopifyテーマ側で仕組みを作る

Shopifyテーマ側で仕組みを作る方法のメリットは実装後のコストが掛からず、手軽に導入できる点にあります。一方デメリットはShopifyテーマの制約を受けてしまう点になります。Shopifyテーマ側で顧客タグを自動付与できるのは基本的に新規会員登録時のみになります。

ECサイトではゲスト購入(会員登録を必要としない購入)を可能としているケースが多くあると思いますが、当然ゲスト購入であったとしても受注が発生している以上アカウントが作成されます。その場合、決済画面のソースコードは Shopify Plusプラン以外編集することができない為、テーマ側で顧客タグを付与させるといったことができません。

登録される全てのアカウントに対して顧客タグを付与したい場合は「アプリで仕組みを作る」を参照するようにしてください。

*注意: このパートで紹介する方法ではShopifyテーマ のソースコードを直接編集する必要があります。本番テーマを予め複製しバックアップをとっておいてください。また作業を行う場合はできるだけShopifyテーマ開発に知見がある方へお願いするようにしてください。

Shopifyテーマソースコードの編集

会員登録時に顧客タグを自動で付与させるには、会員登録用テンプレート(customers/register.liquid)を編集する必要があります。

Shopify テーマの “customers/register.liquid” を展開し、次のコードを目印にして検索してください。

{% form 'create_customer' %}
// 中略
{% endform %}

フォームタグの間に以下 inputタグを追加してください。valueには付与したいタグを指定します。ここでは “VIP” にしていますので用途に応じて変えてください。

<input type="hidden" id="customer_tags" name="customer[tags]" value="VIP"/>

設定が確認できれば新たに顧客登録をしてタグが付与されているか確認してみてください。

Shopify 会員登録画面例
Shopify 管理画面 / 顧客タグ

2. アプリで仕組みを作る

アプリで仕組みを作るメリットは実装コストを下げて、GUIベースで仕組み化できることにあります。デメリットはアプリ利用料金が発生してしまう点があります。

顧客タグを管理できるアプリはいくつかあるので使用条件に応じて使い分けてください。

【Easy Tagging / 自動タグ付与アプリ】

注文、商品、顧客それぞれのタグ付与を自動化させることができる。月額$2.99 でコストも他アプリと比べかなり抑えることができます。

Easy Tagging管理画面

Easy Tagging の管理画面でタグ付与のルールを設定します。”CREATE” ボタンから新規作成することができます。

Easy Tagging管理画面

“Name” にルール名を設定し、”Type” でタグの付与先を指定します。”Criteria” ではタグを付与する条件を設定します。上記画面では “vip” というタグを含む場合に実行するよう設定しています。”Tags Values” には実際に付与するタグを登録します。”Remove Tags“ では逆に削除するタグを指定しておくこともできます。

以上の設定が完了したら “Save” で保存しましょう。既存顧客にも作成したルールを適用したい場合には ”Apply Now” ボタンを押下することで実行できます。

【Mechanic / タスク自動化アプリ】

タグ管理だけでなくメールの自動送信など日々の運用業務を自動化させることができる。月額 $9から利用できる。

ここでは Mechanic の解説は割愛します。

以上がアプリを使った方法になります。顧客タグ付与の自動化だけであれば Easy Tagging がオススメです。ただ、他要件との兼ね合いによっては Mechanic を使う方がお得になる場合もあるでしょう。要件に応じて検討してみてください。

まとめ

顧客タグを使うと顧客グループに応じた対応などがしやすくなります。例えばB2B(法人対応)などでも顧客タグをベースに管理するといいでしょう。今回の記事がストア運営の一助になれば幸いです。

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Kazuki Yonemoto
EC ARCHITECT

TAM inc. Web Technical Director / After studying abroad in Canada, I changed from school teacher to Web developer.