「同じ舞台と異なる感動 深圳で出会った素敵な人たち(同样的舞台,不一样的精彩。~遇到“深圳”的可爱的人们~)」受講生杜雅楠さんコラム深圳の産業集積とハードウェアのマスイノベーション

早稲田ビジネススクールにはSTE Relay Colummという講師や受講者が書くコラムがあり、僕の講義も何度か題材になっている。自分の講義の感想を寄せてもらえるのは嬉しいし、それが講義の対象である中国の人からなら、なおさらだ。以前、深圳のスタートアップで働いていたAgatheに英語でコラムを書いてもらった。

その後WBSでも留学生が更に増えた。僕は、STE Relay Colummに中国語のコラムがあったほうがいいし、そのほうがゲスト参加してくれた何人かの中国人講師が喜ぶと考えて、受講者の一人杜さんにおねがいして、中国語でコラムを寄稿してもらった。和訳をこちらに掲載する。
(翻訳時にDeepL Proを使いました)

同じ舞台と異なる感動 深圳で出会った素敵な人たち(同样的舞台,不一样的精彩。~遇到“深圳”的可爱的人们~)

「深圳の産業集積とハードウェアのマスイノベーション」何とも長い名前の講座です。 私がこの講座から得たものは、この名前と関係ないような気もします。 この冬季集中授業を通じて、歴史を学び、人物を読み、技術の発展を見つめることで、年月の早さを感じさせられました。

私が「深圳」の講座を選んだ理由(我选择“深圳”的理由)

私は少し、反逆的な気持ちでこの授業を選びました。 この反逆には、いろいろな意味が込められています。なぜ、中国人なのに、外国人を通して深圳を学ぶ必要があるのか?これはよく聞かれる質問ですが、私は彼らの認識にどれほどバイアスがかかっているかをチェックしてみたかったため、受講を決めました。逆にいうと、自分の今までの認識にどれほどバイアスがかかっていたかを理解し、客観的視野角度を得ることが受講の1つ目の目的でした。
なぜ、自分自身と関係のない産業の授業を受講するのか?これはこの授業を選ぶ際に自分でもかなり躊躇していました。世界の技術革新の歴史を振り返ると、多くの場合は他業界からの参入及び置き換えによってイノベーションが生まれます。世界最先端の技術の触れることは受講の2つ目の目的です。
なぜWBSの1年目で牧先生の全ての授業を履修しなければいけないのか?そもそも私がビジネススクールにきた理由は実務では学べない専門的かつ体系的に勉強したいからです。このWBSの中で最も体系的に組み込まれているプログラム(STE Entrepreneurial Ecosystem)があると聞き、その効果を確かめるのがこの授業を選んだ3つ目の理由でした。

私にとって「深圳」とは(“深圳”对我的意义)

この授業は、社会、政策、技術、経済が急速に変化している深センを舞台に、さまざまな人がこの背景での深圳との繋がりを紹介しています。この観点からすると、深圳はこの授業の主人公ではなく、本当の主人公は話し手一人一人なのです。 しかし、それぞれの登壇者の人生にとっては、深圳は特別に重要な意味を持ちます。彼らの素晴らしい話を通じて、私はたった一週間で大きな洗礼を受け、より良い人生観を持つことができました。

講義の中で、ステレオタイプな組織文化にイノベーションの文化を植え付けた井内さんからは、程よい妥協と強い信念を学びました。政府の公的イノベーション支援の観点から日本の製造業の課題と現状をまとめた大川さんからは現場に入ることの大切さを学びました。自らの興味からイノベーションの民主化の可能性を示した武村さんからは、大胆な挑戦と自己を知ることを学びました。小室さんの薄利多売な業界でのブランド構築について詳細な説明から、自身の強みを理解と機会の把握の重要性を学びました。秋田先生の半導体の技術開発の専門的でわかりやすい説明を通じて、イノベーションにおける基礎へのひたむきな姿勢を学びました。高解像度半導体の技術の変化を読み解く清水さんからは、使命と夢を感じました。わざわざ日本企業の課題を解決するために中国に行った藤岡さんからは現地文化との融合の重要性を学びました。自分にとって最も印象的だったのは曾(Zoey)さん、张(Hao Lin)さん,汪(Bonnie)さんのセッションでした。それは同じ中国人として、もしかして自分が彼らと似通った人生を起きる可能性が十分にあったからだと思います。

曾さんの紹介する中国のVC/アクセラレータ「大公坊/iMakerBase」のプレゼンで、私が深圳に抱いているいくつかの疑問が解消されました。iMakerBaseは、イノベーションとデザイン、サプライチェーン、ブランドチャネル、国際投資などに焦点を当て、産学、研究、ビジネスを効果的に結びつけています。私は大学から日本に来ましたが、自分の中国での同級生は、大学卒業する時に起業を考える人が多くいました。しかし、私は常々、起業は簡単なことではないと思っていましたが、中国の政策やトレンドだけでなく、iMakerBaseのような組織が果たす強力な補完的役割が、社会の発展や産業構造、発展において、中国での起業を容易にしているのだと感じました。それにより、中国の起業環境とエコシステムはより強固で堅固なものとなっています。 会社を設立し、製品を生産し、販売することは、技術やインターネットが急速に発展した今日では非常に簡単なことかもしれませんが、起業後のビジネスの成功は簡単ではありません。 その中で、深圳のように人口が急増し、常にイノベーションが起きている時代にこそ、早期に失敗してたくさんの失敗を早く実践することが成功への近道となっているのかもしれません。

张さんと汪さんの「善投資(Good Investment)」は、非常に新しいコンセプトで、一般の人にも受け入れられやすいものだと思います。PEやVCとは異なる明確なポジショニングも、成功の秘訣の一つかもしれません。一般的に先進国ではまず発展を求め、その後に問題が顕在化するので、既存の産業構造の中で解決策を模索する必要があり、結果としてESG、SDGsが一種の規制や負荷になるケースが多いです。しかし、中国のように発展と社会的責任を同時に考慮する必要がある環境では、良い投資は問題を未然に防ぎ、起業家を正しい事業計画や発展に導くことができます。また、张さんと汪さんは「市民の親しみやすさや社会秩序への欲求、好景気後の安定的な快適さ、ビジネスの規範と秩序、個人の追求の多様性についての理解は日本での留学経験をベースにしている」と紹介してくれました。

最後に、カメラアングルだけでなく、没入感のあるプレゼン内容で、全講座の一つのハイライトとなった高須氏の深圳電気街華強北博物館のプレゼンについて触れておきたいです。博物館の展示紹介で、ある時は共産党の政策に拍手を送り、ある時は深圳の劇的な変化に衝撃を受けました。そのなかで最も印象に残ったのは、深圳とともに歩んできた人々が、その変化や感動を伝えるために館内に展示されていたことです。講義全体を振り返って思えば、高須氏はまさに私の人生にこんなユニークな人たちを連れてきてくれたのではないでしょうか。みんな違うようでいながらも、同じように世の中の急激な変化の流れをつかみ、その瞬間を思いのままに生きています。

このコースを勧めたい人(希望可以把这门课推荐给这样的你)

もしあなたが最先端の知識に触れたいなら、ものづくりに興味があるなら、現状を変えたいなら、チャレンジしてみたいなら、キャリアや人生設計に迷っているなら、視野や世界観を広げたいなら、ぜひ高須氏の集中講座にご参加ください。

あなたが深圳を選ぶなら(你选择“深圳”的理由)

あなたにこの授業を薦める理由は単純です。それは「あなたが探している答えはこの授業にあるからです。」深圳は、誰かで代表できるはずがありません。しかし、誰でも深圳を代表する権利があります。一見似ているが異なる人々が、異なる場所、異なる人生のステージ、異なる理由で深圳にやってきたという事実が、今日の深圳の発展と栄光を築き上げました。この異なる人が深圳のequity,diversity,inclusion & belongingを代表しています。これも、この授業で学んだこと、感じたことです。それも、牧先生の全ての授業で提唱し、追求しているHonor Codeでもあります。そして、これもビジネススクールで経営を学ぶ前に、個人として持っておくべきものでもあると思います。

皆さんにも、ここで高須さんと一緒に、さまざまな人生を体験し、いろいろな話を聞き、彩りの未来を創っていっていただきたいです。

授業全体の紹介はこちら

2021年の授業のうち、いくつかの講義は資料や録画を一般公開しています。授業の紹介はこちら。

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