一次情報をコンテンツへと昇華させる12の方法→VOYAGE GROUP流編集会議の裏側を公開(その2)

Ryosuke Watanabe
edism -エディズム-
7 min readFeb 8, 2016

VOYAGE GROUPのメディア担当者がメディアについて書き綴るメディア『edism』にようこそ。コンテンツメディア事業本部の渡辺です。

先週のブログ(もし記事ネタに困ったら→VOYAGE GROUP流編集会議の裏側を公開(その1))では、記事メディアにとって非常に重要な、一次情報の取得方法についてまとめました。

皆様ご承知の通り、集めた情報はそのままでは記事にはなりえません。

2週目となる今回。いかに“単なる情報”をコンテンツへと昇華させていくのか、VOYAGE GROUP流企画会議の方法を今回はご紹介します。

第二部:企画会議編

一部割愛をさせていただきますが、弊社で保有するメディアでは、すべて以下のような編集スケジュール表を用いて記事管理を行っています。

上記の「記事ネタ」部分を、タイトルレベルで埋めきることが弊社における企画会議のゴールです。

それでは、早速どういう流れで企画会議が行われているかをご紹介します。

1.ペルソナをブラさない

前提として、いくら企画会議だからと言って、突飛な案を出しまくるのは時間の浪費に他なりません。

ペルソナとなるユーザーが普段どんなメディアに触れていて、どんな感情で自分たちのメディアを閲覧しにきているのか。

ユーザーが渇望しているであろう情報を正確に読み取り、どのような形で伝達することが心地よく情報が伝わるのかを、日夜必死に考えています。

2.カテゴリ比率はあらかじめ決めておく

大好きなメディアが一時から情報に偏りが出てきてしまい、興醒めしてしまったことってありますよね。

そういう事態を避けるために、弊社ではあらかじめ記事カテゴリの比率を決めています。

例えば上記のメディア「appeti」では、以下のような形。

■ カフェ・レストラン:30%

■ 料理アート・盛り付け:20%

■ 新商品・新店舗:30%

■ コラム:10%

■ イベント:10%

すべてのコンテンツを一斉に配信する雑誌と異なり、少量ずつコンテンツを配信させていくWEBメディアでは伝達させるタイミングも非常に重要です。

「最近同じような記事ばっかりだな。。」

そんな風に思われてしまわないように、コンテンツの配信時間には非常に気を配っています

3.情報を掛け合わせる

ここからがいわゆるブレスト、企画会議です。

第一部で集めたキーワード(KW)をたくさん使って、いろいろなアイデアを出しまくります。

「五郎丸(流行KW)」×「節分(季節性KW)」×「イベント(ペルソナ関連情報)」=「????????(記事タイトル案)」

「instagram(流行KW)」×「バレンタイン(季節性KW)」×「スマートフォン(ペルソナ関連情報)」=「????????(記事タイトル案)」

こんな具合に、まずは幅の触れたアイデアを出しまくります。

「出題者」と「回答者」に分かれてクイズを出し合ったりもしてもいいかもしれません。

頭のトレーニングにもなるのでおススメです。

4.×αの要素でコンテンツに昇華させる

最後に、今までの手段の中で上がったアイデアを記事として成り立たせるために、何か独自性を掛け合わせることが出来ないかを編集部で模索します。

以下に弊社で実際に利用している記事分類を列挙しましたので、ご笑覧ください。

1.短期連載

単一の内容を複数回に分けて配信する手法。

秀逸なコンテンツはユーザーの飢餓感をあおり、メディアへのロイヤリティを高める働きがあります。

2.まとめ・再録

過去に人気の高かったものや、季節性が高く埋もれてしまうコンテンツを改めて配信すること。

コンテンツ精製が容易に出来るという点で利用頻度は高いです。

3.新着・速報

とにかく新しい内容を配信すること。

新しい情報が比較的多い、グルメやガジェット系のメディアではとてもユーザーには好まれます。

4.ランキング

複数の対象物を比較し、ランキング化してコンテンツとすること。

5.実演

「~してみた、やってみた」系コンテンツ。

有名ブロガーが実演している記事はSNS上でもバイラルしやすいため、容易に考え付くものの、同様にコンテンツを仕立てるのは非常に難易度が高いです。

6.ハウツー・レシピ

やり方や方法を紹介すること。

nanapiやcookpad、Youtubeがわかりやすいですね。

7.分析・考察

データや事例から分析する手法。

高い説得性とセンスが問われます。

8.提案・提言

「○○だ!」「○○すべき!」と言い切ること。

ややもすれば、炎上マーケティングと捉えられてしまう場合もあるので気をつけましょう。

9.エッセイ・コラム

自らの実体験等から、自由に意見を述べること。

10.インタビュー・取材

対象者・対象物を選定して取材を行うこと。

コストフルな取組になりがちですが、対象物や取材方法によっては大きな効果をもたらす場合があります。

logmiのような書き起こしメディアも広義の意味でこれに該当すると考えています。

11.ユーザー座談会

コンタクト可能なユーザーを集めて、座談会形式でユーザーの声を拾って記事化すること。

卓越したファシリテーターが居ないと、チャレンジしづらいコンテンツです。

12.読者アンケート

ユーザーに直接アンケート回答を依頼し、記事化するパターン。

代表的なメディアとしては「しらべぇ」があります。

以下に上記1~12をまとめた表を作成しました。

1~9は媒体単独の力で出来るという点で実現ハードルは低いですが、10~12に関してはユーザーや他者を巻き込む必要性があるので、非常に実施ハードルが高いです。

また、こうして俯瞰してみると、キュレーションメディアやバイラルメディアがこぞって、まとめ記事やランキング記事を掲載する理由も見えてきますね。

いかがでしたでしょうか、以上がVOYAGE GROUPの企画・編集会議の全容になります。

もっと気になるという方のために、VOYAGE GROUPコンテンツメディア事業本部では、外部メディアからの編集会議への参加も積極的に受け付けています。

ご興味ある方の積極的なコメント&メッセージをお待ちしております(^^)

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Ryosuke Watanabe
edism -エディズム-

VOYAGE MARKETING(VOYAGE GROUP100%子会社)という会社で、アライアンス事業を担当しています。デジタルメディア運営における、提携・協業のご相談お待ちしております。