2016年ウェブメディアの流入元から考察。読者は“ウェブメディア”に好意を抱くのか?
こんばんは、各々の領域でウェブメディアの運営に関わる3人が、独自の視点でメディアについて書き綴るメディア『edism』にようこそ、水曜日担当を務める、VOYAGE MARKETINGの船方翔馬です。
(継続は力なり…水曜日更新を徹底します。)
毎週恒例、僕が好きなメディアを1つずつ紹介していく企画『ヴァイタイヲシエール』の第四段!
第四回のヴァイタイヲシエールは…紙媒体の『HIDDEN CHAMPION』です。
HIDDEN CHAMPION <ヒドゥン・チャンピオン> は、ライフスタイルを彩る大切な要素として、音楽、アート、ファッション、エクストリームスポーツ、エンターテインメントなど、様々なカルチャーをミックスして配布する「ミックスカルチャー・フリーマガジン」です。
私は、ストリートカルチャーがものすごく好きなので、近い嗜好性を持っている方には、オススメの媒体です。
今回のテーマは…“2016年版ウェブメディアに求められているたった1つの要素を提唱”に引き続き、“2016年ウェブメディアの流入元から考察。読者は“ウェブメディア”に好意を抱くのか?”です。
早速ですが、質問です。
「あなたが好きなウェブメディアの名前を一つ上げてください。」
という質問が来た時に、パッと思いつく媒体名があり回答できる人は、何人くらいいるでしょうか。
仕事上、ウェブに関わる人は、具体的なメディア名が浮かぶはずですが、ウェブに関わりがない仕事で、普段インターネットを使う機会は、スマホのみ。そんな人達からは、次の回答が返ってくるのではないでしょうか。
「ん〜Yahooニュース?」
この記事は、2016年現在のウェブメディアにおける流入元の特徴から、マーケターや媒体が当たり前だけれど理解しておくべき事を、読者目線で考察し解答を導きます。
※ウェブメディアに好意を抱く = ウェブメディアの名前を記憶している
ウェブメディアの流入元一覧
- 検索エンジン(Google,Yahoo)
- SNS(Facebook,Twitter,など)
- キュレーションメディア(antenna,Gunosy,SmartNews,NAVERまとめ,など)
- その他(QRコード、など)
利用者の目的を可視化
- 検索エンジン(Google,Yahoo)➢ 疑問に対して回答が欲しい
- SNS(Facebook,Twitter,など)➢ 暇つぶし、承認欲求を満たす
- キュレーションメディア(antenna,Gunosy,SmartNews,NAVERまとめ、など) ➢ 暇つぶし、最新情報の取得
- その他(QRコード、など) ➢ 諸々
検索エンジン
例えば、私が「誤謬(ごびゅう)」という言葉の意味を調べる際に、Googleで「誤謬 意味」と検索すると、wikipediaの「誤謬」のページが検索結果として提示されます。
私の目的は、“誤謬の言葉の意味を知る“ことであり、wikipediaであろうがなんであろうが特に関係はありません。
つまり、検索エンジン経由の流入は、ウェブメディアが利用者(読者)に一度の接触で好意を抱かせるのは難しいのではないでしょうか。
SNS
例えば、私が「犬好き」として、Facebookで繋がっている友人が、ウェブメディアからカワイイ犬の動画の記事をシェアし、自分のタイムラインに流れてきました。
私の目的は、“暇つぶし・承認欲求満たす”場のため、単純に犬が好きだからカワイイ犬の動画が見たい。もし、涙がでるくらいカワイイ犬であれば、自分も友人の投稿をシェアすることで、自分が犬好きだという事実を伝えられる。
検索エンジンとくらべると、ウェブメディアと読者の距離が縮まる気がします。ですが、読者の目的は「犬」であってウェブメディアではありません。
キュレーションメディア
例えば、私が朝の通勤電車に乗りiPhoneでSmarNewsのアプリをタップします。最新の情報が各ジャンル毎に表示されており、現代の新聞と言われているだけあって、読み応えは抜群です。
早速、加護亜依の芸能活動のニュースをタップして…
私の目的は、“暇つぶし、最新情報の取得”のためキャッチーなタイトルと画像に惹かれついつい見てしまいました。
つまり、検索エンジン・SNSとくらべて、ある意味引きの強い深いネタをキュレーションメディア側に提供できなければ、ウェブメディアと読者の距離を縮めるのは挑戦的です。
まとめ
冒頭にあるとおり“読者は、ウェブメディアに好意を抱いていないんじゃないか?”これが現状の結論です。
読者として、SmartNewsで見た記事の記事提供元の名前を見たことはありますか?
読者として、SNSで流れてきた記事が掲載されているウェブメディア名を覚えていますか?
読者として、草食系男子という言葉の検索結果に出てきた、ウェブメディア名を覚えていますか?
多くの情報が様々な手法で手に入る現代。
ウェブメディアは、より価値のある(特定の層にとって質の高い)情報発信を行い、訪れたお客さんにへ記事だけでなく、ウェブメディアの名前を主語に好きになってもらわなければなりません。そのためには、情報発信を続けることで、読者との接触頻度を増やすことが、一番の近道ではないでしょうか。
マーケターは、読者にとって媒体が大事ではないという仮説に基づくと、どこの流入元からどのようにして流入を強化するのか見極めて戦略を立てる必要があります。
また、ウェブメディアは従来の収益方法(広告)以外に、今まで培ってきた“編集力”を武器に、あまたあるウェブメディア毎の文脈に沿った記事を書ける等の価値を発揮することで、対マーケター相手に価値を提供することが可能ではないでしょうか。
さーて、次はどんな切り口で何を書こうかな。