いかにTechnologyを教育に活かすのか【Edmodoの活用事例】

Hal
Edmodo Japan
Published in
11 min readMar 14, 2019

本記事は同志社中学校の英語科の反田任先生の講演を基にしたものである。

※ご講演者の所属や肩書は2018年3月21日、講演当時のものです。

Edmodoを授業、クラス担任の業務、保護者の中で、どうすれば効果的に使用できるだろうか。実際に学校でEdmodoを活用している反田先生にその方法や考え方について話をしていただいた。

スモールステップを重ねて整備したICT環境

Edmodoを活用している同志社中学校は2010年に様々なICT機器を導入した。普通教室には電子黒板、プロジェクター、スピーカー、そして色々なICT機器が接続できるICTボックスが備え付けられている。

さらに2012年からiPadで授業を実践・検証し、スモールステップを重ね、2014年から中学の新入生に一人一台のiPadを導入した。2017年度からは高等学校の方でもiPadの導入が始まり、現在では校内で約1300台が稼働しているそうだ。

導入のコンセプトとしてiPad×ABCと掲げているが、これは何を意味するのか。反田先生は次のように語る。

「ABCが何を表すかですが、まずABC は物事の基礎・基本ということを意味しています。」

学習の基礎・基本をiPadを通じて身につけようということと合わせて、Aは『アクティブラーニング』。授業の中にICTの要素を取り入れながら授業をしていくということで、Eラーニングの要素も持たせた『ブレンデッドラーニング』という形のBです。そしてCは共同学習『コラボレーティブラーニング』。このABCをコンセプトとしてiPadの導入を行いました。」

このABCのCであるが、iPadの活用が盛んになった最近では、ダブルC、つまり、Co-Creative(コ・クリエイティブ)、共に作り上げるという共創学習へと進化しつつあるという。

学習ポータルサイトe-CAMPUSをベースに授業教材の配布や、そして日記機能による授業の紹介を行う。SNSとしては2017年度から全校的にEdmodoを導入。担任、クラブそれぞれの先生が生徒とのコミュニケーションのために活用している。

iPadの様々なアプリやwi-fiネットワーク、そしてモバイルデバイス管理(MDM)といったシステムも含め、同志社中学校のICT教育環境は1日してできた訳ではなく、スモールステップを積み重ねて整えてきたことがわかる。

同志社中学校でのEdmodo活用事例

Edmodoには多くの機能があるために、すべての機能を使いこなすのは大変なことである。

しかし、身近なところから使っていくことにより、Edmodoを非常に便利に、有効に使っていくことが可能だ、と反田先生は語る。

Edmodoの活用方法を5つのポイントに分けて、紹介した。

活用方法1:「クラスで使うEdmodo」

学級担任の先生はクラスでどのようにEdmodoを使っていけるだろうか。

「ほとんどの小学校や中学校では、毎日授業の記録をその日の日直の当番がクラス日誌に記録し、学習内容や宿題などを終礼の時に、みんなに伝えて確認をするっていうことを目的として、活用されているのではないでしょうか。」

今年、クラスの生徒にEdmodoを使ってクラス日誌を作り、日直当番に授業記録、学習内容、宿題を簡単にまとめてもらった。

するとEdmodoを使ってクラス日誌をつけたことにより、授業や宿題をクラス全員で好きな時に確認でき、欠席した生徒についても家から授業の確認ができるということで、非常に重宝することになったという。

「タイムラインで授業の内容も追っていけるため、前の授業の内容を生徒が確認することにも非常に効果的に使えます。そして、クラス日誌の中で担任からの連絡は、添付ファイルや画像等を使って生徒に確認をすることもできます。」

「また生徒は帰宅後にも確認をすることができて、連絡が全員に行き渡るという点でも非常に有効ではないでしょうか。」

さらに、クラス通信、連絡として使うと非常に便利だそうだ。

「担任は紙ベースでクラス日誌やクラス通信を書いて生徒に配布していると思いますけれども、これをEdmodo上でやりますと、簡単に生徒に送信することができます。

また、これは教員の立場からの都合になりますけれども、クラス通信などは紙の大きさが決まっており、紙面を全部埋める必要がありますが、Edmodo上で書きますと必要なだけのスペースで書き込むことができます。」

保護者に対してはどういう使い方ができるだろうか。

「保護者の方は自分の子供がどういう活躍をしているか、それも非常にご興味をお持ちです。そういう様子をこの担任が撮影して、Edmodoのフォルダの中に保存しておくことによって保護者の方にご覧いただけます。」

「またダウンロードして必要な画像をご活用いただくことも可能です。
こういったフォルダの利用っていうのもいかがでしょうか。」

実際に夏休みに行われた海のキャンプの様子を、反田先生がEdmodoに投稿し、保護者にご覧頂いたところ、キャンプの現地からリアルタイムで様子を保護者にお伝えすることができたので、非常に喜ばれたという。

活用方法2:「授業で使うEdmodo」

英語の担当である反田先生は、授業でどのようにEdmodoを活用しているのだろうか。

「他のアプリへのリンクをよく使いました。(中略)Edmodoにリンクを貼り、単語学習に活用してもらいました。」

「それから特に授業で使いたいウェブページへのリンクですね。インターネット上には色々学習に役立つページがあります。」

加えて、Edmodoでは、先生が作成したファイルをアップロードでき、学習の場面で役立つとともに、後からいつでもそのファイルを取り出せるというメリットがある。

他にも、Edmodoの書き込み機能を用いて、プレゼンテーションの原稿をEdmodoでシェアすることが可能になるという。

以前はお互いのプレゼン原稿を交流する時には、一度、先生が回収した原稿をプリントにして配布していた。

「非常に多くの枚数を印刷しないといけない、また配布も大変でしたが、こういった形でEdmodoで書き込んで交流することによって、非常に簡単に、手間が省けてお互いの交流ができるという点では大きなメリットだと思います。」

活用方法3:「部活動で使うEdmodo」

部活動でも、顧問からの連絡、それから部員同士の連絡にEdmodoは非常に有効だ。

「これは授業やクラブ活動などでも大いに使える機能だと思うのですが、Edmodoにはメッセージ機能があります。生徒から先生、担当の先生、そしてクラブ顧問などに直接メッセージを送ることができます。」

「Edmodoを通じてメッセージのやり取りができる。Edmodoひとつでいろんなことができる多機能な点、これはEdmodoだけで全てが収まっていくので便利だと感じています。」

活用方法4:「全校で使うEdmodo」

同志社中学校では、2017年度は全校生がEdmodoの登録を行った。

例えば学校からの連絡、図書館の案内、保健室の先生からの感染症に対する予防に関する啓発等が、休日でも連絡が可能になったそうだ。

活用方法5:「学校間で使うEdmodo」

学校を超えた学びや交流が、Edmodoを通じて実現された。

学校間で実現した取り組みとして、大阪府立の箕面高校の生徒との交流をEdmodo上で行った事例を紹介した。

学校が違うだけではなく、高校生と中学生という年代も異なる生徒がどのように交流したのだろうか?

「どういう取り込みをしたかと申しますと、中学校2年生ではMydream、私の夢というテーマでスピーチに取り組んでいます。今までMy Dreamのスピーチを語る時には、単純に夢を語っていました。」

「でも今回は将来の社会を知った上で自分の夢、将来自分はどうありたいかっていうことを語ってもらおうということで、取り組みをいたしました。」

将来の職業がどうなるか、教授が語っている約10分ほどの動画を中学校2年生が見た後、2030年に消えゆく職業・出現してくる職業について理解を深める。

その後いろんな文献やWebページを探りながら、未来の職業について3人一組のグループで議論を進めた。

そして将来出てくる職業、消えゆく職業について自分たちの意見を交流し、最後にはその考え方を基にプレゼンテーションをグループで行った。

この取り組みを通じ、将来どういうふうな時代が来るのか、生徒たちが共通して理解することができたという。

高校生にアドバイスをしてもらう。つながりをEdmodoで

「Edmodoによる交流はここからです。じゃあその実際の社会を知った上で自分のあり方、自分の夢について考えようということで英語で文章を作りました。」

「この英文をEdmodoの方で書き込んで、その一つ一つの書き込み対して高校生に協力してもらって英文添削をしてもらう、アドバイスをしてもらう、という取り組みです。」

中学生は顔も知らない高校生から親切なアドバイスを受けて感銘を受けると共に、自分たちのプレゼンを頑張るということで新たな学びと、モチベーションが向上したそうだ。

この交流では、社会状況を知っていくということについて共通理解、授業の中で実社会と繋がっていくこと、そして中学生と高校生の学び合いをするためのコミュニケーションのスキルも必要になる。

こうした総合的なスキルが、Edmodoによって形成されたのではないかと反田先生は語る。

Technologyをどう教育に活かしていくか

Edmodoは教育系のSNSで非常に多くの機能を持っており、それがICT教育を広げるツールとなると語る。

「このSNS、教育系SNSのEdmodoを使うだけでICT教育と言われている部分をうまく活用して、広げていくことができるのではないかと思っています。」

「教員の視点としてテクノロジーを教育にどう活かしていくかっていう視点は、これから欠かせないポイントではないかと考えています。」

Edmodoをフル活用~授業で、クラスで、保護者と~

ご講演者
・反田任先生(同志社中学校)

※ご講演者の所属や肩書は2018年3月21日、講演当時のものです。

Edmodoは以下のリンクから無料でご利用いただけます。先生お一人からでも利用が可能です。まずはお試しください!

--

--