反転学習はアクティブラーニングを活性化させるか?

tsuyoshi shimodaira
Edmodo Japan
Published in
8 min readJul 1, 2019

学校で今までの勉強をしない!?反転学習とは?

学校でやってた勉強を家でやる!

Photo by Santi Vedrí on Unsplash

ICT技術が発展・普及するに従って、注目されてきた学習方法があります。

それが「反転学習」です。

では、反転学習とはどのようなものなのでしょうか?

反転学習とは、従来は学校で行っていた講義を、動画などを活用することで家庭で行い、学校では演習やディスカッションを行うという学習方法です。

今までの一斉授業では内容が分からないような生徒がいても、その状態を確認する機会は小テストや定期テストの場に限られていました。そのため、置いてけぼりになってしまった生徒は置いてけぼりのままになってしまっていました。

しかし、近年ICT技術を活用することで、動画教材やWebでの教材を用意することができるようになりました。そのため、家庭で学習を行い、授業の前に生徒自身が疑問に思っていることを整理することができます。

そして、授業の時間をその疑問を解消することや、今まではできなかった学習にあてることができるようになります。

授業の幅が広がる!反転学習の最大のメリット

反転学習の最大のメリットは、従来の授業時間を他の授業形態で使うことができることです。

家庭学習で予習してきた内容を先生が授業内で従来の授業より、より詳しく、より深く解説することができたり、今までは時間的な制約で出来なかったような授業を行うことができます。

そうすると、受験勉強と関係ないような内容でも授業の中に取り込むことができるようになります。

では、どのような内容を取り入れるのか?ということで注目されているのが、「アクティブラーニング」です。

アクティブラーニング!その定義とは?

生徒が能動的に活動する!

Photo by Mimi Thian on Unsplash

アクティブラーニングとは、生徒が能動的に、主体となって学習を行う学習方法です。

学習形式としては、グループワークやディベートといった対話型の学習や、ジオラマ制作などの創作活動を通した学習があります。

普通の講義形式の授業よりも、生徒が活動するような授業の方が楽しかった記憶を持つ人は多いのではないでしょうか?

アクティブラーニングには、生徒の普段の授業とは違った顔を引き出す面があります。

ICT時代だからこそ注目されたアクティブラーニング

アクティブラーニングという考え方自体は、古くからあるものです。

しかし、近年アクティブラーニングが注目されているのはなぜでしょうか?

その理由は、一言でいうと「時代の変化がアクティブラーニングの考え方にあっているかもしれない」からです。

どのような点で、このICT時代とアクティブラーニングの相性が良いと考えられているのでしょうか?

①時代の変化により、知識の活用方法の学習が求められるようになった

ICT技術が一般市民にまで普及した現在、知識自体はだれでも簡単に得ることができるようになりました。

しかし、このようにして得た知識をどのように活用するのかということはICT技術がカバーする範囲の外のことになります。

現代の教育では、得られた知識を論理的な思考力をもって、現実の課題に取り組むことが求められています。

②アクティブラーニングにICTを活用するという選択肢が追加された

パソコンやタブレットなど、ツール的な面でICT技術が普及したことも大きなきっかけになります。

ICT技術の発達の中で、パソコンでのスライドやドキュメント作成、タブレットをタッチすることによる感覚的な操作ができるようになっていきました。

これらが教育現場でも活用することができる環境が整備されていき、こられのツールを活用することで、生徒が成果や考えを表現するための手段を増やすことに繋がった訳です。

反転学習に活用できるEdmodoの機能

教育現場に導入が可能なICTツールであるEdmodoには、反転学習で活用することのできる様々なツールがあります。それらの機能を見ていきましょう。

①ドキュメントや動画を共有できる

WordやPDF、Powerpointなど、様々なドキュメントを共有することができます。これらを用いて課題を行ったり、生徒に指示を与えることができます。

また、動画を共有することもできるので、生徒の興味を引くようなコンテンツを共有することが簡単になります。

②SNS上で生徒と先生でコミュニケーションが取れる

Edmodoでは、生徒同士で個人のやり取りを行うことは出来ませんが、グループ内での会話や、生徒と先生での会話を行うことができます。

自宅での学習で疑問に感じたことを投稿するグループを作成したり、生徒が先生に質問をすることができるようにしたりすることで授業の前に生徒の疑問点が分かり、授業の中でより効果的な解説やサポートを行うことができるようになります。

③生徒の自学を助ける教材がある

「Spotlight」という機能では、無料で使用できる動画教材がまとめられており、自由にダウンロードをして使用することができます。

その中から適切な教材を選んで、生徒に見せ、自習する際の参考にしてもらうことができます。

教材の中には、動画形式で算数や理科について説明してるものもあるので、改めて先生が教材を作成する必要がありません。

反転学習やアクティブラーニングで注意しなければいけないこと

反転学習やアクティブラーニングは魅力的な学習方法ではありますが、もちろん気を付けるポイントもいくつかあります。

①家庭学習の負担が大きくなる

今まで授業でやってきた内容を家庭で学習することになると、家庭での学習時間をそれなりに取る必要があります。

従来の宿題がICTなどによる予習に置き換わるだけではないかという懸念もあり、その懸念よりも大きいメリットを授業の中で提供することが必要になってきます。

また、家庭での保護者の協力も必要になり、家庭での負担が大きくなります。

②真のアクティブラーニングは生徒主導である

アクティブラーニングではディスカッションやグループワークなどがその実践方法として挙げられます。

これらの学習方法を実践するときに、場を作りすぎてはいけず、生徒主導であることが求められます。

答えのある与えられた問題を解くことではなく、答えのないような問題を生徒主導で突き詰めていくような、そのような場の設計や問題設定が必要になってきます。

反転学習を選択肢に!

反転学習を効果的に行うことで、生徒はより深い学びを行うことができます。

ICT技術やEdmodoを活用して、反転学習のメリットを最大化するような学びを行いましょう!

参考文献

山梨大学広報.Vine.24(2014)

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