「AIが職を奪う」的な議論をどう観るか

修理固成
Cre8 University
Published in
Apr 19, 2017

ここ数年「職業が無くなる」的な議論をよく耳にするようになった.

その本質は、

実は表層の職業カテゴリーに非ず。

質的に変化できない者が仕事を失う。

そう考えている。

例えば、税理士など無くなる筆頭に挙げられる職業では、
顧問料の相場が激減し予測通り廃業する者もたしかに存在する。

一方コンサルティング・コミュニティ・クラウド会計など独自に
付加価値と価値交換性(価格)を高めてより豊かに貢献する者もいる。

コンセプト領域に精通したデザイナー・農家・先生・税理士などはたとえ高価でも重宝され、断片的な提案しかできないコーチや学校の先生が職を失う姿を目の前で直に見てきた。

原体験として、理事長さんと共に教育・経営変革に携わっていた
とある専門学校でかなりショッキングな出来事があった。

民間の大手企業の重役から独立して、
専門学校を変革をする理事長の直轄部隊として活動していたときのことである。

詳細は伏せるが、経営変革の際、教師陣も刷新するにあたり、
従来の資格指導に囚われたスタイルから変われなかった先生は、
学校の教員職を失うこととなった。

新体制に移項できたのは、
定年後ながらも学生の未来のために非常に学ぶ意欲が現れ、
その向学心が評価された先生のみであった。

先生とは守られた職業ではあるが、
民間のメスが入ると、真っ先に職を失うのであろう。

「情報を提供する先生役」なら他にいくらでも代替が利くからである。

「学生の学びのため」「自分の未来のため」「目的のため」
自分を「再定義」「再創造」できないと生きるには辛いものがある。

ちょっと先の未来の話ではなく、すでに始まっている話、
眼前まで迫って来ていることにそろそろ気づかなければならない。

だからこそなおさら時代の傍観者が生き抜きにくい
世の中になると予想している。

反対に、
人生と職業、ひいては未来の創り手に回ることができる者にとっては
これほど愉しく生きられることはない。

「人生の経営者」という生き方が必須となる。

生きる上で必須となる学びを自らデザインする
「創造力」「学習力」「コンセプト力」の開発が急務である。

上図のように、一部のリーダーや経営層だけが行使していたコンセプチュアルスキルは、いま万人に求められている。下図の筏下りのように組織や誰かに任せていると自分で判断できず忽ち道連れで滅ぶ誘い水になる。

(特定の人物だけではなく、全員が全体を見渡した判断・行動が求められる。さもなくば・・・)

人は出逢い、気づき、学ぶことで
行動の幅や未来への選択肢を拡大できる。

学習を繰り返すことで「この道しかない」という狭い枠内での生き方・ライフスタイルから解放され、自分らしく、持ち味を発揮できる豊かな人生を創り、歩むことができるようになる。

テクノロジーの進化や時代の変化に対し、過度な被害者意識や恐れを持つのではなく、追い風に変えるカタチで活かしていけばいい。新しい流れを自分の分野でいかに活用していくか、真剣に考え、楽しく実践を積み重ねていくことが重要である。

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