人力発電で、どれくらいの発電が可能なのだろうか?
以前の記事で紹介した自転車を使った発電機を使う場合、
70Wの発電ができる模様。
また、東京工業大学でのイベントでは、最大値はなんと
321Wを達成した模様だ。 一方、携帯電話の緊急充電に使う人力発電グッズの資料を 見ると、
◆握って発電する場合 :1.5W
◆引っ張って発電する場合 :2.5W
◆踏んで発電する場合 :6.0W
となっている。
さて、発電によって生み出せるエネルギーは発電時の電力量に 発電時間を掛けたものである。 具体的には、上記の「握って発電」を1時間続けた場合、 1.5Whのエネルギーが生み出せるわけだ。
東工大の321Wという記録は、本当に必死でこいで瞬間的に 達成した値であり、これで1時間続けられるわけではない。現実的に、日常的にできる範囲を考えてみる。握ったり、引っ張ったり、踏んだりだと、 ま、せいぜい3分が限界だろう。
3分で生み出せるエネルギーは、それぞれ、 0.075Wh、0.125Wh、0.3Whとなる。 わかりやすくするために、実際にこれらのエネルギーがどれ位 役立つかを具体的に見てみよう。
引っ張り型を採用している、携帯用の発電機、レスQ隊の資料を見ると、「3分発電すれば携帯電話で3分話せる」という 記述がある。
逆算すれば、携帯電話の通話時の消費電力は2.5W程度 なのだろう。
この数字を使い、携帯電話での通話時間に換算すれば、 3分の発電で、 握り型 1.8分
引っ張り型 3.0分
踏んで型 7.2分
の通話が可能となり、踏んで型がよさげということになる。
余談: かなり苦しい絵になるが、レスQ隊で発電しながら携帯電話で 話す場合、発電が続けられる限りは通話が可能ということになる。
一方、上記の70Wの自転車発電機を3分使えば、 携帯電話で84分の通話が可能となる。
自転車型の場合、ダイエットのために20分程度こぐという 利用シーンを想定すると、23Whが生み出せる。
以上のことから考えると、途中の電力ロス、充電ロスなどの事象を 捨象すれば、
◆日常の緊急発電(3分)だと、0.075~0.3Wh
◆ダイエットがてらの自転車発電(20分)だと、23Wh
ということになる。 人力発電の様々な仕組みが開発されることはあるだろうが、 こういった数字が2倍になるということはなかなか難しいこと だと思われる。
明日の記事では、上記の電力を使う可能性を探るため、 様々な機器の消費電力について見てみたい。
Originally published at blog.livedoor.jp on November 27, 2006.