発電する床

谷内 ススム
energy2.0
Published in
2 min readDec 15, 2006

今年の10月にJR東日本が東京駅で「発電床」の実験を始めた。
日経ネットの記事) 通勤ラッシュの改札口に圧力で発電する装置を置き、 通勤で通過する人々の踏む力で発電する仕組み。

これは圧電素子という、圧力を電力に変換できるデバイスを使っている模様。

ただ、あるブログ記事によれば、発電量は「1人が改札を通過するたびに70~100ミリワットが発電される。 しかし、1日70万人が利用しても、100ワット電球が10分点灯する 程度」ということだ。

ざっと計算すれば、100×10÷60=16.7(Wh)

これだと、人力による自転車型発電による 「ダイエットがてらの自転車発電(20分)だと、23Wh」 にすら及ばない。

経済的価値に換算してみよう。

1kWhあたり22円という一般的に使われる値をつかえば、16.7÷1000×22=0.37(円) となる。

正直なところ、「絶望的」な数字にしかならない。 機会を改めて、人力発電の経済性の悪さは紹介するが、 このJR東日本の実験は、実験費用、投資額を考えると、さらに経済性が悪い。

「実験は12月中旬までの予定で、将来は発電床で自動改札機 や案内表示の電力を賄うのが目標。」とのこと、何とか現物を見に行きたいが… スケジュール的には、終わってしまいそう。

今後、どの程度の改善が可能なのかは知らないが、 経済性から見れば、株主や利用者には怒られそうな実験である。もう少し、きちんとPRしないとネガティブPRになりかねない。JR東日本のウェブサイトをいくら探しても見あたらないのは 各方面から非難を浴びたからなのだろうか?

Originally published at blog.livedoor.jp on December 15, 2006.

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