100ドルPCでも使われるCGE

谷内 ススム
energy2.0
Published in
3 min readDec 6, 2006

100ドルPCのプロジェクトは、発展途上国の子供達が 1人に1台ラップトップPCを持てるようにしようという 取り組み。

(※FAQはこちら

この100ドルPCには、人力発電装置が付いている。 発展途上国では、電源が限られているし、我々のように 安価で安定的に供給されるとは限らないからだ。 発電装置は、現在の試作~少量生産段階のモデルでは、 手回し式や引っ張り式などが試されている。

100ドルPCのプロジェクトを推進しているOLPCのハードウェア仕様に関するページを見ると、その低消費電力と人力発電に関わる工夫に感心させられる。

要点をまとめると、以下の様になる。

◆子供が電力を生み出して使えるように、 多くの利用シナリオは1~1.5Wでまかなえる様に 設計
(※子供が発電する場合、5~10Wが限界と彼らは みている。)

◆人力発電、車やトラックのバッテリーの充電に耐え られる柔軟な設計

◆効率的な充電性、安全性、環境へのやさしさを考慮 してニッケル水素(NiMH)バッテリーを採用

◆一方を使いながら、他方が充電ができるように、 取り外しや交換が容易なバッテリーを採用

さらに、engadgetの2006/7/24の記事から引用すると、

◆プロジェクトの目標は1分間の発電で10分間使えること

◆新しい方式では楽に20ワットが出せ、10ワットなら 「いつまででも」発電し続けることが可能

◆教室で使うためには静音性が重要ですが、従来の発電機 と異なり低い回転数に最適化したデザインを用いている

◆年齢や力の違う子どもが使うことを考慮して、内蔵した コンピュータチップで最適な負荷を動的に調節することまでできます。ひもが切れれば靴紐でも使え分解・ メンテナンスも簡単
(※確かに発電時の「音」は結構重要で、私が試した 小型の機器は、いずれも少しうるさい気がする。)

といった記述があり、これらが全て製品で実現されるとすると、 相当期待ができそうだ。 有る意味、「子供が自力で使える様に」という発想に基づき 様々な仕様を作り込んでいる。

ユーザーと利用シーンをクリアに設定したマーケティングの 成功例となるだろう。

発展途上国だけでなく、先進国の子供にも、さらには旅行中の大人などにも使いやすいPCになる可能性もある。 先進国で200ドルで市販して、1台は手元に、1台は 発展途上国の子供に届けるような話もあるらしい。 とても楽しみなプロジェクトだ。

Originally published at blog.livedoor.jp on December 6, 2006.

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