CGEで動かせる電気機器とは

谷内 ススム
energy2.0
Published in
4 min readNov 28, 2006

昨日の記事で、

◆日常の緊急発電(3分)だと、0.075~0.3Wh
◆ダイエットがてらの自転車発電(20分)だと、23Wh

という試算を書いたが、これらを使う電気機器は、 どの様なものがありえるのだろうか?

家電の消費電力ランキング」という家電機器の消費電力を実測したブログ記事を参考にすると、

トースター:1000W
エアコン(室内機):430W
アイロン:160〜210W
テレビ:94W
洗濯機:85W
PC本体(Duron):80W
冷蔵庫:55W
5.1chホームシアター:50W
PC本体(K6–2):30W
扇風機:25W
液晶モニタ:20W

だそうだ。

人力発電で得た電力で、どれくらい家電機器を動かせるか、 粗い計算をしてみる。 (※機器が要求する電圧が出せるということを仮定して)

緊急発電の0.3Whでは、液晶モニタを1分弱しか動かせない。

ダイエット自転車発電だと 扇風機を約1時間 PC本体を約45分 トースターなら1分ちょい (※これではトーストは焼けない…) 動かせる。

やはり、一般の家電機器を動かすのは、ちと難しいし、 日常的に行うこととしては現実的ではない。 一方で、我々が使う携帯電話、PDA、ポータブルプレーヤー、 携帯ゲーム機などであれば、そこそこ使える。 いくつか、具体的に見てみると、

◆PDA

ザウルスの仕様比較表を見ると消費電力は、2.3~3.8W であり、携帯電話とほぼ同様。

◆携帯ゲーム機

ニンテンドーDS lite は、2.3W(充電時)であり、これも携帯なみ。 前の機種DS は1.6Wだそうだ。

ちなみに、USB端子からの電力供給で動く機器は最大2.5W というUSBの規格内で動く機器なので、上記の機器たちと 同じように使えると思われる。

こういった機器であれば、ダイエット自転車発電による電力で 10時間ほどは使えるし、緊急発電でも数分は使える。 余談だが、子供がニンテンドーDSを使う場合、 全て自分で自転車発電をして、その電力を使うことにしたら、 ゲームのやり過ぎ抑制と運動不足解消になるのではないか? (※ちと無理があるか…)

小型の電子機器の低消費電力化は、メーカーや研究機関が注力している分野であるため、今後、さらに消費電力は小さくなり、 人力発電によってまかなえる可能性は拡大するだろう。

一方、数年前から注目を浴びてきたウェアラブル機器や、 超小型の電子機器は、さらに消費電力が小さい。 例えば、ウェアラブルの典型例である時計型コンピュータについてシチズンとIBMが2001年に試作機として発表した Watch Pad関連記事を見ると、数マイクロ~数十マイクロW レベルの消費電力との記述がある。

仮に、消費電力が50マイクロW(0.00005W)とすると、 握り型で3分人力発電した場合の0.075Whで1500時間も の間使えるという試算になる。

もう一つ、非常に面白い小型機器を見つけた。

エプソンが試作したマイクロ・フライング・ロボットだ。

消費電力等の情報はないが、おそらくかなり小さな電力で動く 機器ではないか。

実際に飛ばしているデモ・ムービーもある。

(※一番上のムービー。ちと前置きが長いので、半分くらい 飛ばして見てもらうとよいかも。)

自分で発電して、こんな「蚊」の様なロボットを飛ばすというのも なんだか楽しそうに思える。 こうして見ていくと、現時点では少し難しい部分もあるが、 今後を展望すれば、人力発電によるCGEで動かすことができる 機器は増えていくと思われるのだが、如何だろう。

Originally published at blog.livedoor.jp on November 28, 2006.

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