いただくとくださる

こちらは「言葉に関するアドベントカレンダー」の17日目の記事です。昨日の記事は以下でした。

他人から何かをもらったときに、「いただく」という言い方と「くださる」という言い方でその状況を表すことができます。

しかし最近の巷の傾向としては、何でもかんでも「いただく」になりがちというか、個人的には、「そこ、〈くださる〉の方がいいんじゃないか?」と思うことが少なくありません。

たとえば、誰かからプレゼントをもらったときに、「もらった自分」を主体にするなら「いただく」で良いと思いますが、「プレゼントをする側」を主体とするなら「くださる」の方がその感覚を表しやすいように思います。

「〜して頂いてありがとうございます」は、それをしてもらった自分の視点にもとづく表現ですが、「〜してくださってありがとうございます」は、それをした相手の身になった上でその行為を捉えています。

なので、ぼくは「こんなことをしてくれたこの人はなんて素敵な人なんだ!」という風に、相手やその行為にフォーカスしたいときには「〜してくださってありがとう」みたいな言い方をしますし、「こんなことをしてもらって自分はなんて幸運なんだ・・」という風に、それをもらった自分やその感覚をメインで表現したいときには「〜して頂いて嬉しい!」みたいな言い方をします。

どちらかと言うと、「くださる」の方が使いどころが限られているというか、逆に「いただく」は結構オールマイティで、上記の通り「とりあえず〈いただく〉でいいよね」という感じであちこちに溢れている印象があるので、ぼく自身は「くださる」が自然に使えるところではなるべくそっちにして、表現の幅を持たせたいなと思っています。

今日はコンパクトにまとまりました。以上です。

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