「どんな価値観を持った人も活躍できる会社に」 新人事制度baniera(バニエラ)を作った理由

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16 min readJun 22, 2016
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初めまして。
人事の進(しん)です!

今回は「tech blog」の場所をお借りして、先日リリースした新人事制度「baniera(バニエラ)」についてご紹介させていただきたいと思います!

baniera(バニエラ)紹介ページ

エウレカがパパママ社員に優しい新人事制度、英会話全額負担や「Pairs婚」手当ても — TechCrunch

事業部デザイナーから人事へ

突然のキャリアチェンジ

「ねえねえ、まぽたんさ、人事やってくれない?絶対に向いてると思うんだけど」

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当時Pairsのデザイナーだった私・まぽたんこと進真穂に、COOの西川が突然こう言い放ちました。
「またまた〜、なんて面白いことを言うんだこの人は」としびれたのを覚えていますが(笑)、そんな西川の一言から私の人事生活はスタートしました。

約3年半前にエウレカに入社、受託デザイナーからPairs事業部デザイナーを経験し、昨年の12月から、上のような経緯で人事担当に。 プライベートでは2年前に結婚し、現在妊娠9ヶ月を迎えました。(実は、明日から産休に入る前というところでこのブログを書いています。)

西川の「人事やったら?」発言当時、まだエウレカは平均年齢25歳前後で、独身者ばかり。
当時、数少ない既婚者で子供を産んでも今のままバリバリ仕事を続けられるか不安だった私に、経営陣が「今はまだいいけど、この先、エウレカもいろいろな制度を整えていかないといけない。まぽたんがまずロールモデルとなって、女性が結婚・出産後も安心して働けたり、そもそも女性だけでなく、男性が子育てしやすかったり、既婚未婚関係なく、国籍も関係なく、社員みんなが気持ちよく実力を発揮できる環境作りをして欲しい」といつも話してくれていました。

「エウレカ歴も長く、死に物狂いで(笑)事業も経験した身。そんな自分の経験を人事に活かせれば」と思い、人事にキャリアチェンジすることを決意しました。

そんな私がありがたいことにプロジェクトを任せてもらい、「いろいろな価値観、ライフスタイルの社員が働きやすい環境を作る」をモットーに、先日リリースした「baniera(バニエラ)」についてご紹介したいと思います。

新人事制度 「baniera(バニエラ)」ができるまで

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なぜ「baniera」が生まれたのか

「普遍的に優秀な人材として成長し続け、人々の人生を豊かにするものを提供し続ける」

これが私たちエウレカのミッションです。
社会環境のめまぐるしい変化の中、「企業」「国」「産業」「時代」に依存しない 「普遍的に優秀な人材」として成長し続け、その力を持って人々に「幸せ」や「豊かさ」を提供したい。これがエウレカが意識し、追求していることです。

本当に幸いなことに、エウレカはお客様、クライアント様、パートナー様、社員、社員のご家族方に支えられながらこれまで急成長を遂げてきました。
その中で、多様な環境・状況で働く社員も増え、平均年齢も25歳から28歳に上がり、30代・40代の社員もどんどん増えてきています。

社員が増えれば増えるほど、それぞれが持っている「キャリアプラン」「人生観」「生活環境」も多様性を増していきます。
さらに、現在エウレカでは、日本人だけでなく、台湾、マレーシア、フィリピン、オーストラリア出身のメンバーもいて、彼らが育ってきたカルチャーや価値観も日本人のそれとは大きく違います。

会社として「様々な生き方、価値感、状況がある中で、お互いを認めあい、高め合えるような環境を作りたい」、そして、「”普遍的に優秀な人材として成長し続ける”ことができるよう会社としてサポートしたい」、そんなことを考え、形にしたのが先日リリースした「baniera」です。

「オンライン英会話学習補助」「病児シッター制度」など、早速活用する社員も多数

「baniera」を設計するにあたり、他社の福利厚生を調べ、実際にヒアリングをさせていただいたりもしました。「本当に必要なもの」「本当にサポートになるもの」に拘りたかったからです。

とても嬉しいことに、社内では早速banieraの新しい制度がどんどん活用されています。
ここでいくつかbanieraの中身をピックアップしてご紹介したいと思います。

1)”本気”でやりたい人をサポート「オンライン英会話学習補助」

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2015年5月に米国のIACグループ入りしたエウレカでは、業務上で英語を話せることの重要性が増してきています。
エウレカには、もともとなぜかバイリンガルが比較的多かったのですが、それでもまだまだ最高の仕事をするには英語力が足りない。ということで導入したのが「オンライン英会話学習補助」です。

出勤前の時間を利用して受講しているメンバーや、US出張メンバーの緊急猛勉強に早速使われています。

社内での反応もかなり良く、多くのメンバーに利用され始めています。
業務上でUSとのやりとりが発生するメンバーには必須で受けてもらっているのですが、他のメンバーに関しては「1ヶ月間で15日以上受講した場合のみ全額負担」という条件をつけています。
スキルの向上を目的とするのであれば継続的に受講し、本気で取り組まなければ意味がありません。学習のきっかけは均等に提供しますが、あくまで 「本気の人」のみをサポートする仕組みになっています。

2)視野を広げる。海外カンファレンス参加・有料セミナー参加費負担

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WWDC/Google IOなどの海外カンファレンス参加

エウレカではWWDC/Google IO/F8、その他海外有名カンファレンスへの参加を推進しています。参加者の往復航空券・ホテル宿泊費・カンファレンスチケット費を全て会社負担し、これまでWWDC、Google IOへ実際に若いメンバーが参加しています。

2015年Google IO参加ブログ

帰国後は学んできたこと・肌で感じてきたことを会社に必ずフィードバックをしてもらっています。 また、社員から「この海外カンファレンスに出たい」という要望も随時受け付けており、もし承認が降りた場合はかかる費用を負担するようにしています。

ちなみに海外カンファレンスではないのですが、2015年の社員旅行では全員でサンフランシスコに行き、実際にGoogleを訪問したりもしています!

有料セミナー参加費負担

有料セミナー参加費も負担しています。
必ず参加後は会社・チームへのフィードバックを必須としているので、社内では共有会や勉強会が頻繁に行われるようになりました。
社内だけの学びにとどまらず、社外からも情報を積極的にキャッチしにいく姿勢を持って欲しい、外部の方との交流の中で、自分の視野やコミュニティを広げていって欲しいという思いからこの制度を導入しています。

3)200円で病児シッターが利用できる「病児シッター制度」

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子ども達は本当にすぐ風邪を引きます。兄弟がいる場合はお互いの風邪をもらい、見事に順番に寝込むなんてことは、子育てする上での”あるある”ではないでしょうか。
そんな時、必然的にパパママは休まなくてはならない状況になり、会社に遠慮をしつつも有給を消化する、という話はよく耳にします。そんな問題を解決すべく、ベビーシッター会社と法人契約を結び、安心してプロに自分の子どもを預けることができる、この制度を導入しました。

病児シッター制度を取り入れるにあたり、受託事業時代のクライアント様で、岩崎社長の『ほとんどの社員が17時に帰る10年連続右肩上がりの会社』でも有名な株式会社ランクアップ様にお邪魔してヒアリングをさせていただきました。同制度をフル活用していると伺っていたので、導入を検討していると相談したところ、猛烈にオススメしていただき、「病児シッター制度に一番助かっているという声が社内では多い」というリアルなお話も聞くことができました。

実際に制度導入後、社内のパパ社員が利用し、良いフィードバックももらっています。 「次回もぜひ利用したい」とのことで今後もこの制度が役立つことをとても期待しています。(もちろん私自身も今後活用していこうと思っています!)

子育ては「人に頼ること」も大切(まだ産んでもないのに何偉そうに言ってるんだと言われるかもしれませんが・・・)。
欧米やシンガポールでは当たり前のように利用されているベビーシッターに、もっと働くパパママが頼れるようになれば(価格の問題もありますが)、日本の保育問題もずいぶん変わると個人的には感じています。
会社で導入することによって、他人に預けることにどうしても抵抗のあるベビーシッターのハードルを少しでも下げることができれば。そんなことも考え、この制度を導入しています。

4)「祝! Happy Pairs婚」。実際に該当者はいるのか・・・?

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「祝! Happy Pairs婚」は、Pairsを通じて結婚をした社員に、結婚祝い(banieraでは5万+便利家電)に加え、5万円分のギフト券をプレゼントする制度です。

「実際に該当者はいるのか」という質問をたくさんいただいています。 もちろん気になるところですよね(笑)。
答えとしては、banieraが出来てからは「まだ」該当者はいません。 (退職したメンバーには実際に結婚している者もいます!)

しかし、今後必ず出てくると確信しています。
社内アンケートの結果をご紹介します。自分たちの作ったサービスで自分たちも幸せになるなんて、Pairsはなんといいサービスなんでしょうか・・・(笑)。

「Pairsをプライベートで利用している」・・・約70%
「Pairsで現在デートしている人がいる(お付き合い前)」・・・9名
「Pairsがきっかけで付き合っている人がいる」・・・6名
(回答数:計60名、2016年6月現在)

いつか「祝! Happy Pairs婚」で社員をお祝いできる日を私も心待ちにしています。

5)私が「イクワン」「イクカイ」を絶対に導入したかった理由

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■「育休中1on1(イクワン)」
復職を支援するため、上長との月イチの1on1面談を育休中も継続して行います。上司からは会社の現状を共有、育休中の社員は復帰後の仕事や悩みなどを相談をすることができます。Skypeで実施、もしくはお子さんを会社に連れてくることも可能です。

■「育休中会議出席(イクカイ)」
イクワンと同様、復職を支援するために育休中でも全社会や重要会議に出席できる制度です。Skypeで参加、もしくは会議によってお子さんを連れてくることも可能です。

育休から復帰するにあたって私自身の不安は何だろうと考えた時に、浮かんだのは大きく2つでした。

1)浦島太郎になってしまわないか(復帰時キャッチアップできるか)
2)自分自身が忘れ去られないか(笑)

1)休んでいる間に会社だけがどんどん前に進んでいき、自分だけ置いていかれるのでは、という不安がありました。
この目まぐるしく変化するベンチャー企業では、常に最新の情報を持っていなければ、復帰した時、会社の状況にすぐ適応することは簡単なことではありません。
そこで、月に1回は上司と1on1面談できたり、全社会に出席できるなど、会社の最新情報や、自分のグループの目標・進捗・業務内容などの情報を常に最新で持っておくことができる機会を作りました。

2)は半分冗談ですが、半分本気です。
現実、会社は自分がいなくても回るものです。その中でいかに自分自身の価値をキープできるか。つまり会社に「私を忘れさせてたまるか」という思いです(笑)。

また、仕事から離れることにより、今持っているビジネス感覚を忘れたくないという思いもありました。
感覚を維持することもそうですし、自分の復帰後のキャリアを考えた時、どれだけ空いた時間を利用して自己研磨できるかが重要だと考えています。 本を読む、専門知識を高める、英語学習をする(オンライン英会話学習補助が活躍しますね)など、自分自身の価値をいかに高めることができるかが勝負だと思っています。そういった 「意識を高くキープするため」という思いもこの制度には込めました。

親になっても「普遍的に優秀な人材」として成長し続ける。 エウレカで育休取得者第一号である私自身が実際に初めて利用する立場になるので、自ら「実験台」となり、この制度の価値を高めていきたいと思っています。

6)「エウレカフライデーカフェ」「社内ヨガ」「全社交流会」は交流の場に

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「エウレカフライデーカフェ」「社内ヨガ」、またホームページでは紹介していませんが、毎月の全社会の後にすべての社員が参加する「全社交流会」を実施しています。
毎月違うチーム編成で企画・準備をし、お酒・フードを会社負担で用意、社員全員での交流の場を作っています(余談ですが、企画にかなりバラエティが増してきており、直近では「音楽家たち」というくくりで選ばれたメンバーが実際にオーケストラチームを連れてきて生演奏を披露してくれました 笑)。

様々なきっかけを作ることよって、交流の場が生まれ、社員同士のつながりを生むことができています。
banieraには他にも様々な制度があります。
本当はもっと一つひとつじっくりご紹介したいのですが、それをやっているとこのブログが超絶迷惑な長さになってしまいますので、もっと知りたい方は是非ご連絡ください!

私自身、制度の恩恵を受ける側として「決して甘えないこと」を常に意識したい

私がこの制度を設計し、経営陣に提案した時、「いいね、やろう!」と、提案した全てを受け入れてくれました。 本当に感謝しています。

あえてここで言いたいのは、banieraは社員を甘やかすためや機嫌を取るために作ったわけではありません。 今回のbaniera制度の実際の恩恵を受ける身として私自身が意識していることは、「決して制度に甘えないこと」です。

「制度の恩恵だけ受けて、全然仕事していない」
「制度にぶら下がっているだけ」

そんな声が社内で出てきた時に、制度として保つことが難しくなっていき、廃止になったり、取得しづらい雰囲気になってしまうという話は実際に世の中に多くあります。

これから産休に入る私も、いちエウレカ社員。個人としてキャリアアップもしていきたいし、スキルも伸ばしていきたい。私自身が制度を活用し、ガツガツ成長していく姿を見せることが重要だと考えています。会社の制度に感謝し、仲間に感謝し、いただいたチャンスや環境に感謝し、何よりも「結果」や「成長」でお返しをする。その気持ちは絶対に忘れないでいたいと思っています。

banieraは「エウレカの価値観・文化の創造」でもある

福利厚生によって会社の価値観・文化を作る

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banieraはただ単に福利厚生として実際に社員のサポートをするだけはなく、あらゆる価値観を受け入れ合える環境を作ることにもつながります。「会社としてサポートする」という姿勢を示すことができ、一種の「エウレカの価値観・文化の創造」であるとも考えています。

自分の当たり前は隣の人の当たり前ではありません。それと同時に、違う個々の力が合わさった時に会社という生き物は大きな力を発揮します。
「様々な生き方、価値感、状況がある中で、お互いを認めあい、高め合えるような環境を作りたい」
まずは会社がそういった姿勢を見せ、文化として根付かせることが大切です。

「人々の人生を豊かにするものを提供し続ける」には、「エウレカ社員の人生が豊かあること」にも目を向けなければいけません。 エウレカは今後もそんな思いを大切にしていきたいと考えています。

何よりも悩みを打ち明けられる環境に

banieraは決して「完成した制度」だとは思っていません。
引き続き、社員が直面する「リアルな問題」と一緒に向き合い、本当にベストな方法でサポートできる制度を構築していきたいと考えています。

「誰かが今本気で困っていること」は「誰かがいつか本気で困ること」です。それを放っておけば、いつか、「困っている人であふれ返る会社」になってしまう。
だからこそ「困っていること」を「困っている」と相談できる環境こそ重要だと考えています。「様々な生き方や価値観を尊重しあえる環境」だからこそ、社員が悩みを話すことができ、その悩みに対して一緒に向き合うことができる。そんなサイクルがあるからこそ「本当にサポートできる」制度が生まれると私は考えています。

「国の制度に頼れないなら、会社ができることをやるしかない」

COOの西川はいつも私にこう言ってくれます。

本当にその通りであり、またそんな会社であり続けるには、私たち自身が「結果を出し続ける会社であること」にとことんこだわる必要があります。

引き続き、「普遍的に優秀な人材として成長し続け、人々の人生を豊かにするものを提供し続ける」ために、私も人事としてできることに最大限アクセルを踏んでいきたいと思っています。

明日から、産休・育休とお休みをいただきますが、育児を通して更にパワーアップしたリニューアル進で復帰できればと思っています。

皆さま、またお会いする日まで!

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