新米プロダクトマネージャーのプロジェクトの進め方

eureka, Inc.
Eureka Engineering
Published in
6 min readDec 16, 2016
8coauk8ckv8-ian-schneider-1

はじめまして!

Pairsのアソシエイトプロダクトマネージャーの河信です。

これは Product Manager Advent Calender 2016の16日目の記事です。

今回は、新米プロダクトマネージャーのプロジェクトの進め方について書きたいと思います。

自己紹介

本題に入る前に簡単な自己紹介をします。

経歴としては営業歴2年とプログラミングスクールの講師を半年ほどやっていたくらいで、実際のプロダクト開発の経験が全くない人間です。

講師といっても基礎的なhtmlとcssを教えていたくらいなので、エンジニアリングの知識はほぼありません。

そんな僕がプロダクトマネージャーを務めることになるわけですが、プロジェクトを進める上で直面した課題と、その解決方法、そして未経験ながらも、自分なりに大事にしてきたスタンスについてお話しさせていただきます。

僕が所属するPairs事業部のProductチームでは施策ベースでプロジェクトが組まれます。

そこでプロダクトマネージャー、デザイナー、iOS/Android/Webエンジニアと一つのチームになって期限内に決められた成果を出すためにプロダクトを形にしていきます。

僕がプロジェクトを進めていく上で直面した課題点は主に下記の二点です。

  1. 一人で抱え込んでしまう
  2. 判断材料がきちんと整理できていない

順番にお話していきます。

1.一人で抱え込んでしまう

最初のうちは「プロダクトマネージャーである僕がちゃんと全部決めないと!」と意気込んでいました。

しかし、実装者に仕様の相談をすると考慮漏れがあったり、期待できるビジネスインパクトに対してあまりに工数が大きかったりなど、実装に入るまでに時間かかりすぎるという問題がありました。

これはまさに、僕が非エンジニアであることが欠点として現れてしまった点ではありましたが、ここは割り切って「せっかく頼れるプロがいるんだから彼らに頼ろう」と思い、仕様決定までのフローを変えました。

具体的には、仕様を決める前に実装者・デザイナーを含めて、「何をしたいのか?」「なぜしたいのか?」だけ伝え、実際にどんな仕様にするかは彼らから意見をもらいながら決めることにしました。

実際、実装者やデザイナーと一緒に仕様を考えるメリットは大きかったです。

例えば、

  • 仕様の考慮漏れが減る
  • 何ができて、何が難しいのかを事前に知ることができる
  • チームに一体感が増して、色々と意見がもらえる

といったことがあり、プロジェクトがスムーズに進むようになりました。

しかし、一点注意が必要です。

それは「何をしないか?」ということも事前に決めておくことです。

色んな視点が加わることで様々なアイデアが出ることは基本的にはいいことです。

ただ、「あれもやりたい。これもやりたい。」となって選択肢が増えすぎてしまうことで、いつのまにか本来の目的とずれていたり、見積もり以上の工数がかかってしまいます。

「何をするか?」を決めることと同じくらい「何をしないか?」を決めることも大切です。

プロダクトマネージャーにとって、上手にメンバーに頼るということはとても重要です。

責任感の強さはプロダクトマネージャーとして必須ですが、だからと言って一人で何でもやらなきゃいけない、という訳ではないということを学びました。

むしろどんな手を使ってでもユーザーに喜ばれるプロダクトにするべきで、そのために頼れるメンバーがいるかいないかの差は非常に大きいです。

メンバーに相談しても悩むことがあれば、プロジェクトチーム以外の人に頼ることもあります。そうやって上手く周囲の人達を巻き込むこともプロダクトマネージャーとしては大切な能力です。

2.判断材料がきちんと整理できていない

プロジェクト施策を実際に進めていく上で、

  • どういった仕様にするか?
  • どのデザインでいくか?
  • どこまで開発工数をかけるか?

などの判断に迷うことは少なくないです。

こういった判断をする際に、正確な情報が揃っているかどうかは判断の精度・スピードに大きく影響します。

プロジェクトを進める上で様々な制約条件や問題点の発生はつきものです。まして複数のプロジェクトを掛け持ちしていれば、常に正確な情報を漏れなく頭に入れておくことは容易ではありません。判断する際に情報収集をすることはありますが、かえって効率が悪くなることも度々あります。

更にプロダクトマネージャーは、各プロジェクトごとのエンジニア、デザイナー、CS、上司など、情報を共有するべき相手が特に多い職種です。

このようにコミュニケーションを取る相手や共有する情報が異なる状況のなかで、相談した内容や結果として決まったこと。また、なぜそうしたのかという背景も含めてドキュメントに残し、いつでも情報として引き出せるようにすることで情報共有が圧倒的にスムーズになります。

何より情報の精度も保たれるため、各メンバー間の認識齟齬も起きにくく意思決定もしやすい状態にできます。

「当たり前のことじゃない?」と思われる方もいるかもしれませんが、プロダクトマネージャーの業務は多岐に渡るので、意外とこうした時間が取れないのが現状だったりします。

自分の考えを整理するためにも、定期的に時間を作って情報整理をするのはオススメです。

最後に

僕がプロダクトマネージャーとして大事にしたスタンスについてです。

それは

「たとえ間違った意見だったとしても、自分の考えは積極的に発言する」

ということです。

プロダクトマネージャーにとって「決める」ということは最も需要な役割だと思っています。

なので上司から言われた通りのことばかりをやっていては、いつまで経っても自分で意思決定ができるようにはならないですし、それができなければいつまで経っても半人前のプロダクトマネージャーです。

これはエウレカの経営陣から頂いたアドバイスの受け売りでありますが

「優秀な上司との差分を理解しなければ、その差は縮まらない」

ということです。

これは意思決定に関しても同様のことが言えます。

メリット・デメリットや、想定されるリスクといった様々な観点から、自分と上司の意思決定の違いはどこから生まれているのか?

その差分をしっかり把握しないことには正しい意思決定をすることは難しく、だからこそ自分なりの考えをしっかり伝えなければいけません。自分の考えを伝えることで、上司と自分が下した判断との差分が分かるわけです。そして、次から自分が抜けていた観点や、詰めが甘かった点を修正していくことで正しい意思決定ができるようになるのだと思います。

発言しないことには自分できちんと考えることもないですし、自分に何が不足しているかも分からないままであり、成長スピードも上がりません。

そうした積極性もプロダクトマネージャーには重要な姿勢だと思うので、日々継続しつつ、今後もプロダクト作りに励んでいきたいと思います。

--

--

eureka, Inc.
Eureka Engineering

Learn more about how Eureka technology and engineering