eureka, Inc. のエンジニアブログをMediumに移転致しました。

Narichika Kajihara
Eureka Engineering
Published in
6 min readMar 6, 2018

皆さん、こんにちは。CTO室の責任者をしている梶原です。

eureka, Inc.で運用していたエンジニア・ブログを自社で運営しておりましたが、Mediumにリプレースしました。 同じような事を検討している方がいらっしゃれば参考になるかと思い、MediumにStoryを残させてもらいます。

解決したかった課題はなんだったのか

以前はWordpressで実装しておりました。執筆者として、また管理者としての観点で、以下のような課題がありました。

執筆者としての課題

  • 執筆者が執筆開始までに実施すべきタスクが多く、執筆することの心理的なハードルが高い。
  • 執筆者にとって、Wordpressの入稿のインターフェイスは手軽ではなかった。イメージの縮小・拡大やスライドなど埋め込みで表示するには、HTMLをベタ書きなどがあった。(当然書くのは良いんだけど、面倒くさいって意識)
  • ラベル、カスタマイズフィールドの入力方法にお作法があり、入稿画面の使い方のルールを覚える必要があった。

私達が最も時間を投資したい作業は、本質的には「記事を書くこと」のハズです。 ですが、以前は執筆者に実に大きな負担をかけていました。

サーバ管理者としての課題

「セキュアに」「使い勝手が良く」「書いてて気持ちが良いUIになっている」が兼ね備えられているプラットフォームを社員に提供するには、カスタマイズなど、開発のための時間がどうしても必要になります。

  • 必要なプラグインを探してきて、評価して、設定する。
  • 洗練された入稿画面にするために、カスタマイズする必要がある。
    結果、魔改造されてしまい、プラグインのバージョンアップなどに影響が出てしまう事も。
  • デザインを検討し、それを実装するためのCSSをカスタマイズする事も必要です。
  • Wordpress関連の脆弱性の対応、トラブル対応など。

導入後に何かと時間が取られてしまいます。正しく運用するためにも、メンテナンスフリーには成り得ないものです。

Mediumにして、どう変わったのか

  • 執筆者に置いて執筆開始までの時間は、今までの10分の1程に短縮された。
  • Mediumが提供しているUIはやはり書きやすく、執筆者としては気持ちよく書くことができるようになった。
  • 管理者として、何も時間使わずプラットフォームを提供できる。
  • Wordpressに関する細かい改善に費やすチリツモ時間が無くなって、本質的なことに注力することができるようになった。

Mediumにすることで、管理者としても、執筆者としても利便性が上がることがわかります。

また、運用や追加開発に必要な「人の時間の価値」も含めて、本質的な事を追求すると、独自でWordpress運用するよりも、アウトソーシングするのが良いという判断に至りました。

Mediumの2つの大きなメリット

Medium以外にも、はてなブログGhostTumblrなども候補に上がっておりました。また、Wordpress自体を改善させて使いやすくすることも検討しておりましたが、Mediumの良い点がいくつかあったのでご紹介します。

執筆者のポートフォリオになる

Mediumの仕様で、執筆者毎にアウトプットした記事をストックすることができます。

つまり、Mediumへのアウトプットをすることで、個人としてのアウトプットの蓄積になります。
執筆者として、エンジニアブログに投稿を敬遠することの1つ要因は、アウトプットした記事が会社としてのアウトプットになってしまい、個人としての還元が薄くなってしまう事があげられます。

その点、Mediumだとこのコンフリクトはなくなりますので、エンジニアブログにアウトプットすることを敬遠する理由が無くなります。

メディアは見て頂いてこそ、価値が発揮される

Mediumなら同じテーマの記事などをリコメンドされて、Medium内での閲覧者の回遊も期待できます。他にも、Medium内での検索などから辿ってもらう事も期待できます。

独力でのメディアを運用するよりも、Mediumとして集客することが期待できます。

ただ、残念なこととしては、カスタムドメインの提供を停止しちゃった事ですね。 他社(Instgramなど)のエンジニアブログもMediumドメインで提供していたので、2つのアドバンテージが大きいと判断して実行しました。

この2つのアドバンテージは、エンジニアブログの運用において非常に大きな利点だと考えています。

最後に

私たちのプロダクトを開発する上で、インターネットから知見を得てプロダクトに反映される事が多くあります。言わば、インターネットから多くの恩恵を受けている状態です。 私達エンジニアは、積極的に自らの知見をアウトプットする事で、インターネット業界、ソフトウェア業界に貢献する事ができます。 私達のアウトプットが誰かの一助になり、この世界のどこかで何かを一歩前進させる助けになれば幸いです。

(補足)移行の方法

こちらを参考に実施しました。

Wordpressでエクスポートして、いくつかマークダウンの記法をsedで置換すれば、すごく簡単に変更できました。
考慮点としては、マイグレーションする人のアカウントで記事が作成される事かな。eurekaでは、共通的なアカウントを作成して、それでインポート致しました。

過去記事については、すべての記事、タグ単位でリダイレクト設定を実施しました。
リダイレクト設定ファイルも、API経由で記事タイトル、記事IDをMediumで取得することができたので、割りと機械的に設定することができました。

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Narichika Kajihara
Eureka Engineering

Agileコーチとして、開発チームのチーム・ビルディングを担当し、チーム支援を行っている。 その他には、モダンな情報システム担当、エンジニア採用、技術広報など