eurekaにおけるプロジェクトマネジメントチームの立ち上げとこれから

Hidemi Atarashi
Eureka Engineering
Published in
Dec 25, 2023
Photo by Anders Jildén on Unsplash

この記事は「eureka Advent calendar 2023」25日目の記事です。

24日目はWeb Front-end Teamのびゅん太郎による「こんなに伸びた!2023年のPairsのWebチーム新卒研修」でした。

こんにちは!demiです。Project ManagementチームおよびQAチームでマネージャーを務めています。

4年前の「eureka Advent calendar 2019」ではWeb Front-endエンジニアとして「Building Design System for Pairs」というタイトルでPairsにおけるデザインシステムの構築に関するブログを書いたこともあります。

それからの役割の変化を考えると、eurekaがいかに柔軟で自由な文化を持っているかが伺えますね!

1. はじめに

今回の記事では私がマネージャーを務めているプロジェクトマネジメントチームがなぜ発足したのか、そしてこの1年間で何を実行してきたのか、2024年に何を実現させたいと考えているか、という点について簡単にお話しできればと思います。

事業会社において、デリバリーに対する課題は常に何かしらあることでしょう。各社に個別の事情であったり、事業のフェーズにより抱えてる課題や取るべきアプローチは異なるかもしれません。しかし、eurekaが辿ってきた道のりを共有することは、同じ悩みを持つみなさんの力になれると考えています。

2. 変化について

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組織構造と役割における重要な変化を振り返ると、これがどのように組織の進化と課題に直面することに繋がったかを理解できます。

組織構造の変化

eurekaではここ数年の間でプロダクトマネジメントチームを中心とした新たなプロダクト組織が発足しました。

これにより、プロダクト組織はプロダクトマネージャーを中心として「What to deliver(ユーザーに何を届けるか)」に責任を持ち、テクノロジー組織はエンジニアを中心として「How to deliver(ユーザーにどのように届けるか=どのように実現させるか)」に責任を持つ、という形で新たな組織構造に変化していきました。

役割の変化

プロダクトマネジメントチームの立ち上げにより、事業成長のためのロードマップが強化され、それに伴いスケジュール管理の重要性も高まりました。

Pairsの開発では、各テーマに基づいて様々なプロジェクトチームが形成され、長期にわたり施策を開発しリリースしています。

各プロジェクトチームにはテックリードの役割を担うメンバーがアサインされ、前述した「How to Deliver」のリードに責任を持つという形で、技術的な意思決定などに加えて、施策の工数見積もりやスケジュール作成、それらの進行管理などプロジェクトマネジメントに関わる業務も受け持つ状態となりました。

3. 変化から生じた課題

テックリードの役割過多

変化に対して問題が生じることは常にあることだと思います。今回はテックリードの業務過多が問題となりました。結果として各プロジェクトのスケジュールマネジメントが片手間運用となってしまい、多くのスケジュール遅延が発生しました。

スクラム開発の形骸化

また、プロジェクトチームは以前からスクラム開発を採用していましたが、組織変化によるメンバーの入れ替わりに伴いスクラム開発は形骸化していました。

スクラム開発が正しく実行され、スプリント単位の振り返りが適切に行われていれば、スケジュール遅延の問題が解決される可能性がありましたが、開発プロセス自体にも課題があったということです。

4. プロジェクトマネジメントチームの立ち上げ

これらの課題に対応するため、「プロジェクトチームの施策デリバリーに関連する業務全般に責任を持つ役割」としてプロジェクトマネジメントチームを立ち上げ、テックリードからプロジェクトマネジメント関連の役割を切り離しました。

その上で、前述の課題を即座に解消すべく、以下のアクションを実施しました。

️プロジェクトの状況可視化

Pairsの全てのプロジェクトのタスク管理をJIRAに統一し、各プロジェクトの進捗・各種リリース予定日等を可視化することで、プロジェクトチームメンバーおよびステークホルダーが自分たちが置かれている状況を理解できるようになりました。

各施策のハイレベルな進捗可視化

️️️スクラム開発の復活と統一

プロジェクトマネージャーが各プロジェクトチームでスクラムマスターとして振る舞うことで、形骸化していたスクラム開発を復活させ、継続的な振り返りによるプロセスの改善やベロシティの計測によるリリースプランニングを適切に実行できる状態となりました。

ベロシティのレポート

5. 成果とこれからの話

全プロジェクトの状況を可視化し、リアルタイムで進捗を追跡できる体制を整え、スクラム開発の正しい実行によって、チームはスケジュール調整やスコープ調整を適切に行いながら、期待通りの施策をリリースできるようになりました。2023年には約30個の施策をリリースし、Pairsの成長に寄与しました。

とはいえ、2023年は緊急かつ重要な問題に対して、短期的に効果が見込めるアクションを実行したに過ぎません。

今後はスクラム開発スケールアップ、開発プロセスに関連するあらゆる定量データの収集と可視化など、実現したいことは尽きません。

現在、Pairsではプロジェクトマネージャーを絶賛採用中です。この記事では時間の関係上書ききれなかったことが多くあるため、Pairsにおけるプロジェクトマネジメントに少しでも興味がある方はぜひXなどでお声がけいただければと思います。

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Hidemi Atarashi
Eureka Engineering

Frontend Engineer at eureka,Inc. Pairs Web版の開発を担当しています。