物理サーバー(空冷)を導入した話

Takuma Morikawa
Eureka Engineering
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13 min readApr 12, 2018

日本のシステムもクラウド化が進んで久しいですが、機械学習やら仮想通貨やらで物理サーバーも密かなブームなんじゃないでしょうか。

例えば、同じビルに入居しているRettyさんも機械学習のために自作サーバーを使っているらしいです。機械学習やら仮想通貨やらでグラフィックカードも品薄になっているようですし、まだまだ需要がありますね。

そんな機運のなか、ついに弊社も物理サーバーを導入することになりました!

しかしこれからの季節、発熱が気になってきますよね。以前の職場ではオンプレ環境だったので、たまにiDCに行くことがあったのですが、真夏の日に外は溶けるほどの暑さなのに、中に入ると一転して寒すぎナニコレェ…という状態だったことを覚えています(ラックの前に立った瞬間にHDDの赤ランプが点いて焦ったことも思いだしました… )。

でも、今回導入したやつはかなり冷えるやつなので安心です。まるで高校生の時に修学旅行で行った先の北海道で乗ったカヌーで、9月の末に少し寒い大自然の水の流れの中へ体育の先生によって落とされた瞬間くらい冷えてしまってます。

こちらが導入した筐体の写真になります!

Eureka Server (Beer Tap)

ステンレスが銀光りしていていい感じですね。泡もモリモリ出ています。

というわけで、今回導入したのはビールサーバーです。30~40万くらいしました。

1. 導入のきっかけ

去る2月6日に新入社員歓迎会があり、その時にCEOの石橋と席が隣になりました。

私: ʕº̫͡ºʔ

石橋: ʕ̡̢̡ʘ̅͟͜͡ʘ̲̅ʔ̢̡̢

ʕº̫͡ºʔ <「久しぶりですね。」

ʕ̡̢̡ʘ̅͟͜͡ʘ̲̅ʔ̢̡̢ < 「いや、あなたの席、眼の前ですやん」

ʕº̫͡ºʔ <「一緒にお酒飲むのがですよ。もしかして私のこと避けてません?」

ʕ̡̢̡ʘ̅͟͜͡ʘ̲̅ʔ̢̡̢ < 「確かに(笑) 別にタイミングが合わないだけっすよ。」

ʕº̫͡ºʔ o0O(笑 で済ますのか…)

ʕº̫͡ºʔ <「まあいいですけど。とりあえず美味しいビールが飲みたいと思いませんか?」

ʕ̡̢̡ʘ̅͟͜͡ʘ̲̅ʔ̢̡̢ < 「本当それね。(でも痛風が危険域なんだよね)」

ʕº̫͡ºʔ <「本当にそう思ってます? だったら会社にビールサーバー置いていいですか?てかなんで置かないんですか??」

ʕ̡̢̡ʘ̅͟͜͡ʘ̲̅ʔ̢̡̢ < 「私だって本当は置きたいですよ。ただ、予算を管理しているAndrewがね。彼の承認を得ないことには始まりませんよ。」

ʕº̫͡ºʔ <「じゃあAndrewがOKって言ったら進めちゃいますよ?」

ʕ̡̢̡ʘ̅͟͜͡ʘ̲̅ʔ̢̡̢ < 「ええ、男に二言は無いですよ。」

ʕº̫͡ºʔ o0O(Andrewって確かクラフトビール大好きだったよな… )

というわけで、忘れないうちにSlackでチャンネルを作っておきました。

Slack channel for beer tap.

次の日

Andrew: (๑´•.̫ • `๑)

ʕº̫͡ºʔ <「Hi Andrew, 会社でクラフトビール飲むためにビールサーバー置きたいんだけど… 大丈夫かな?」

(๑´•.̫ • `๑)<「Oh, Cool. いいじゃん。買おうよ。美味しいビールはクリエイティビティ上がるし会社に絶対必要!」

ʕº̫͡ºʔ <「でも、今年の予算に入ってないんだけど大丈夫?」

(๑´•.̫ • `๑)<「うーん、他の福利厚生の予算から頑張ってやりくりできるからダイジョーブ!」

というわけで予算の心配はなくなり、導入に向けて進めていきます。

Secured budget

心強い味方のおかげで予算の心配はなくなったとはいえ、やはりサラリーマンたるもの、いかなる状況にも立ち向かえるようにする必要があります。鶴の一声でポシャってしまったら目も当てられません。

社内にどれだけビール好きが多いかを、早めにアピールする必要があります。

Beer survey

(ビール好きは少ないんじゃないかと実は不安でしたが)有効回答だけでも過半数以上は飲むということが分かったので、ガッツポーズをしながら結果を予算申請のJIRAチケットにそっと記載しておきます。

2. 導入準備

クラフトビールプロジェクトを進めるにあたり、Trelloで管理することにしました。

元々、現在の住友不動産 麻布十番ビルへの移転(2017年11月に移転)ではTrelloを使って、エウレカと内装を担当したトレイルヘッズさんとでプロジェクトを進めていました。

実はその際に一回ボツになったのがビールタップで、そのカード(Trello内でのタスクのこと)を復活させ、再度進めることにしました。

当初はカウンターへのビールタップ設置を検討していたため「工事が必要になるかも?」ということもあり、Trelloを使いました。

Bar counter at Archimedes Cafe

また、確定した情報の集約場所としてConfluenceを使いました。

eupedia by Confluence

ビールサーバーについて検索して調べていると、どうやら業務用冷蔵庫や製氷機を製造しているホシザキさんのビールサーバーが良いんじゃないかという話になり、一度お話を聞くことにしました(これも「しました」なんて言ってますが、全て元ビール女子ななせさんがやってくれました)。

カウンターのサイズ感を見てもらいつつ、サーバーのラインナップを教えてもらったところ、どうやら「カウンターぶち抜きでタップを生やす方式」よりも、「移動キャスター付きビールサーバー」を購入したほうが簡単で安く済みそうということが分かりました。

「石橋は内装にこだわるかもしれないし、ぶち抜きでカッコいいやつ作ろう」という声もありましたが(私はただ美味しいビールが飲めればそれで良いので)、結局運用や工事の納期のことも考えてキャスター付きのサーバー(DBF-10SR)を購入する方向で進めることにしました。

“ディスペンスヘッド”という樽とホースをつなげるコネクタ部分の部品があるのですが、それが国内だと大きく2タイプあり、キリンビール用とそれ以外のビール用に分かれているそうです。キリンビール向けには、他にもよなよなエールのようなビッグネームも含まれているため後ろ髪を引かれる思いでしたが、通常のタイプを選びました(まあ飲みたくなったらまた予算申請すればいいですしネ)。

当初は食品衛生責任者のような資格が必要かと思っていましたが、社内イベントであればどうやら不要と教えてもらいました。安心しました。

そして、ビルの管理会社にも設置の確認を取っておきます。

3. ビール銘柄選定

サーバーの納入がクリアになったので、次はビール樽の準備です。

メンバー各々好きなビールがあり、ここは正直意見が割れてまとまりませんでしたが、最初はツテがあって手慣れているななせさんに任せることにして、KOKAGEビールのIPAになりました。どうやらIPAはできたてホヤホヤのようです。

4. サーバー納入

サーバー納入は3月26日(月)のお昼でした。搬入用のエレベーターから来てもらいました。

ビール樽はこの日に間に合いませんでしたが、炭酸ガスはサーバー納入時に用意しておいて欲しいとのことだったので、カクヤスさんで購入しました。7500円程度ですが、5000円分はボンベのデポジットになり返ってきます。

慣れた手付きでサーバーをキッティングしていくホシザキさんでした。軽くインストラクションをしてもらいつつ、サーバーの保管スペースを作ってました。

サイズも(小さくはないですが)許容できるサイズ感で、最大でビール樽を2つ冷蔵庫に入れることができます。

(サーバー下部が指紋で汚れていますが、階段を持ち上げて運ぶことが可能かどうか、エウレカマッスル軍団の6名で試した結果です。重さは68kgあります。結果は「意外に軽くて余裕」とのことでした。さすがマッスル集団。)

Not so big

本来はカウンター裏に置く予定でしたが、邪魔感が満載だったのでイベント用の追加イスが置いてある倉庫に置くことにしました。

5. Beer Time

ようやくビールを飲む準備が全て整いました。後はもう冷やして飲むだけです。

3月26日が納入日だったので、ビールイベント行うなら同じ週の3月30日(金)が良いのではないかと思われましたが、外に飲みに繰り出す層がいて集客に苦戦しそうなことと、翌週から第2四半期かつ入社式があるということで4月2日(月)にしました。

Facebook Workplace上でイベントを作り、Slackで集客をかけます。しかし当初の参加表明は、10人程度でなかなか集まりませんでした。

Event page on Facebook workplace

初回のビール樽の予算が確保できず、参加者で折半する方式になってしまったため微妙な集客だったのかもしれません。

KOKAGEビールのIPAが20Lで約2万円程度だったので、

  • 20人参加の場合、1人辺り1000円(1L飲める)
  • 10人参加の場合、1人辺り2000円(2Lは飲める… のか?)

ということになります。1円で1ml飲めます。

参加人数20人以上を目標にして、ダイレクトマーケティング(SlackでDM送信&隣の席に座って圧力をかける)を行い参加を促しました。

口ではみんな「あー、興味あります!」「飲みたい!」とはいいますが、なかなかFacebookイベントの参加ボタンを押してくれないので非常に手こずりました。人って難しいですね。

イベント当日は19:30から開始の予定でしたが、忘れないようにお昼からサーバーの電源を入れ冷蔵庫を冷やしました。ビール樽は事前に別の冷蔵庫で冷やしてあったため、この状態でビールを入れてもとても良い温度に冷えていました。少し出しただけでフルーティーな香りが湧き立ち、開始時間が待ち遠しいほどでした。

事前の開栓テストと匂いにつられてやってきた秘書の萱場さん

この日は4月のはじめの出勤日ということもあり、新卒入社式に加えてチームキックオフミーティングや面談等があってみんなあまり集中して作業が出来る日ではありませんでした。

私も長い空き時間がなかったので、DynamoDB周りの修正もそこそこに諦め、App Annieのデータをいじってました。

ところが、App Annieに夢中になりすぎてビールイベントの開始時間は既に始まってしまい(準備手伝えずにごめんなさい… )、後から参加しました。

実はこの日は体調が悪くあまり飲めそうになかったので、とりあえずビールを片手に集客をすることにしました。帰り支度をしている人でも忙しそうな人でもところ構わず近くへ行き、ビールの匂いを漂わせ、帰ろうとしている人には「1口だけどうですか」「ほどよく冷えてますよ」「無料なのでちょっと飲んでみてください」、と誘惑する。これが予想以上に効果があり、CVは10%以上ありました。

最終的には27名の参加となり、1人あたり約740ml、おつまみ代入れて約850円となりました!ちょうど良い人数に収まって良かったです。

Beer Time

6. Next Event

次回のビール選定が楽しみで仕方ない今日この頃ですが、弊社の入居している住友不動産 麻布十番ビルは、なんと珍しいことに屋上の使用が許可されています。

なので次回は、5月中旬に屋上ビアガーデン形式での実施を予定しています。

Rooftop (beer bar)
東京タワーもバッチリ見えます

今後は外部からも少し参加者を募りたいなと思ってますので、美味しいビールが好きな方はFacebookとかTwitterとかGitHubとか何かで気軽に話しかけて下さい 🍺

まとめ

最後に今後導入を考えている方のために、参考になるかは分かりませんがやったことリストを箇条書きで記載しておきます。

  • ビルの管理者への許諾を得る
  • 社内アンケートを実施してみんなのモチベーションを測る
  • (アンケートの結果を添えて)予算の承認を得る
  • 設置場所・保管場所を確保する
  • サーバーの見積もり、発注をする(30〜40万円程度)
  • 炭酸ガスを買う(ビールサーバー納入前までに必要。初回は7500円程度、2回目以降は2500円程度)
  • ビルの管理者へ購入した機材を連絡する
  • ビールの発注をする(10Lにつき1万円くらい)
  • 清掃チェックリストを作る
  • イベントを企画し、参加者を募る
  • ビール樽は前もって冷やしておき、当日忘れずに朝からサーバーの電源を入れて冷やしておく
  • 空になるまでビールを飲む🍺
  • (なお、社内イベントの用途であれば食品衛生責任者は不要)

初回のビールイベント開催も合わせて、40万円ほどあれば導入できると思います。上司の夏のボーナス一括払いで、あなたの会社でもいけそうな気がしてきますね。

(正直、私がしたことはCEOの石橋に「頼む!!」って言ったくらいなので、ビルとの連絡やビールの発注、告知等をやってくれたみなさんに感謝です。。。)

🍻 We’re Hiring 🍻

最後に例のアレとなりますが、エウレカではビールサーバーをメンテナンスするエンジニアは募集しておりませんが、「Pairs」の成長を一緒にドライブしていけるエンジニアを募集しています。

話を聞きたいとかビールが飲みたいとかあれば、ぜひ↓から興味のある職種を押してみて下さい。

(ちなみに個人的にはセキュリティ担当者の方を切実に募集しています… w)

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Takuma Morikawa
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