既卒、第二新卒、うつ病で退職…「レールに乗れなかった人」を採用すべき3つの理由

まだ東京で消耗してるの?」の運営は現在6名ほどでやっているのですが、よくよく見ると、働いている仲間はほぼ全員「レールから外れて」います。

公開できる範囲だと、たとえばアシスタントの矢野大地さんは「どうしても就活ができずに、卒業間際になっても内定がなかったので、フリーランスとして独立した」という異色の経歴…もとい社会不適合者です(笑)

今はぼくのアシスタントとして一緒に仕事をしながら、自分の事業の立ち上げに奔走しています。とても優秀なメンバーで、いつも助けられています。

もう一人のアシスタント、サトモトヒロノリさんもドロップアウト組。彼は地方公務員として就職するも、まったく肌に合わず1年4ヶ月で退職、フリーターに。今は高知でライター修行中で、自分の事業を作っています。

他にも「社会になじめずブログで生計を立ててきた」「障害があって、会社を辞めざるをえなかった」「高卒で就職したが、会社を辞めてフリーターになった」などなど、多様なドロップアウト歴を持つメンバーが集まっています。

2016年も新しい人材を増やすつもりで、現時点では、うつ病で会社をやめてしまったとある若者が参加してくれる予定です。

特に意識をしているわけではないんですが、うちのメンバーは、ぼくを含めて、みんな「レールから落ちちゃった人たち」なんですよ。ぼくは大企業を1年で辞め、次に入ったベンチャー企業も1年で辞め、社会人3年目で独立しています。サラリーマンは無理でした。

んで、「レールに乗れなかった人」というのは、実は「使える」んですよ。その理由を書いてみようと思います。

1.「自分にはできないこと」をよく理解している。

レールから落ちた経験がある人は、端的にいうと「無理をしない」傾向があってすばらしいんですよ。自分の心身のダメさ加減を、よくわかっているんですね。「悩み終わっている」といってもいいでしょう。

「何を言っているの?」という感じかもしれませんが、一番よくないのは、「無理をする」ことなんです。レールに乗るのが上手い人って、「自分には合っていない仕事」でも、器用に無理して続けちゃうんですよね。彼らは「自分には向いてない」とはわかりつつも、それでも「耐えられてしまう」人たちなんです。

厳しいですが、それじゃ、能力は伸びませんよ。苦手なこと、不向きなことにエネルギーを注ぐのは時間の無駄。若者のキャリアにおいて、我慢は美徳ではありません。苦手は捨てて、得意を伸ばしていくべきです。

うちの事務所のメンバーは、みんな「自分には何ができないか」をよく理解しています。なんせ、その「できなさ」が原因でドロップアウトしているわけですから(笑)矢野さんなんか「スーツを着ることができない」というレベルですからね。

「自分にはできないこと」を理解している人は強いんです。無理な努力、無駄な努力をしなくなりますから。「こんなダメな自分で、できないことはたくさんあるけれど、ここだけは強みがある」という割り切りができるようになります。その結果、圧倒的なスペシャリストに成長していきます。

2.他人に対してやさしい。

ドロップアウト経験がある人は、えてして「他人にやさしい」んですよ。

たとえば、うつ病になった経験がある人は、同じようにうつ病になった人に対して、やさしい目を向けることができます。「わかる、わたしもそうだったから」という態度で接することができるわけですね。

「いじめにあって、不登校になった」ことがある人は、同じように、学校に行くことができなかった人に対して「うん、わたしもそうだった」と受け入れることができます。

ぼくは大企業を1年足らずでやめていますが、それゆえに、「向いていなかったので、3ヶ月で会社を辞めました」みたいな人を全力で受け入れることができます。多くの場合、そういう人は「根気がなさすぎる!」とか怒られるんでしょうけどね。

ドロップアウト経験者は、「お前は甘えている!もっと頑張れ!努力しろ!」という、無理解なムチを振るいません。自分にも、他人にも、できないことがあることを、良く理解しているからです。

他人に対して攻撃的な人を採用しても、いいことないと思うんですよねぇ。うちの事務所にドロップアウト組が多いのは、ぼくが「柔和な雰囲気」を大切にしているのもあるのかもしれません。

3.忠誠心が強い。

非常にいやらしい話ですが、事実なので。

レールから外れた人を採用するメリットは、「忠誠心の高さ」にもあると思っています

彼らは何らかのかたちで「社会から見捨てられた存在」です。「社会には適合できなかった」と言ってもいいでしょう。ある意味で、彼らは傷ついている存在です。

ゆえに、彼らに「仲間にならない?」と手を差し伸べると、彼らは「え?こんなわたしを受け入れてくれるの!?」と歓喜し、雇い主に対して忠誠心を抱くようになります。「救われた!」と思ってもらえるわけですね。

とはいえ「忠誠心」の扱い方は難しいものです。下手するとブラック企業みたいな状況になってしまいますから。「会社と社長のためならなんでもできます!と張り切っちゃって体を壊してしまっては、元も子もありません。レールから外れた人を採用する際は、彼らが「依存」しないように、極力フラットな態度で接することが大切といえるでしょう。彼らの創造性を信頼すれば、それで問題はありません。

レールに乗れなかった人こそ、採用すべき。

今の時代、逆に普通に就職しちゃうような若者は、盲目・柔軟すぎて使えないとすら思うんですよねぇ。こんな社会に適合できてしまっている人は、ちょっとおかしいですから。

ぼくからすると、悩んだ末にレールからドロップアウトしてしまう人のほうが、よっぽど「まともに」見えます。こんなこと言うと炎上するんですが、本音なので仕方ありません(笑)ぶっ壊れたレールによくもまぁ乗り続けられるなぁ…と高知の限界集落で感心しております。

とはいえ、今はいい時代になりつつあると思います。この「ウズキャリ」は象徴的で、従来「通常」とされてきたレールを外れた人に、ふたたびチャンスを与える社会になりつつあるわけですから。リクルートスーツ着て就活して卒業とともに就職して…という生き方だけが人生じゃありませんよ。

というわけで、人材採用に携わる方は、ぜひ「ドロップアウト組」の採用と育成に力を入れてみてください。彼らは「悩み終わった」、磨けば光る原石なのです。


(「ウズキャリ」に転載した記事です。)