クリスマス・プレゼント

Shelly
exploring the power of place
4 min readJan 19, 2020

クリスマス。まち全体が浮き足立っているように感じ、ふわふわした不思議な感覚になる季節。小さい頃は「サンタさんからのクリスマスプレゼント何かな〜」とウキウキそわそわしていた。大学生の今は「何をあげようかな」と考えているうちにあっという間にイブが来る。

『明日結局どうしようか。』

12月に入ってから「何する〜」「あれしよ〜」「これいいね〜」を繰り返しているうちに、今年も何も予定が決まらないままクリスマスイブイブを迎えてしまった。

もちろん普通に授業もあるし、次の日も朝早くから予定があるということで、夜から少しだけデートすることになった。彼から少し綺麗なイルミネーションでも見たいとのリクエストがあり、最近大学のゼミの活動の一環でよく行っている恵比寿のイルミネーションでも見がてら、美味しいものでも食べに行こうかとなった。

当日、授業が終わると、すぐに恵比寿に向かった。イルミネーションに合わせていつもと少し変えたメイクもバッチリ。去年のプレゼントに合わせて買った、手袋のプレゼントもちゃんと持った。早くプレゼントを見た時の彼の顔が見たくて、むずむずしてしまう。

駅について少し待っていると、青色のストライプ柄のマフラーをつけた彼が改札からできた。

「お疲れ様ですー。」

「お疲れ様ですー。」

「はい、これプレゼント。」

私は早く見て欲しくて、会って早々にプレゼントを渡した。

「今使えるからさ!開けて〜。」

ありがとうと言いながら彼はプレゼントの包装をとっていく。

「あ、手袋や!ちょうどさっき欲しいと思っててん。」

聞くと、家から最寄り駅までの道中、いきなり犬に手を噛まれて手袋も少し破けたらしい。意味のわからないベストタイミングだ。

「その犬、私がプレゼントあげるのを見越して破っといてくれたんじゃない?」

「そういうことか。すごいな、犬!」

と二人で笑っているうちに、彼が私の手をとってガーデンプレイスへと歩き始めた。プレゼントを気に入ってくれて嬉しかったが、彼の手を手袋越しにしか触れないのは少し寂しい気もした。

まずはイルミネーションを見に向かった。

ガーデンプレイスに着くと、たくさんの人で賑わっていた。私たちと同じようにクリスマスデート中であろうカップルも多い。みんな、この時期になると毎年話題になるクリスマスツリーとバカラのシャンデリアの前で写真を撮っている。恵比寿には何度も行ったことはあったが、これらを見るのは初めてだった。

「ツリーもシャンデリアも大きくてとても綺麗だね。」

「そやな。あれ、そういえばなんかメイク少し変わった?キラキラしてんな。」

いつもと違うメイクに気づいてくれる。こうやって変化を気づいてくれるのは、いつもちゃんと見ていてくれている気がして嬉しいものだ。

写真も撮って、思う存分イルミネーションを見た私たちは、寒かったのでホットワインを買ってベンチに座った。

「はい、これ俺からのプレゼント。」

「ありがとう!え、今開けていい?楽しみ〜。」

小さな黒い箱を開けると、そこにはゴールドのバラのピアスが。大ぶりなもので、ドレスアップの時にでも使えそうな綺麗な感じでもありながら、少し個性的で自分が強くなった気にさせてくれそうで、私のどタイプだった。これをプレゼントで選んできてくれるなんて、すごいセンス。

耳に近づけて、彼に見せる。

「お、ええやん。それはちゃんとしたところでもつけられるようなやつやと思って。調べたり、友達とかにも聞いたりして選んだんやで。」

「本当、めっちゃいい!かっこいい!!来月の同窓会のドレスにつけていくわ!!!」

このピアスに合わせてどんな服を着るか、考えただけでワクワクする。

ご飯も食べ終わり、駅に向かう途中、青いマフラーがとても似合う横顔を見ながら

「やっぱりそのマフラーとても似合っているわ。その手袋、そのマフラーと合わせたんだよね。」

と私は言った。

「そやねん。地元の昔からの友達にも、『似合いすぎ』『お前それ中学生の頃から使ってない?どんだけ使ってんねん』って言われた。もちろんマフラーもとてもいいんやけど、そんな風に言われる物を選んでくるのがすごいなって。よく見て選んでくれてるんやなって。」

と言いながら彼はコートのフードを被った。

ああ、来年は何をクリスマスプレゼントにしようかな。

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