モチベーション

Ayaka Sakamoto
exploring the power of place
4 min readAug 19, 2020

約3年半の大学生活において、言語を習得したいと思ったことが二度ある。

一度目は、中国語だ。大学1年の春休みに友人と二人で台湾へ旅行に行ったことがきっかけである。現地の雑貨屋で買い物をしていたとき、中国語を大学で学んでいた友人が店のスタッフと楽しそうに雑談をしている姿がとても眩しく見え、かつ羨ましく感じた。

そこから私も彼女のように現地の人々と会話できるようになりたいと思い、大学2年から中国語を学ぶ決意をした。
結局は1年間しか中国語を続けることができなかったのだが、週に4回授業を受けていたおかげもあり、翌年に家族旅行で台湾を訪れた際にはタクシーの運転手と挨拶や簡単な会話を交わせるようになった。少しだけ、自分のなりたかった姿に近づくことができて嬉しかった覚えがある。

二度目は現在。韓国語を習得したいと思っている。きっかけは最近韓国ドラマを見始めたことだ。

私は子どもの頃からドラマっ子である。小学3年生の時に見た『のだめカンタービレ』にハマってからというもの、毎クール5作品以上は見るほどドラマに多くの時間を費やしてきた。

しかしこの春、私は自然とテレビ離れをしてしまった。それは、新型コロナウイルスの影響によりドラマの放送が予定より大幅に遅れ、その空いた枠を埋めるために各局が過去作品の再放送などを行っていたためだ。それらの過去作を見るという手もあったかもしれないが、新作を見たかった私はテレビから離れてしまった。

その時に、おうち時間を豊かにするためのエンターテインメントとしてNetflixが頭をよぎった。多くの友人達から何度も聞こえてくる『愛の不時着』や『梨泰院クラス』という単語がずっと気になっていたからだ。私はこれまでAmazon primeやHulu、Paraviなどには加入していたが、動画配信サービスの代表格と言えるNetflixには「国内ドラマが少ないから」という理由で入らずにいた。だがこのコロナ期間での外出自粛生活の後押しにより、巷でも話題になっていた作品たちを見たい気持ちが高まり、遂にNetflixに入る運びとなった。

早速、連日ランキング上位を占めている作品を見たのだが、私はすぐに韓国ドラマに魅せられてしまった。映像美、伏線も華麗に回収する練られた脚本、俳優陣の卓越した演技力など、ハマるには十分なほど魅力的な作品が多くあり、話題作を見終わった後も別の作品へ次々と手を伸ばしていった。
だが、見続けているうちに困ったことが起きてしまった。私はドラマを隅々まで楽しみたいタイプである。文書やメール内容など画面上に出てきた文字は一時停止してでもしっかりと読みたくなる。しかし韓国ドラマではハングルがちっとも分からないのだ。

これらの内容を理解できるようになりたい

また、ドラマを見続けているとスピードラーニングのように耳が慣れてきて、ある程度単語が分かるようになってくる。すると、俳優が述べた言葉と字幕では明らかに異なり、省略やかなりの意訳が施されていることにも気がつくようになる。確かに、一場面で読める文字数は限られているので字幕では台詞がカットされることは仕方がない。ただ、ドラマでも映画でもそうだが、台詞というものは一言一言計算された上でつくられているものである。そのため、その細かなニュアンスも感じ取ることで、今よりもさらに作品を楽しめるよう、韓国語を学ぶ決意をした。今はまだ本当にはじめの一歩だが、私は言語の海へ再び足を踏み入れた。

これまで現地へ赴いてから言語を学びたくなることはあると思っていたが、まさか映像コンテンツが自分自身の言語への原動力になるとは想像をしていなかった。

このコロナ期間は、移動に制限が加わり自分の世界が狭くなっていきがちである。しかし、私はうちにいながらも、世界が広がった気がした。

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