12/7 wed.

12:55

Yusuke Wada
exploring the power of place
4 min readDec 10, 2016

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「社内にラジオブースをつくろう」

私の経営する会社に、他には例をみない「社内ラジオ」なるものをつくった。社内でラジオを流しているなんて程度のことではなく、ラジオブース自体をつくって、そこで毎日ラジオを生放送しているのだ。

「言わなきゃそんそん!」の日別投稿数

この「社内ラジオ」には、人気のコーナーがある。それは毎日昼休みの12:30から始まる「言わなきゃそんそん!」というコーナーで、ここでは日々社員から寄せられる会社や社長(私)への愚痴や思いを紹介し、それに対してDJが1言コメントを添える。社員はペンネームで思いを綴ることができるので、自由でより本音に近いことを語れるし、それに対して第3者であるDJがコメントすることで取り上げられた物事がマイルドになって消化される。この時間は、投稿者本人のみならずそれを聞く他の社員も自分のことのように耳を傾け、自身の境遇と重ね合わせながら様々な思いを発散するのである。ちなみに、左の図はこのコーナーの日別投稿数(11/28~12/2)を集計したものである。投稿数が多い日は、基本的に社員のやる気がない日だ。いつもだいたい水曜日に投稿数が多い。「まだ週の真ん中か。」とため息をつくらしい。

通常のラジオでいうラジオコマーシャルの部分は、ある部署から会社全体への、または、他の企業から自社への告知コーナーとして使っている。ときには他企業の担当者が直接出演することもあり、顔は見えていなくても声や口調によって想像するその人の人柄は大きくはずれることはないし、おそらく普通に案内を持ってこられるよりも耳を傾けている気がする。お昼休みには自動的に音量があがり、お昼休みが終わればまた元のボリュームに戻るという仕様を加えてからは、各々が「休み時間をとる」ということを意識せずとも自然なかたちで休憩に入ることができるようにもなってきた。「社内ラジオ」は当初思っていた以上の広がりを見せている。

このラジオには私たちが普段聞いているようなラジオとは全く異なる点が1つある。それは「気にならない」を目指すという点である。多くのラジオ番組(や配給会社)は聴取率の獲得に必死になってその構成を考え、「聞いてもらうこと」を目指しているが、社内でラジオを放送する場合、このラジオを“聞いて”しまっては仕事どころではなくなってしまう。そうであるならば、目的は「聞いてもらうこと」ではなく、「気にならないこと」になるはずだ。決して気になりすぎることはなく、心地よく聞こえてくる番組をつくることが私の会社においては最重要なのである。

こうして気楽に作業のできる空間づくりのための番組を考えては、日々社内で放送している。「社内ラジオ」によって、会社のなかで発生する煩雑な業務や堅苦しい会議、仰々しい応接などの行為にやわらかさが生まれ、そのやわらかさが社員同士の関係や会社の雰囲気の維持・向上にも大きな影響を与えているように感じるのだ。

と、こんなことを書いているうちに「社内ラジオ」では人気コーナーが始まっていた。もうそろそろお昼休みも終わりか。今日はどんな投稿だろう。

というわけで、水曜日担当DJのワディーがお送りしてまいりました「言わなきゃそんそん!」のコーナー。本日もそろそろ終わりにさせていただきますが、最後にもう一通だけ、お便りを読みたいと思います!
ラジオネーム、「頭の中は夢だらけ」さんより。

[ラジオネーム:頭の中は夢だらけ]
ワディーさん、こんにちは!いつも楽しく聴かせていただいています。
今日は週の真ん中、水曜日です。1週間が始まって今日まで、頑張ってきたつもりでも「まだ水曜日か…。」と、どうしても気分が乗りません。仕事は捗っても捗らなくても増える一方なのに、やる気と給料はなかなか増えませんよね。それに、この時期は暖房もついてしまうので、暖かい室温のなかではなんとなくぼ〜っとしてしまいます…。こんなとき、ワディーさんならどうしますか?午後の仕事も頑張れるように、アドバイスをお願いします!

とのことですが...。まぁねぇ、難しいですよね。でも、僕は気分が乗らないときは無理に上げようとはしないですね。むしろとことんぼ〜っとします、こんな風に空想をしながら。

時刻は12:55。
さてと、午後も頑張ろう。

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