常夜灯

Yusuke Wada
exploring the power of place
4 min readAug 8, 2017

気が付いたら寝ちゃってた。朝帰ってきて、弟たち送って、スマホいじってってとこからあんまり覚えてないけど、最後の記憶は13時13分。

今週は2日続けて夜勤。このバイトをはじめてもう3年経つし、店での作業は大体なんでもやれるから最近はそんなに疲れることはなかったんだけど、昨日はちょっと疲れた。一緒に入ってたのが夜勤初めての人だったからいつもみたいに作業ができなくて。しかも、パチンコ終わりの常連たちがおにぎりやらタバコやらお酒やら大量に買いに来たから、入ってすぐに接客の嵐。入れ替わりの人たちがレジ手伝ってくれたから助かったけど、常連が勝っちゃった日は接客から始まるから嫌だ。せめて2つあるパチンコ屋を1つにするか、閉店時間を22時じゃなくて21時とかにしてほしい。でもこの間の土曜日、タナベさんが接客態度が悪いって客にクレームつけられて本社に連絡されちゃったみたいだから、一応ちゃんと接客はした。常連さんのことは嫌いじゃないしね。

22時30分くらいに納品がくると、そこからは検品と品出しをひたすら。夜勤だとこれがメインの仕事。オーナーが「深夜が強い店は強い」って最初の頃に言ってたから、きっちりやるようにしてる。最近は暑いから飲み物がよく売れる。おかげで昨日は飲み物だけで30ケース届いた。わかってたから、やっぱりパチンコには負けといてほしかった。飲み物は検品したらウォークインの棚に並べるだけだから、やり方だけ教えて新人さんに任せた。カップ麺とかお菓子とか、食べ物は納品の数も多いし場所もバラバラだからこっちはわたしが進めた。ずっとやってる作業だから慣れてるんだけど、「しっかりした店は、棚に商品が少なくても均等に並べて、棚が寂しくならないようにする」っていう話をオーナーに教わったからそうしてみた。品出しとか、駐車場の掃除とか、フライヤーの掃除とかして、ちょっと落ち着くのが1時〜2時くらいの間。ゴミ箱の掃除をしに外に出ると、うちの店だけが場違いに明るくて、いつも少し恥ずかしくなる。1時くらいからは防犯のために片方のレジを閉める。今日は新人さんに先に休憩に入ってもらった。夜勤に入ってからバタバタしてたので、このとき初めてなんとなく2人で話した。新人さんは、バンドでメジャーデビューを目指してるらしい。25歳とか言ってたから、わたしより7つも年上だ。今思えば肩まであるロン毛にマスクの時点でいかにもバンドマンだ。それに少しでも空いた時間があると、すぐに机を叩いてドラムの練習をしてた。バンドマンとしては、就職することは夢を諦めることになるから、今もこうしてバイトしながら生活してるらしい。何かかっこいいしうらやましいけど、わたしからすれば就職できるうちに早くすれば良いのにと思う。

そういえば、最近免許をとった。これでやっと就職先を探せる。わたしと同い年の子たちがみんな就職したり大学に進学するって話を聞いたりするとやっぱり焦る。わたしも高校に行けば良かったなって思う。教習所に通い始めた頃から、少しずつオーナーとは話していたんだけど、オーナーはわたしを応援するって言ってくれた。やっと見つけた居場所から、離れる勇気がでた。

夜勤帯は何回か納品がある。夜中のちょっと空いた時間に少しずつバンドマンに教えた。この日の早朝には大家が入ってたから、いつもより丁寧に作業をした。先週、深夜便のパンを手前に並べちゃってチクチク言われたし。「自分の土地だからうちを自分の店のように思っているんだ」ってオーナーは言うけど、結局は自分が楽になるからだ。今朝は何も言われなかったから良かった。

今日は昼間すごく暑かったから早めに行って冷蔵庫の飲み物を補充しよう。相方は、42歳のおじさん。普段は飲料メーカーの倉庫管理をしているらしい。まだ話したことないけど夜勤は初めてじゃないみたいだから、たぶん大丈夫。

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