「能登のサグラダファミリア」と紹介する違和感のあるローカル番組について

2027.10.10

違和感を感じたニュース番組。すかさず写真撮ってしまった

建築/建設業界のここ数年の動きは素晴らしい。IT化は非常に時間がかかった分野ながらも、オリンピック後には一時期のものづくりメーカーの新規事業ブームを思い出させるかのようなスピードで変革したのだと思う。
新しく建ててる建物や、持ち家を持つ人は少なくなったが、街を歩いてると補強工事なのに今まで以上にデザイン性な追求されてるものも多く、サービス面でも新しいものが出てきた。例えば、良く建築家やホームコンシェルジュとともに変えていくサービス「住み変え」というワードは、すっかり定着したように見えますよね。

そんな中、建築家がつくる意匠のパターンを学習した人工知能に図面をかかせるサービスが数年前から出てきているのはご存知でしょうか。
もう死んでしまった建築家の思想に基づいて設計してもらえたり、タテウリしか買えなかったけど家にコダワリを持ちたい人には、低価格でおさまるすごく良いサービスだと思うし、実際クオリティも高い。
建設用3Dプリンターの価格も手ごろになってきているので、日本家屋っぽくないようなディテールの施工にも手が出しやすくなって、街中の表情が豊かになった気がする。

ま、そんなこんなで一見すごく良いサービスなんだけど、いささか気になるニュースが話題にあがることになってきた。
その一つが「能登のガウディ建築、大人気!」と施設を紹介するローカル番組だった。

ここの小教会は、”ガウディをベースにした人工知能”が作った意匠をもとに、個人が新たに作ってしまった二次創作物である。果たしてこれを「ガウディ建築」と呼んでいいものだろうか?と私は疑問に思いました。なんか変な感じに顔が日本人っぽくなってるのも、気持ち悪さと申し訳なさを感じた。(もちろん商標的には問題アリアリだと思うけど、意識的によくないのでは。。。)

人工知能による著作への法的見解はもう10年以上議論されているのになかなか良い着地点が出てきていません。特に遅れているのは、人工知能が作ったものに対しての二時創作物に関してです。
音楽をはじめ、契約のスマート化()が進んでますが、私設建築物やモノの意匠については追いかけづらく、保護が遅れているのも事実なんだと思う。。
法的見解の決着がつかなければ教育や周知もできないだろうから、変な認識で広まっちゃってるんだなーと根深い問題を考えてしまった。

いくら私設の施設だからといって「ガウディ建築が体験できます」とかうたってしまうのは良くないし、取り上げるメディアもメディアだ。(ちゃんと規制されたり批判したらすぐやめるんだろうけど)。

人工知能とともに作り上げる楽しい創作活動をゲンナリさせる原因になるので、こーゆーことは本当にやめていただきたいものだ。

「ドローン型建築用3Dプリンターのコンセプトモデル「マペット」

http://www.gensleron.com/work/2015/3/13/3d-printing-at-sxsw-robot-petting-zoo.html

人間の手では立てられないような独創性のある意匠で、構造が建築基準法を満たせるような、新しいタイプの建築が生まれることに期待しています。

「10年後の働き方」第6章<事例37>3Dプリント建築家で紹介しています!

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