ソーシャルメディア界のニュートレンド:“人間”の編集者

Ayako Shimatani
Fashion-Tech News
Published in
4 min readAug 26, 2015

人気ソーシャルネットワークは膨大な情報で溢れており、自分の探している情報を見つけることはなかなか難しい。そこでそういったソーシャル企業が目を向けているのが、「人の手」だ。

Snapchat, Instagram, Twitter, Youtubeは膨大なユーザーコンテンツをテーマごとに編集し、ユーザーが実際に役立てるようにする、コンテンツ・キュレーションに目を向けている。FacebookはNews Feed上で独自のアルゴリズムを使い行っていたが、新しいトレンドではそれを実際に人の手で行う。

先週、Twitter, InstagramとYoutubeは人の手により自身の膨大なユーザーコンテンツから最良のコンテンツの選ぶ、新しいキュレーション機能を発表した。YoutubeではStoryfulのエディターが、新設するニュースルームページで公開する速報映像をセレクト、Twitterではメジャーなイベントに関するtweetsをキュレートするLightningというプロジェクトを始動、Instagramではサーチタブ上で閲覧可能な各カテゴリーのテーマに合った投稿写真をキュレーターがセレクトする。

Snapchatは、そういったSNSの中でも先進的で、半年前より、キュレーターに選ばれたコンサートやスポーツの試合といったイベントの写真や動画を組み合わせ、モンタージュを作成するLive Storiesという機能を追加している。

こういった企業はジャーナリストや、元編集者といったメディアのプロをキュレーターとして採用している。

SNSはなぜ続々と人の手によるキュレーションサービスを開始しているのか?

答えは、ユーザーの注意を引くためだ。

人々は今、何が起きているのかを知りたがり、SNSは、その情報を提供するための競争を繰り広げている。

FacebookとTwitterは過去数年間、アカデミー賞やスーパボウル(NFL決勝大会)といった大きなイベントにおいて人々の注目を引くために競争してきた。こういったイベントは、人々の会話を”所有”するチャンスなのだという。しかしここで、Snapchat, InstagramやYoutubeが競合に加わり、それぞれがイベントの際に最高の体験を提供しますよ、と約束しているのだ。だからこそ、アルゴリズムに頼るのではなく、人の手による、より精巧なキュレーションが必要となる。

Facebook のNews Feedアルゴリズムは未だに発展途上だ。アルゴリズムでは感情や背景の事情といった事は察知できない。特に、意見の分かれやすい人種や最近の米国での警察官の態度に関する投稿に関しては、問題が発生する可能性がある。FacebookやTwitterは両方とも過去半年間にアルゴリズムによる大きな間違いを犯してしまっている。Facebookのアルゴリズムでは、愛する人の死のような悲しい出来事を、その人物の「今年のまとめ」のハイライトとして取り上げてしまった。Twitterのアルゴリズムはトレンドしているハッシュタグの意味を間違えて理解してしまったため、ハッシュタグに不愉快な説明文をつけてしまった。

こういった間違いは、企業の信用を傷つけ、広告主に対しても間違ったイメージをつけてしまいかねない。

一方で、人の手によるキュレーションはコストがかさむ。Snapchatは40名以上のキュレーターを雇用し、編集者たちを政治的イベントにも送っているという。Instagramはアルゴリズムを使い大まかな選別を行った後、最終的なキュレーションをコミュニティーチームが行うという。Twitterは10人前後のキュレーターにより、1日7から10ほどのイベントストリームをキュレートする。こちらも、大まかな作業はアルゴリズムに頼る。

差し当たっては、我々はこういったキュレーション機能のおかげで、情報に溢れるSNSから興味深く、おもしろいものを見つけることができるようになるようだ。

--

--