‘ソーシャル’マーケティングと呼ぶ時代は終わった
今日のソーシャルマーケティングは、マーケターにとっての効果的なツールとして役立ち、マーケティング支出の面でデジタル化を推し進める中心的な柱として必要不可欠な存在となっている。
しかし、宿命とも言えるある1つの事柄に苦しんでいるのだ。(実は容易に片付くことなのだが)
問題は、“ソーシャル”という時代遅れの言葉にある。
現在は多種多様なプラットフォームに広告が出現しており、より適切な言葉で表す必要があるのだ。
“ソーシャル”という言葉は、マーケター達のプランニングやデザイン面での許容範囲を制限し、特定のチャネルからの飛躍を難しくさせている。
“ソーシャル”というよりも“レスポンシブ”の方が合っているのではないだろうか。
ソーシャルメディアは、消費者との一対一の関係間に成り立っている。
今まではブランドの役割が消費者との一対一の関係で良かったのかも知れないが、そんな悠長なことはもう言っていられない。
現在のブランドマーケティングでは、市場の流行や顧客データと照らし合わせ、それに“対応”した消費者へのアピールをする必要がある。つまり、クリエイティブとメッセージは様々な情報に対応したものでなければならない。
だからこそ、主要ブランドは“ソーシャル”を既に捨て去っているのだ。
新しいプラットフォームは、オンライン・オフラインを通じて前例のないコミュニケーションレベルの為か、ソーシャルメディアと呼ばれてきた。
しかし、それらはまるで幼少期のあだ名で呼ばれ続けられているが如く、呼び名により縛られている。
ソーシャルは実際はマーケターにとって最も強力なツールであるにもかかわらず、それは無意味なものかのように扱われている。
レスポンシブという言葉が、最も洗練されたマーケティングプロセスの可能性を表すのに対して、ソーシャルは学生パーティーのマーケティングかのような稚拙な響きを持つ。
マーケター達が新しいプラットフォームを正しく評価しない限り、それが効果的に活躍することはないだろう。
もう一つの大きな“ソーシャル”の問題は、全く別のプラットフォームを一緒くたにしてしまうことだ。
どんなマーケターでもTwitterとInstagramに同様のクリエイティブとコピーを流していたら、愚かだと笑われるだろう。
上記二つのプラットフォームは一般的に“ソーシャル”のシェアを争う関係と見られているが、本来ならば同じチームに存在するはずだ。
それぞれの趣旨は全く異なっているし、頭の切れるマーケターならば“ソーシャル”広告に割り当てられた予算をそれぞれに分割しようとするのではなく、一つ一つの長所をいかしたマーケティング戦略を立てている。
このようにマーケティングの呼び方が変化するのに伴って、ブランドやエージェンシーのキャンペーンに対する考え方から戦略の立て方まで変わってゆくのだ。
レスポンシブメディアから得られるデータにより、マーケターは消費者たちがどのように反応するか予測した上で、クリエイティブを作成する異ができる。今後、良い結果をもたらすクリエイティブが拡がっていくだろう。
今現在、その他様々なチャネルがこれらに追いつこうと競争を繰り広げている。数年後には、マーケターが最良の結果を追求する上で、その予算分配は更に流動的になるだろう。それにつれて、多くの呼び名が私たちの生活から消えていく。
未来にある呼び名を使うことを恐れないでほしい。そして、最初に消える呼び名が“ソーシャル”であるといいのだが。
Chris Gomersall is the CEO of Atomized, a cloud-based visual content calendar for marketers.
記事セレクト: Yujiro Numata
翻訳: Taiyo Uchino