デジタル広告はTVを凌駕する

Ayako Shimatani
Fashion-Tech News
Published in
4 min readSep 29, 2015

先月、Publicis GroupeのRazorfishとDigital LBIがGoogleよりYoutube, Hangouts, Googleのmobileバナーやネットワークの$100 million分の宣伝スペースを購入した。

こういった動きはTV業界を揺るがす出来事だ。マーケッターはゆるやかに宣伝予算を、”死に行くメディア”のTVからオンラインビデオへと移行していっている。

Razorfish CEOのPete Steinは、オンラインでは、TVでは得られないフレキシビリティやターゲティングを行う事ができると話した。

多くのブランドは、一定規模のオーディエンスが保証され、一部のオンラインビデオよりも低価格なTV広告での宣伝を快く思っている一方、段々と、webでのリアルタイムマーケティングから得られる利益の大きさに気づいていくだろうと、Stein。

従来、企業はいわゆる「広告キャンペーン」を通じて消費者と繋がってきた。”Just Do It”や”I’m Loving It”といったスローガンやメッセージを企業のトップや広告会社が決定し、公に広告が発表される随分前に、TV、印刷物や様々な広告スペースを購入していた。そして、こういったキャンペーンを年2、3回行う事に終始していた。

しかし、現代の消費者はblog, Twitter, Facebook, Youtube, Pinterestといった様々なソーシャルメディアプラットフォーム上で長時間を費やす。ブランドはこういった需要から多くのオンラインコンテンツを作成してはいるが、プロモーションにかけている費用は少ないという。

こういったプラットフォーム上で偶然ブランドにぴったりの良いコンテンツが生まれ、それを拡散するために、予算を使うことも視野にいれなければいけない、とSteinは話す。

しかし、多くのブランドは未だにリアルタイムなデジタルマーケティングに消極的だ。

その第一の理由は、ブランドや広告会社が従来通りのやり方で仕事をする事に満足しているからだ。そして次に、多角的なデジタル戦略を行う事により、chief marketing officerは社内外の様々なコンテンツのクリエイターやソーシャルメディアの専門家をまとめ、それぞれが同じメッセージを発信するように管理しなければいけなくなるからだ。

そうなれば、役職者がリアルタイムに行われるすべてのクリエイティブを監督する事は難しいため、中間層の従業員がブランドイメージを管理する責務を負うこととなる。しかし、多くの役員はそういった大きな責任を受け渡すのを嫌がる。

インターネットが本来的に持つソーシャルな面からも、ブランドは良質なコンテンツを作ることにより、巨大なオーディエンスと繋がることが可能だと話すSteinは、現状ではマーケッターが負うリスクに対する報酬が少ないという。コストに対しての、アーンドバリューを証明しきれていないのだ。

そのアーンドバリューが、リアルタイムマーケティングが投資の価値があるという事と、ブランドへの付加価値を高めることができるという事の証明となる。

デジタルは、消費者との深いコネクションの構築が、大規模なスケールで消費者と繋がる事ができるTVに対するアドバンテージだ。

Stein 「ブランドを認知してもらうのに最も有効なのが高頻度の広告で、TVではそれが確約されている。オンラインでもその頻度を保証するか、または、頻度以上に得られる消費者との深いコネクションという利点に、企業に気づいてもらわなければならない。」

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