”Amazon For High Fashion” が何故途方もなく悪いアイデアなのか。

Taiyo Uchino
Fashion-Tech News
Published in
3 min readSep 14, 2015

オンライン小売業にハイファッションが参入することは果たして良いアイデアだと言えるのだろうか?

とは言え、この流れは市場の民主化を促し多くの高級ブランドがどんな人にでも入手することが可能になることに役立っている。

特に、郊外のブランドにとってネット上での販売は願ってもない規模拡大の機会に違いない。

しかし、元々商品に強く魅了されいくらでも金額を払うことが可能な顧客に対し、このような”巨大店舗”=オンラインショップだけで事足りるのだろうか?

ここ最近、ハイファッションはますます大きなビジネスとなり顧客獲得の為、彼らはその障害を排除する努力を惜しむことがない。しかし、その道なりは大いに予測不可能で冒険的だと言えよう。

amazonに参入しようと、独自のオンラインショップを立ち上げようと、基本の業務内容は変わらない。ただ一つ言えるのは、”これまでの販売経験”である。高級ブランドでの買い物が便利であったこともなければ、ある必要もないからだ。

ファッション業界とは店頭販売に依然として重きを置く珍しい市場だと言えるだろう。

ファッションオンライン業者にとって何が一番大変かと言えば、そのブランディングである。いくら大きな購入者層を獲得しようとも四方八方に散らばったようなラインナップでは顧客は定着しない。自分の好みに”仕立てられた”ブランドに夢中になるのである。

つまり、慎重なキュレーションによるそのラインナップによりブランド独自の魅力を高め、顧客の”忠誠心”を創出させることが多くのブランドがこぞって達成したいゴールなのだ。

加えて、オンラインへの進出が自社のブランド自体にどの程度の影響を及ぼすかも考える必要性がある。

どの有名ブランドにとっても強烈なブランド個性はその創造性と独自性の維持に効果がある。しかしながら、このような個性も何シーズンにも渡り同じように続くことがあれば、それは飽きられてしまう。

このようなジレンマに対して上手く対処するには、よく考慮された編集者の記事・手記が一つの手段と言える。巨大なオンライン販売企業に打ち勝つ為e-commerceに挑戦するブランド達は絶対に耳に入れておくべきコツだ。

要するに、”ハイファッションをamazonで”という言葉はラグジュアリーブランドがその洋服デザイン以上のものであることを無視していると言える。

ブランドの独自性とニッチなアピールの享受に頼ることはとても危ういバランスに成り立っており、この二つの要素における微妙な低下で全体的な悪い結果を招く危険性もあるのだ。

--

--