中東E-commerce市場に賭ける投資家達

ベビー用品ECサイトのMumzworld.comは先月、数millionドルのSeries B出資を受けた。同様に、数日前には中東のAmazon的ECサイトWadi.comに$67millionのSeries A投資が行われた。

ECは世界的に大きな可能性を提示しているビジネスだ。EC販売は$3.578trillionに到達すると予測されている。中東のオンライン小売市場は$7 billion〜$15 billion規模といわれており、インターネットやモバイルの普及が進む中、成長中だ。また、中東におけるインターネットとスマートフォンの普及率は高い。

国によって違いもあるが、中東のモバイル普及率は96%。中でもUAEのインターネット普及率は88%、スマートフォン普及率は78%だ。現在、オンライン取引の大多数はインターネット(デスクトップ)を通して行われているが、モバイルも追いつきつつある。

2015年にローンチしたばかりのWadi.comはマーケットリーダーを狙っている。現在UAEとサウジアラビアで操業しており、2000以上のブランドから150,000以上の製品を取り揃えているという。

Wadi.comの創業者Patik Guptaは、資金を使い幅広い地域に事業を広める予定だ。同社はバーレーン、クウェート、オマーンやカタールといった湾岸諸国やヨルダンに展開していく予定だそうだ。さらに、顧客サービスを向上し、物流キャパシティを拡大し、配送速度を向上したいという。そしてITにも投資を行い、物流を向上し、数万のサプライヤーと取引するためのソフトウェアを開発するそうだ。

「私たちの目標は、中東の顧客へより多くの商品を届けることです。しかも信頼性の高い、迅速な配送で、です。アメリカのECと同レベルか、もしくはそれ以上の体験を提供したいし、私たちにはそれが可能だと思っています。」と、Wadi.com親会社MEIGのCEO、Eyad Alkassar。

Wadi.comの最大のライバルはSouq.comだ。すでに湾岸地域とエジプトで事業を行っており、サイトには月23millionのユーザーが訪問する。現在、Souq.comは中東EC市場を独占している。昨年同サイトは$75millionの投資を受けた。企業価値評価は$1billionに登り、これまでに計$150millionの投資を受けている。

その他にもAido.com、Awok.com、Giltのような招待制のMarkaVIPやZapposに似たNamishi.com、日替わりディスカウントがメインのCoboneなどのECサイトがWadi.comの主なライバルだ。

中東EC市場の課題は支払い方法だ。EC市場においても、80%の支払いは現金(代引き)で行われている。クレジットカードやデビットカードは15%、残りはPaypalだという。

更に、商品の保管や移動といった物流も課題だ。Wadi.comはAmazonのように倉庫を持ていない。代わりに、UAEとサウジアラビアのあらゆる小売店や販売店と提携し、商品を販売している。Alkassarはだからこそ、Wadi.comは迅速で信頼性の高い配送ができるのだという。

中東は現在テクノロジーやスマートフォンの普及が進む注目の市場だ。ECの利便性や中東における中間層の拡大からも、ECが成功しない理由はないだろう。

記事セレクト: Yujiro Numata
翻訳: Ayako Shimatani