DemandwareのStephan Schambachがローンチする“NewStore”

Taiyo Uchino
Fashion-Tech News
Published in
5 min readFeb 4, 2016

Demandwareの創業者Stephan Schambachの目線は既にモバイル領域に向いている。

今日、彼は自身三つ目となるe-commerceベンチャー“NewStore”を立ち上げることになっている。消費者・従業員両者からの意見を採用した商品が並ぶという。
過去にはIntershop CommunicationsとDemandwareの創設をしており、それぞれ1998年と2012年に株式公開をした。Demandwareに限って見れば、時価総額も$2 billionに届く段階にある。

「オムニチャネルはここ20年ずっと話題にされてきているが、実行に移すことは容易ではなかった。」

「様々なデバイスにて利用可能なモバイル体験を提供するためには、強大な小売業者だけしか手を出すことができないほどの膨大なコストが必要となるからだ。」

デジタル販売と店舗販売の統合が比較的早く行われた企業もいくつかあるが、これは多くの他の企業にとっては非常に手が届きにくい話だ、と彼は言う。

しかし、NewStoreの力を借りれば既存のe-commerceシステムとモバイル・クラウドベースの商品が統合可能になり、オムニチャネルも早々に現実のものとなるそうだ。

そのモバイル小売プラットフォームは、General Catalyst、Schambach本人とNewStoreのマネジメントチームより$38 millionの投資が行われている。
スタッフの75%はボストンで従事しており、本部と小規模な開発センターはベルリンに位置している。

NewStoreのアプリを使えば、消費者はオンライン上で注文を行い、店舗や郵送どちらでも商品を受け取ることができる。そして、店舗や倉庫の15マイル以内であれば1時間以内に商品が到着するというのだ。従来の郵便配達を含めた他の配達オプションもある。
Apple Payによるショッピングカート無しの即購入サービスもあり、Touch IDを使えば様々なフォーム記入も一括で飛ばすことができる。
加えて、メールの代わりにプッシュ通知により購入ステータスが報告される。

彼はファッションとラグジュアリーブランドが自身の技術にとって“最高のファーストアプリケーション”だと語っており、来年上旬にも発表することを計画している。
このホワイトレーベル提供は単一ブランドでのみ利用可能となる予定だ。(デパートなどでは発表以降に加えられる拡張機能を使用する必要がある)

「モバイルトラフィックは現在までに急速に伸びていて、全体の50%以上に到達する勢いだ。しかし、e-commerceのコンバージョンは約3–4%でモバイル経由ではその4分の1にも満たない。」

「現在のe-commerceモデルは多くのブランドとモバイルデバイスで注文しようとする消費者にとってがっかりする代物なのだ。」

以上の統計データは、モバイル領域を彼の打ち出す最新企業の目玉とすることに影響した。また、彼はNewStoreのチーフマーケターであるPhilip Granofと共に45のフラグシップ店舗への弾丸視察ツアーを行い、さらにその想いを強くしたと言う。

「NikeやLucky Brand、Anthropologieなど小売業者からのスタッフは“アプリの世界”で日常を生きているようなものだが、それを働く時は利用しない。」

Granofhは続けて、

「それが本当の“ディスコネクション”だ。小売業者は自身の従業員がアプリを容易に使いこなす姿に驚くかもしれない。FacebookやSnapchat、Instagram、Pinterestが日常的に彼らをトレーニングしてくれている。」

NewStoreはこの現状を打開しようと試みている。従業員と顧客がつながることのできるアプリを開発中だ。

店舗がこのようなデジタルモバイル技術に着手すれば、顧客がブランドのアプリをダウンロードしたり、値引きや先行発売などのインセンティブを効果的に受け取る導線を引くことができる。

店舗内のiPadに自身の電話番号を入れれば、すぐにアプリダウンロード用のリンクが送られる。例えば、以前に購入歴のある顧客が番号を入れれば、リアルタイムでのオススメ商品と購入履歴が本人と従業員に通知されるのだ。

これによって従業員は、誰が店舗にいてどのように手助けできるのか知ることができる。

Schambachは最後に、

「私はe-commerceにおいてこれまでに何ができたのだろうと悩んでいた。」
「しばらく料金支払いプラットフォームのことばかりを考え続けていたけれど、今ではAppleとGoogleの戦場になっているからね。本当に手を出さなくてよかったよ!」

記事セレクト: Yujiro Numata
翻訳: Taiyo Uchino

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