Farfetchによる”The Store of the Future”の正体

Yujiro Numata
Fashion-Tech News
Published in
3 min readMay 30, 2017

Farfetchが、今まで強化してきたオムニチャネル施策(出店店舗の実店舗在庫の可視化、即日配送、クリック&コレクト等)のさらに先の手として、”The Store of the Future”という名の実店舗を2017年秋に展開する予定。

彼らが”post-omnichannel”や“augmented retail”と呼ぶこの店舗は、2年前にロンドンの老舗ブティックのBrownsを買収することで得られた、ラグジュアリーブランドを扱う実店舗に必要な顧客体験についての知見が活かされ、”実店舗のOS”と呼べる各種機能を追加可能なプラットフォームとしての実験場となっている。

機能の具体例としては、ウィッシュリストや異なるサイズとカラーが確認可能なデジタルミラーや、RFIDを内蔵することでどの商品を手に取ったか履歴として見れるようになる商品棚、Apple Storeのような多彩な決済手段、そして、Farfetchオンラインとのデータ連携などが挙げられる。

まずはBrownsにて使用を開始し、2018年にThom Browneのフラッグシップに導入予定とのこと。

今後のトレンドの中でキーとして考えているのは以下の3つ。

1.デジタルが消費者の行動とクリエーション欲求に影響を与える

2.オンラインはオフラインより早く成長している

3.しかし、オフラインは未だに、そして今後も、ラグジュアリーブランドにとっては販売や体験の中心となる

この実店舗向けシステムでのポイントも3つ。

1.ヒューマンタッチを重視する。具体的には、お客さんの名前を聞いて顧客データを確認したり、在庫について問い合わせたりというようなコミュニケーションを廃し、店舗スタッフをもっと人間同士のコニュニケーションに集中させることができるようにする

2.モデュラー性を高め、色々な条件のショップに活用可能にする

3.オープンアーキテクチャーにし、ブランド自身やその他のスタートアップが追加機能を開発可能にする

顧客はFarfetch appか、ホワイトレーベル化されたブランド用appを使用することで、各種体験を享受可能となる。

このシステムを提供した上でどのようにマネタイズするかはまだ未定。おそらく、手数料モデルでは。

https://www.businessoffashion.com/articles/bof-exclusive/inside-farfetchs-store-of-the-future

--

--