‘Made in the USA’はAmerican Apparelを救えるか?

Taiyo Uchino
Fashion-Tech News
Published in
5 min readFeb 16, 2016

ここ数年卑猥な広告と前CEOに対する膨大なクレームがあったAmerican Apparel(以下AA)は今、そのブランドイメージ挽回に努めている。

AAは自社の再建計画が認可され、破産裁判所にて勝訴を収めることができた。
その直後、新しいCEOは“Made in the USA”こそAAの特徴であるともう一度顧客達へ喚起している。

勿論、“国内生産”の理念はブランド創立当初からの真髄とも言える。

しかし、1年前からブランドの舵をとるPaula Schneiderはその大事なメッセージが、“卑猥な”広告と前CEO・ブランド創設者のDov Charneyのスキャンダルにより薄れてしまったと訴えている。

そして、現在その再建プロセスにおいて(未だに売り上げは下がり続けているが)アメリカ国内生産商品への興味が顧客回復に繋がるのではと期待している。

“私たちは従業員を手放すことはないですし、それこそが顧客を呼び寄せるための喚起になると思っています。”

“AAを超重要な企業だと捉えるからこそ、この喚起が必要だと考えるのです。”

おおよそ8700人の従業員の内7500人が、AAの全商品を生産するLA工場で働いている。

これから数ヶ月、AAは“Made in the USA”の約束を、新しいクラウドソーシングキャンペーンにより更に費用をかけて推し進めていくだろう。
このキャンペーンを通して、AAは地元のデザイナーからデザインを集め、商品化していく予定だ。

Schneiderはこの新施策をまだ“Made in the USA”ではない唯一の分野であるアクセサリー部門に用いるそうだ。
これにより、ようやくAAの商品は全てが国内生産になる予定だと彼女は言う。

“全ての商品をMade in the USAにするなんて、本当にクールだと思う。”

Trout & Partners marketing firmのpresident、Jack Troutは消費者が製造業の再興に興味を持ち始めている昨今において国内生産へのこだわりは時代に則したアイデアだと評価している。

Consumer Reportsの昨年の調査では、10人中8人もの買い物客がアメリカ国内生産の商品を輸入品よりも多く購入する傾向があり、60%が10%以上高い金額を国内製品に払ってもよいと思っているそうだ。

Jackman ReinventsのCEOであるJoe Jackmanは、国内生産企業としてのAAの立場を“強力な差別化”だと評した。Jackmanはこの新施策をどれだけ若く、価値重視の客層に響かせることができるかが課題になるという。

実際、AAは消費者たちに高価格で購入させることに成功している。
近年のAAの苦難は、安価で日常の必需品に焦点を合わせたファストファッション小売業の急速な成長が原因だ。例えば、AAのタンクトップが$20でH&Mでは$6であったりした。

そこでJackmanは、消費者の倹約する姿勢をより上手く利用する、“good, better, best”戦略を実施するという。例えば10代向けの製品にはより安価な素材を使い、ミレニアル世代の母親達向けの商品に高品質素材を使う。

それでも、CEOはデザイン性の高い商品に客はより高く出費しようとするだろうと主張する。

“Made in the USAは高価だが、我々の商品の質は保証できる。”

“ファストファッションではないから私たちの商品は長く使うことができる。”

その他の改革は、商品の統合である。例えばTシャツのスタイルを17から4へ減らした。そして、混み入った売り場を片付けてスペースを作った。
これにより、売り場ではより良いコンバージョンを得ることができた。

AAは昨年中に29店舗を閉店、海外店舗を合わせるとこれまでに202店舗を閉店している。今、卸業者の元での販売を試験的に始めている。この新施策は8月のハワイのブルーミンデールズで試行され、今では同デパートの8店舗にまで広がった。
AAは現在3分の1の収入を卸業態で獲得しており、ノーブランドの商品を他のレーベルに向けに生産している。

以上のような計画があってもなお、10月に連邦倒産法第11章の申請をしたAAにとって今年度が立て直しの一年となることは言うまでもない。
月曜の報告によると、9/30までの第3クオーターでの純損失は$25.6 million。これは1年前の同クオーターでの損失よりも大きい。
全体で言えば、売り上げは1年で$126.1 millionで昨年の$155.9 millionから下り続けている。

Scheniderは言う。
“今年一年は、私たちにとって安定化のための年になるでしょう。”

記事セレクト: Yujiro Numata
翻訳: Taiyo Uchino

--

--