2時間耐火木造構造部材のインパクト

2014年11月13日、国内で初めて、木造構造部材が2時間耐火試験に合格し、「木構造耐火部材」の大臣認定を受けました。

この「木構造耐火部材」を開発したのは大規模木造建築の普及に取り組むシェルター(山形市)。

日本の建築や林業、そして木材産業の姿を大きく塗り替える可能性があるとして注目を集めました。

それもそのはず。

これまでは、大規模に木材を使用する大型ビルや大型施設では、2時間耐火に合格する木造構造部材がなかったため、大型の木工施設の建築開発は極めて限定されていました。

2010年10月施行の「公共建築物木材利用促進法」によって、公共建築物への木材の積極利用が定められたものの、実際にはさほど進んでいなかったのが実態。

しかし、ようやく2014年11月13日に「2時間耐火試験」に合格する商品が登場し、いよいよ「潮目」が来たというわけです。

認定された構造は、「COOLWOOD(クールウッド)」名付けられており、構造を支える木材を石こうボードで覆い、その外側をさらに木材で覆うもの。荷重支持部材の材種は限定がなく、日本国内にあるスギ・ヒノキ・カラマツなどが使用できるといったもの。

全国各地での生産や加工、供給が可能で、同構造の普及に向け、シェルターの木村社長は、2014年12月「日本木造耐火建築協会」を設立している。


2時間耐火木造構造部材が業界に与えるインパクト

そして、2016年2月にリニュアルオープンした「京都木材会館」がまさに2時間耐火木構造部材を採用した国内初の事例。

同館1階の柱6本に「COOLWOOD」を採用。2時間燃えても木製の芯の柱の部分が残ります。建物の内外装はすべてに京都産の木材を100%活用し、設計施工も地元業者が手がけた純木造4階建て施設です。

自民党の伊吹文明衆院議員が言う通り、同館は、東京オリンピックに向けたモデルケースになると思います。

2時間耐火木構造部材がもたらす2つのインパクトを整理しておきます。

インパクト①

14階までの中高層ビルが建設可能

都心部の防火地域で建物を建てる場合には耐火建築物仕様にする必要があるため、これまでは燃えにくいコンクリート系で作られていますが、2時間耐火の試験をクリアした木構造部材であれば上の図のように、14階までの中高層ビルの建設が可能になります。

京都木材会館は、老朽化における建て替えであったため4階建ての構造物でしたが、2時間耐火木構造部材が普及することで、都市部に純木製の中高層ビルが建設されてくるわけですね。

シェルターでは、3時間耐火も既に視野に入れているようで、これが実現すると回数制限がなくなり、超高層ビルまで建てることができるようになります。

インパクト②

全国各地での生産や加工、供給が可能

COOLWOODは、荷重支持部材の材種は限定がなく、日本国内にあるスギ・ヒノキ・カラマツなどが使用できる。

つまり、シェルターのある山形だけに限らずどこでも生産、加工、供給が可能。実際、京都木材会館も100%京都産材です。

北海道から沖縄まで全国の木材が利用できて、だれでも使えるような商品開発と言え、国産材活用の可能性が拡がりました。

地域に稼げる新しい生業を。まさに効果の見込める強力な地方創生ネタ。


COOLWOODの他にも、法隆寺を始め、かつて世界をリードした日本の高層木造建築技術「CLT」と呼ばれる集合材にも注目が集まっていますよ。これは、ハウステンボスの「変なホテル」で実採用されている工法。

新国立競技場のように、国産木材の価値は明白に見直されています。

こうした「潮目」は世界が一気に変わるタイミング。

この機を活かすことができれば林業も新時代へ入っていきますね。