FiNCアプリのオンボーディング -秘伝のレシピを大公開!-

”はじめて”の体験をつくる — 登壇レポート@amicus vol.5 — first time UX

tanji
FiNC Tech Blog
8 min readDec 17, 2018

--

こんにちは。FiNC Technologiesデータ分析グループ(Growth Team)/管理栄養士のTanjiです。
先日の登壇内容を書き起こしました。

オンボーディング施策で各種許可率を上げるコツや、離脱を防ぐノウハウを大公開します。

会場提供は株式会社Loco Partnersさんでした。

管理栄養士のグロースハッカー?

少しだけ、自分の話をさせてください。
私は今、グロースハッカーとしてサービスを広げる仕事をしているのですが、もとはダイエットをサポートする管理栄養士でした。

FiNCでは3年間、管理栄養士としてFiNCのダイエット家庭教師というサービスに携わっており、ダイエット難民、生活習慣病予備軍、綺麗になりたい女の子…そういった方々とオンラインで直接コミュニケーションをとりながら、目標達成のためのサポートをしていました。

そんなある日、グロースハックチームへの異動という転機が訪れたのです。

当時はプログラミングはもちろん、技術的な知識も数字の読み解き方もわからず、フィンクちゃんになりきって会話を考えるだけの、グロースハッカーというにはおこがましいくらいの仕事しかできていませんでした。そんな中でオンボーディングの運用を任されることになり、仲間とKPIを達成するために日々奮闘してきました。

本記事の内容は、試行錯誤の末に掴んだノウハウの一部です。

前置きが長くなってしまいました。
本題に入ります!と、その前に…そもそもFiNCアプリをご存じない方のために、簡単にご紹介します。

FiNCアプリをご存知ですか?

FiNCアプリは、パーソナルトレーナーAI(人工知能)を内蔵したヘルスケアプラットフォームアプリです。
「Personal AI for everyone’s wellness」というミッションのもと、2017年3月6日(月)よりサービスを開始し、現在おかげさまで400万ダウンロードを突破いたしました。

FiNCのオンボーディングは割とユニーク

アプリにおけるオンボーディングとは、新規のアプリユーザーにアプリの価値を伝え適応してもらうためのプロセスであり、FiNCアプリをダウンロードした後に現れる、導入部分を指しています。

FiNCアプリのオンボーディングには、特徴が大きく2つあります。
1つ目は、ご覧の通りチャット式のUI画面
2つ目は体験しないとわからないのですが、とりあえず長い
適当に答えていても1分半、真面目に考えたり思い出したりしながら入力すると、5〜10分かかります。

そんなオンボーディングですので、以下の2つを重要視しながら検証をしています。
1つは入力率・許可率を高めること、そしてもう1つは離脱させないこと。
どんなことをしているのか、具体的に施策をご紹介しますね。

①流入別にオンボーディングを出し分ける

オンボーディングが始まったその時から、すでに施策は始まっています。

最近、特茶とタイアップの企画があり、ペットボトルQRコードからの流入口を作りました。
通常のオンボーディングが左、特茶QRコードからインストールしてくれた方のオンボーディングが右です。

特茶キャンペーンに期待して入った方へ、特茶を色濃く演出しています。
できるだけユーザーの期待に沿ったストーリーにすることで、興味をなくしたり、飽きて離脱してしまうことを防いでいます。

②選択に合わせたストーリー展開

気づかれずに通り過ぎてしまいがちなこちらの画面。
実は地味にパーソナライズしています。

最初の選択肢で選んでいただいた性別ごとに、画像を出しわけているのです。
そうすることで、よりイメージがしやすくなり自分ごとに捉えやすくなります。

さらに、

選択肢に合わせた受けこたえをしています。
自然な会話の流れを作り、機械的に思われない工夫です。人と人との会話でも、相手が答えてくれた内容をしっかり受容することは大切ですよね。

③訴求方法の工夫

1)画像
オンボーディングを体験していただいた方の中には、お気づきの方もいるかもしれませんが、画像を多く利用しています。

見た目が文字ばかりでは読む気にならないし、興味が削がれてしまう…
美味しい料理も盛りつけ次第で食欲が変わりますよね。

ここでは、文字を減らして画像ベースで訴求することで、実際に15%の離脱を改善しました。

2)文言

FiNCアプリの許可率、実は結構高いです。
ここでは文言表現の重要性を実感した記憶があります。
人に行動を促す場合、動機となる理由を明確に伝えること。具体的には「許可してくれないとアドバイスできなくなっちゃうの」ということで、許可して欲しい理由を理解してもらうことが大切なのです。
「なぜ必要なのか」を説明することで安心していただけるのかなと。

そして、人は得したい欲求より損したくない欲求の方が、行動への原動力になりやすかったりするようです。

少し話がそれますが、独自な施策としてリマインドプッシュの許可を聞いていたりします。
「リマインドプッシュ送っていい?」と聞いておくことで、記録を忘れたユーザーに自然にリマインドできるのです。

このスパイスが、後味効いてきます。
つまり、これが後のRRに寄与しており、体重記録も入力率を一定保っているんですね。

内製した管理ツール

ここまでいくつかの具体例をご紹介させていただきましたが、これらを実現するためには欠かせないポイントがあります。

これらの施策を回すことができるのは、内製したツールのおかげです。
これによりリリース作業が簡単になり、管理がしやすい上、PDCAが爆速で回せるようになりました。

以前はオンボーディングの更新に時間がかかり、エンジニアと連携は必須、属人的な運用でした。リリース作業が深夜にまでおよぶこともしばしば...
今はものの10分で更新、一人でもできるし、誰でもできます。
実際、1つのリリースに半日〜1日かかっていたものが、10分でリリースできるようになったため、複数の施策を短スパンで回すことができています。

ということで、先日amicusさんのイベントで恐縮ながら、ゲストLTとしてお話しさせていただいた内容は以上です。

当日のスライドはここに載せておきます。施策内容は、どれも応用の効くものばかりだと思いますので、ぜひご参考ください。

また、オンボーディングMicroserviceの裏側について詳しく知りたい方はこちらの記事を御覧ください。オンボーディングをマイクロサービスとして切り出した理由や、分岐システムのサンプルコードなど紹介しています。

より詳しい内容にご興味のある方は、気軽にご連絡くださいね。

求ム!データアナリスト

株式会社FiNC Technologiesでは、KPIを爆増させるデータアナリストを募集しています。

ライフログデータを用いたデータ分析や機械学習にご興味がある方、ご応募をお待ちしております。

--

--