FiNC社内で機械学習コンテストを開催!
機械学習の民主化を目指すFiNCの取り組み - FiNC秋の機械学習まつり2018 -
こんにちは。FiNCデータ分析グループのゆるふわ担当のこみぃです。
今回はデータ分析グループが主導して行った社内イベント。「FiNC秋の機械学習まつり2018」についてお話したいと思います。
「機械学習をもっと身近なツールにしたい」という想いが開催の原点
これまで、データ分析グループのメンバーで話をする中で、共通の想いがありました。
それは「機械学習をもっと身近なツールにしたい」ということでした。
というのも、いくつか以下のような施策や企画を見てきたからです。
- 「機械学習というのを使えばうまくやれる可能性があるはずだがそれを調べる時間がない」と自ら判断してしまい、一旦ペンディングになる
- 機械学習を導入すると改善ができそうだが、機械学習を利用するという選択肢がない、もしくは敬遠されてしまっている
- 機械学習を使った分析の要望が、そもそも企画メンバーから上がってこない
こういった事情は「機械学習というのはなにかすごいものらしいが難しそうで、自分たちはまだそれを使える状態じゃない」という考えからくるもので、必要以上に身構えてしまっていたり、場合によっては畏怖してしまっているという状態です。
そして、恥ずかしい話ですが、私達データ分析グループのメンバー自身も機械学習をまだまだしっかり使いこなせてるとは言えません。
こういった背景から、社内において機械学習をもっと身近に感じさせ、その他の各種ツールと同じように「まず使ってみよう」くらいの気軽さでみんなが触れられるツールにするには何をすればいいかと考えました。
その結果として出てきたのが、「みんなが事業への応用とか考えずに無邪気に機械学習を使って何かをする会」を開くことでした。
こうして、「FiNC秋の機械学習まつり」の開催の運びとなりました。
開催期間中の流れなど
開催期間は最終的に6週間になりました。
お題募集期間
- 「大喜利」という名前のスプレッドシートに記入していただく形で全社にお題を募集
- あまりに無邪気すぎてさすがにほとんどは実施されませんでしたが、身近で気軽な雰囲気を醸成するのには一役買ってくれたと言えるでしょう
参加表明期間
- チームメンバーを集め、どのお題に取り組むか決めて参加を表明する期間
- チーム制にすることにより、エンジニア以外のメンバーも参加できるようにしました
実装・研究期間
- 決めたお題を実装する期間
実装の環境はAWS SageMakerを採用
普段からローカルで作業をしているエンジニアについては放っておいても大丈夫ですが、そうでないメンバーも参加しやすい基盤を作ることもこういった企画では重要と考えました。
どういう環境を用意するのがいいか検討している際に、SRE主導でAWS SageMakerの勉強会が実施されたことなどもあり、今回はRedshiftからS3にデータを置き、AWS SageMakerで分析を行う環境を用意しました。
ソリューションアーキテクトに学ぶFiNC AWS勉強会 ~SageMakerを使った機械学習編~
この企画はAWS SageMakerを使って色んな人が気軽に機械学習を使える環境を作る先駆けにもなりました。
このように、新しいツールを社員一人一人が自由に使えるような環境が整っていることは、FiNCの魅力の1つです。
集まった研究
こうして、6件の研究があつまりました。
クラスタリング
- 位置情報を使ったユーザーのクラスタリング
- ストアレビューが何について言及しているかの分類
- TRY機能の記事の類似度をDoc2vecで可視化
強化学習
- 食事検索精度の改善
IoT
- 自宅のライトのon/off自動化
異常検知
- プッシュ通知のKPIをもとにした異常検知
豪華な審査員たち
また、審査員も豪華なメンバーを集めました。
- 東京大学助教、小宮山純平氏
- 日本ディープラーニング協会理事にして弊社のCTO、南野
- 弊社最強のPM、友成
彼らそれぞれの基準により、それぞれの研究に点数をつけていただきました。
栄えある第1回優勝は。。。
3人の豪華な審査員による厳正な審査により、第1回優勝に選ばれたのは太田さん(Twitter / @ota42y)の「食事検索精度の改善」でした。
この改善はすでにアプリに実際に導入されており、今も食事入力時の検索機能の精度の向上に貢献しています。
また、先日のDeveloper Boostにて発表させていただいた内容でもあります。詳しくはこちらのスライドを御覧ください。
本人のブログもありますので、そちらも合わせてご覧ください。
今回は「気軽に機械学習を使える環境を作りたい」というのが第一の趣旨でしたので実用性については必須項目に入れませんでしたが、こうして実際にアプリの改善につながるというのはもちろん素晴らしいことですね。
「使ってみたら本当に簡単だった」と語る太田さん。企画の趣旨は達成できたと言っていいでしょう。
最後に
いかがだったでしょうか?
FiNCデータ分析グループは、自分たち自身のスキルの向上はもちろんですが、分析グループ以外のメンバーもそのスキルを気軽に利用でき、恩恵を享受できるような開かれたチームを目指しています。
機械学習まつりは、そういった思想のもとに実施された企画だったとも言えますね。
今後もいろいろな企画を行い、機械学習のみならず分析という業務そのものを積極的に民主化していこうと考えています。
続々と新たな試みを続けていくFiNCデータ分析グループの活躍をご期待下さい!
なお、FiNCデータ分析グループでは常に新しい仲間を求めています。この記事を読んで興味が湧いた方などいらっしゃいましたら、ぜひ一度お話などさせていただければ幸いです。
https://www.wantedly.com/companies/finc
それでは今回はこのあたりで。