エンジニア向けの社内情報共有ツールの紹介

Hiromichi Kishi
FiNC Tech Blog
Published in
6 min readJun 30, 2017

FiNCのエンジニアの人数も50人を超え、チームを横断した情報共有の機運が高まっています。
もともと社内には情報共有ツールとしてConfluenceやGitHub Wikiなどがありましたが、前者はMarkdownなどのエンジニアがドキュメントを書きやすい機能が不足しており、後者は情報の検索性に難がありました。
エンジニアのコミュニケーションを活性化させるため、カジュアルに記事を投稿できて誰でも見ることができる、新しい情報共有ツールを導入をすることにしました。

今回は候補として検討した際に、以下の要件を満たしていた情報共有ツールを紹介します。

  • Markdownを使ってプレーンテキストで記述できる
  • 記事の更新履歴のdiffを見ることができる
  • フィードで記事の一覧を見ることができる
  • わかりやすい検索機能
  • コメント欄でのやりとりができる
  • Webhook(チャットツール連携)
  • UML記法やスライドの埋め込みのためのスクリプトタグが利用できる

※この記事の情報は2017/6/30時点のものです。

Qiita:Team

https://teams.qiita.com/

エンジニア向けの社内情報ツールのサービスとしては日本では一番有名かと思います。
Qiita自体を技術記事の投稿で使い慣れている人も多いです。Kobitoの使いやすさも人気の一つです。
Wikiのような階層的な分類方法はありませんが、タグによる記事の分類をしたり、プロジェクトページを作って記事をまとめたりすることができます。

esa.io

https://esa.io/

3人という少数精鋭で開発されている、今回紹介する中で一番ゆるふわな情報共有サービスです。
WIPの状態でも記事を保存すると公開されたり、タグと階層型の分類の両方がサポートしたり、フローとストックの概念など、情報共有に関する哲学を持って開発されていることを感じられるサービスです。

Twitterでバグ報告をするとすぐに対応をしてくれるのがスピード感があって素晴らしいです。
また、ExcelやSpreadsheetからテーブルをコピペするとテーブル記法に変換してくれたりと、痒いところに手が届く機能が多いです。

DocBase

https://docbase.io/

DocBaseは他のサービスと比べるとより大きな企業での利用を念頭に置かれているサービスのように感じます。
保存される情報の暗号化、2段階認証のサポート、保存されたデータを参照しないと書いてあるなど、高い安全性を押し出しており、チームごとに閲覧制限をつけることもできるようになっています。

個人的には、他のサービスにはない複数の記事をまとめることのできるまとめ機能が気に入っています。

Kibela

https://kibe.la/

元クックパッドの@ihara2525さんがCEOを務める株式会社ビットジャーニーから今年の3月にリリースされたサービスです。Kibelaはクックパッドの社内向け内製ツールGroupadにヒントを得て設計されているとのこと。

大きな特徴としては、BlogとWikiの2種類の記事を書き分けられるところです。日報や作業メモのような即時性の強いものは前者として、手順書や設計のような後から参照されることが多いものは後者として投稿します。
また、Boardという単位で投稿する先を分けられるようになっており、チーム単位や部署単位で投稿先を分けることができます。

5人まで無料で利用できるため、個人や少人数の会社で使いやすいのも他のサービスにはない特徴です。

Crowi

http://site.crowi.wiki/

Crowiはメルカリの@sotarokさんが公開されたOSSの情報共有ツールです。
Node.js + MongoDBで作られており、Heroku上で簡単に動かすことができます。

非常に活発に開発されており、最近の1.6.2ではPlantUMLとMathJaxがサポートされました。

Crowiからフォークして作られたcrowi-plusというプロジェクトもあり、こちらでは色々と実験的な機能が追加されています。

参考: 最強のWikiと呼び声の高い「Crowi」を、更に最強にした話

比較

スライドショー機能やSlackへのWebhookなどはどのツールでも対応しています。

FiNCの情報共有ツール

FiNCでは現在Crowi(crowi-plus)の運用を始めています。
OSSということで自分達で貢献することができること、コスト面で優れていることを評価して、今回はCorwiを選択しました。
社外勉強会のレポート、社内勉強会の資料、作業手順書、Design Doc、ちょっとしたTipsや新しい技術の提案など、色々な記事が投稿されています。(この記事もCrowi上で作成されました)

既存の情報共有ツールで作られたデータの移行する必要があったため、今回はスクリプトでまとめて移動しました。
副産物としてruby-crowiというRuby向けのAPIクライアントを作りましたので、gemとして公開しています。
もし社内の別のツールからCrowiに移行される際はぜひご活用ください。

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Hiromichi Kishi
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