Flow エコシステム ハイライト 2023 Q1

Ara
Flow Japan
Published in
13 min readApr 18, 2023

Flowは、10 億人以上のアクティブユーザーを Web3 に取り込むためにこれまで以上に尽力しています。2023 年はすでに最高の年になりそうです。

この報告書では、メインストリーム向けの強力なイノベーション構築とスケーリングに選ばれるレイヤー 1 ブロックチェーンとして Flow の可能性を最大限に実現するため、Q1(第 1 四半期)に Flow コミュニティが達成した注目すべき成果を見ていきます。

今期の指標

Flow エコシステムは、革新的なプロダクトとソリューションを構築し続けており、Web3 のメインストリーム採用に向けて有意義な進歩を遂げています。数字はそれを物語っています:

ネットワークのハイライト

Flow は、消費者の Web3 導入に再び革命を起こします。Flow のネイティブなアカウント抽象化フレームワークが今日どのように使われているかお見せしましょう:

NFT & コレクティブル

最大のコミュニティは、彼らのプロジェクトをメインストリームにするためにFlowを選択し続けています:

  • Doodles 2 が Flow を採用:Ethereumで最も著名な NFT プロジェクトのひとつである Doodles が、Flow エコシステムに参加しました。チームは、ソーシャル・プラットフォーム、ゲームの世界、ライブ・イベント、ストリーミング・コンテンツ、リテール・アクティベーション(消費者の購買行動を促す活動)などで、ユーザーがポータブルで相互運用可能に Doodles を楽しめる、強力なコンポーザビリティを備えた Flow を選択しました
  • NBA Top Shot のモバイル化: NBA Top Shot はモバイル・アプリをリリースし、NBA Top Shot の体験をよりパーソナライズされた、革新的で、アクセスしやすいものにしました。このアプリを使えば、ユーザーはどこにいてもお気に入りの NBA スーパースターや素晴らしいモーメントにアクセスできます。
  • Flowverse は、1 日平均 1 つの NFT をドロップNFT マーケットプレイスと、4 万人以上の購読者を持つ Flow の中心的なハブを運営するこのチームは、前四半期に 90 以上の NFT ドロップをリリースしました。最新のリリースでは、1 回のトランザクションで複数の NFT の一括購入を可能にした最初の Flow マーケットプレイスとなりました。
  • 「Piece」プロジェクトは、Twitter の瞬間をコレクティブルに変える: この Twitter Bot は、Flow 上でアカウントを用意することなく、ツイートをデジタル・モーメントに変換します。最近行われた Flow ハッカソンでは、ウォレットレス・オンボーディングのトラックで 1 位(30,000ドル)を獲得しました。

ゲーム

Flow は、終わりのなきコンポーザビリティと制限なしのスケーリング可能性を備えた、より没入感のある Web3 ゲーム体験を提供するために、次のような取り組みを続けています:

  • Unity 上の大規模な分散型ゲームFlow .NET SDK のコアコントリビューターが開発した新しい Flow Unity SDK により、開発者は Unity という堅牢でネイティブなゲーム開発ツールでゲームを作ることができ、同時に、Flow の超高速なトランザクション、終わりなきコンポーザビリティ、ガス不要のゲーム体験を活用できます。
  • Flow 上でメインストリームに向かう戦略ゲーム: 従来のゲーマーと Web3 ゲーマーのギャップを埋める、新しいタイプの対戦型モバイル戦略ゲーム「Raiders Rumble」は、Flow ブロックチェーン上でオープンベータ版がリリースされました。Flow はまた、最高の戦略ゲーマーを見つけることを目的とした Raiders Rumble トーナメントのスポンサーとなっており、賞金の総額は 12 万 FLOW トークンです。
  • 「Wonder Arena」プロジェクトが Web3 ゲームのパワーを実証: Flow ハッカソンのベストモバイル体験の受賞者は、オンチェーン・ロジックとウォレットレス・オンボーディングで魅力的なモバイルゲーム体験を作り、3 万ドルの賞金を手にしました。新しい Flow Unity SDK を使い、既存の NFT コレクションの上に構築することでコンポーザビリティを強調しました。
  • 「Flow’s Got Talent」プロジェクトが既存の NFT エコシステムをゲーム化: このゲームでは、ユーザーは Flow の PFP の NFT をゲーム内のキャラクターとして選択し、壮大なミニゲームで他のプレーヤーと競うことができます

開発者イベント

Flow は、認知度を高めるための取り組みを増やし、イベント、ハッカソン、ミートアップなどを通じて、世界的に話題を呼びました:

開発者体験

多くのアップグレードによって、Cadence はより強力になりました。コーディングにかかる時間が短縮され、Cadence に慣れて、Flow ノードを操作することが簡単になりました:

  • Cadence のプレイグラウンドがより便利に: エディタの改良、プロジェクト管理機能、洗練された署名体験、より良いロギングとエラーメッセージなど、多くの改善点を提供し、開発者を強化するために設計された Flow Cadence Playground の最新版を発表できることを嬉しく思います。
  • 最初の Flow dApp を 4 分以内に実行: Flow CLI はここ数カ月で進化し、Flow 上で開発する開発者のためのワンストップショップ(※一箇所ですべて揃う場所)となりました。スーパー・コマンド、プロジェクトの scaffold(サンプルコード)、アカウント作成 などの新機能により、開発者はすぐ拡張できる Flow プロジェクトを立ち上げて実験できます。
  • 開発者のアクセス・ノードを素早く起動QuickNode は Flow のベータ版サポートを追加しました。これは、開発者が Flow 上で大規模アプリケーションを動かすために必要な、業界トップレベルのアクセス可能なコア・インフラを利用できるようになったことを意味します。
  • Cadence ワーキンググループが Stable Cadence のプレビュー・リリースを共有: コア・コントリビュータとコミュニティ・メンバーは、Flow のネイティブなスマートコントラクト言語の次のメジャー・リリースに取り組んでいます。これは Stable Cadence というコードネームがつけられており、スマートコントラクトを構築するための最高のプログラミング言語として Cadence を大きく進化させるものです。現在、4つの FLIP がアクセプトされ、11 の改善と修正がマージされました。

コア・プロトコル

Flow の最新のメジャー・アップデートでは、ネットワークのスケーラビリティ、パフォーマンス、回復力、アクセシビリティを向上させ、より安全性を高めるためのいくつかの新機能が導入されました。これは、NCC、CoinbaseCloud、BlueSign などの Flow コミュニティメンバーからの有意義な貢献により、数ヶ月かけて行われたものです。

  • ネットワークのアップグレードをより速く、より少なくすることで、ネットワークの可用性を向上: ネットワークのアップタイムを向上させるため、スポークの周期を変更し、隔月のアップグレードではなく、四半期ごとに 1 回のスポークを行うようにしました。さらに、新機能やアップデートのためにネットワークが継続的に維持されるように、ダウンタイムがほとんどないブロック高の指定によるアップグレードを、スポークの予定がない月に 1 回実施します。前回のブロック高のアップグレードは 3 月に行われましたが、トランザクションとスクリプトの実行に 7 分間の停止が発生しただけでした。
  • トランザクションのファイナライズが 20% 高速化:Flow は 1 月にコンセンサス・プロトコルの大幅なアップグレードを行い、コンセンサス・ビューの進行を調整する消極的なペースメーカーを積極的なペースメーカーに置き換えました。このアップグレードにより、障害からの復旧が大幅に高速化され、より予測しやすくなりました。また、コンセンサスの確認が従来の 3 ブロック方式から 2 ブロック以内に行われるように変更され、ファイナライズまでの時間が20%改善されました。
  • 開発者向けの完全にパーミッションレスなアクセス・ノード:2 月にリリースされたパーミッションレス・アクセス・ノードは、ステーキング・オークションでスロットを獲得するだけで、個人やグループがアクセスノードを運営できるようになります。また、Flow のアクセスノードの最小ステーク額は、不真面目な(frivolous)ステーキングと脆弱性から保護するために、0 FLOW から 100 FLOW に引き上げられました。

Cadence

Q1 では Cadence の新機能が導入され、Stable Cadence のマイルストーンに向けて継続的な進展がありました。

新機能

  • アカウント・リンクにより、ウォレットレス・オンボーディングとハイブリッド・カストディが可能になりました: これには、コミュニティからのフィードバックや議論を通じて当初の提案に追加された、3 つの安全機能が含まれています。
  • アタッチメント機能プレビューリリースは、新しい重要なコンポーザビリティのユースケースのテストを解放しました: この機能は現在、開発者がよりアクセスしやすいようにテストネットにデプロイされており、 コミュニティはこの機能をより堅牢で安全なものにするために、実装に残るギャップを埋める作業を繰り返し続けています。
  • Cadence Compact Format は、追加的なプロトコルのセキュリティ機能を利用可能にします: Cadence Compact Format(CFF — Release Candidate 1 仕様)は、Cadence の外部値(external values)を決定論的かつコンパクトに表現する新しいエンコーディングフォーマットです。これはプロトコルの性能も向上させます。CCF のコーデックの実装は完了間近です。

Stable Cadence

  • Entitlements と安全なダウン・キャスティング の提案は、5 つの分科会を経て行われました: すべての議論トピックはコミュニティといっしょに解決され、実装が進行中です。
  • Capability コントローラ の提案は完了間近です: 今期は 4 回の分科会を経て、最後に残ったトピック(デプロイメント・モデル)は 4 月初旬に終了しました。実装は進行中で、新しい API は Stable Cadence リリースに先立ち、破壊的ではない変更としてデプロイされる可能性があります。

これらのエキサイティングなアップデートにより、Flow はメインストリームの Web3 dApps に最適なコンピューテーション・レイヤーとして、その有効性を高め続けています。Flow の開発者がこれらの進化を活用して、マーケットでどのように差別化を図り、新しい顧客を Web3 に取り込んでいくのか楽しみです。

Flow の今後の展望にご興味がありますか? 四半期レポートのパート 2、「2023 Q2 以降の Flow の展望」をご期待ください。

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Ara
Flow Japan

ソフトウェアエンジニア。生物学、民俗学、仏教、神道、メディアアート、博物学、フォント、ブロックチェーンなどに興味あり。