FlutterKaigi 2023 プロポーザル応募のススメ

菊池紘
FlutterKaigi
Published in
9 min readAug 17, 2023

tl;dr

  • FlutterKaigi 2023であなたの知見を発表してください!
  • あなたにとって新しく発見したものが知見
  • 深掘りして膨らませれば尺は埋まる
  • FlutterKaigiは人が熱量を感じられる場を目指しています
  • あなたの熱量で日本のFlutterコミュニティを活気づけてください!

FlutterKaigi主宰の @kikuchy です
Flutter開発、楽しんでますか?

普段から業務や趣味で楽しく開発されていて、けれど勉強会の登壇経験がない/少ないあなたに、ぜひお願いしたいことがあります。

FlutterKaigi 2023であなたのFlutter開発の知見を発表してください!
エントリー方法は以下のリンクからプロポーザルを提出するだけ!

https://fortee.jp/flutterkaigi-2023/speaker/proposal/cfp

本業のみならず副業でFlutter開発している方も多いと思います。
ノウハウや気づいたことがあれば、それを社外にも公表しないのはもったいない!
ぜひご応募を検討してください!

……大きなカンファレンスへの登壇はハードルが高いですか?
おっしゃる通り、FlutterKaigi 2023は日本全国のFlutterやDartのエンジニアを対象とした大きなカンファレンスです。
怖いな、難しそうだな、と思うのも無理はありません。

しかし、そこをおしてお願いしたいのです!

知見とは?

「そもそも人に発表できるような知見を持っていない」?
すこし立ち返って、どんなものが発表できる知見なのか考えてみましょう。

大きなジャンルとしては以下のようなものがあります

  • 基盤技術にまつわるもの
    例:Impellerの解説、Dart 3新文法の活用法
  • 開発・運用にまつわるもの
    例:Material Design 2から3への移行、自動テストを増やす取り組み
  • ビジネスにまつわるもの
    例:要求を満たすためのチューンナップ、Flutter採用事例

「自分が興味を持っているのは基盤技術だから、このジャンルでテーマを探そう」など、思えるものがあるのではないでしょうか。

「思い当たるものがない」?

例えば、ライブラリのコードリーディングをしていて「この書き方は知らなかった」「こんな実装方法があるんだ」と感心したとします。
これも立派な知見です!

あなたが新しく発見したものが知見です。

「他の人は知っていそう」?
本当にそうですか?

誰しも初学者だった時期があるはずです。公式ドキュメントや教材などを見ながら勉強した記憶があると思います。

あなたは書かれていたことを一発で理解できましたか?私には難しかったことがたくさんあります。
(参照渡しとか、クラスとインスタンスの関係とかね!)

そんなとき、どうしましたか?
自分にとってわかりやすい資料を探しに行ったのではないでしょうか?
様々な人が、様々な表現で、同じことを説明してくれます。
そのうちに理解しやすい資料に出会い、パッと理解が深まるのです。

仮に他の人が知っていても、あなたの理解を、あなたの表現ですることが大事なのです。

ドキュメントを読んでていて気づいたこと、
コードを書いていて気づいたこと、などなど、

そう考えてみると、思い当たるものがきっとあるはず!

ネタがない

「登壇してみたいけと良いネタがない」?

そんな意欲的なあなたに、ネタの探し方を伝授します!

探すべきはズバリ、(日本では)まだ知らない人が多そうなこと、です!

あなたはFlutterを使い始めてすぐにフレームワークの実装を読みましたか?
使いこなすのでいっぱいいっぱいで、コードまで読んでいる人は少ないでしょう。
(読んでいたらすごいです!ぜひ登壇を!)

読んでいる人が少ないということは、それだけ知られていない世界があるということです。
マイナーなクラスを紹介したり、気になる実装やアルゴリズムを解説したりするセッションは昔から人気があります。

Flutter本体のフレーワークに限らず、有名なライブラリの中身にも面白い実装が書かれていることが多いです。
ライブラリの使いやすさの源泉は何か?ぜひ探してみてください!

また、発表されて間もない技術、利用者が多くない技術は、活用方法が知られていないことが多いです。
(最近だとDart 3.0で導入された文法、DartのRISC-V対応、WebAssembly対応とか、新しくなったレンダリングエンジンImpellerとか!詳しく知りたい人は多いと思いますよ!)

更に先に進んで「まだ正式リリースされていない機能」「実装されていない(けど人気な)機能提案」など、未来を先取る手段もあります!

「日本では」がカッコ書きなのが気になりますか?

日本語というのは英語とかなり異なる言語で、一応英語が読めるという人でも日本語の方が理解しやすいことが多いです。

Flutterのドキュメントは基本的に英語です。
ライブラリも英語で説明が書かれたものが多いですよね。
海外のカンファレンス発表も、日本ではまだ知らない、知っていても理解が深くないものが多いかも知れません。
そうしたものの解説というのも需要があるはず!

40分も喋れる分量がない

「ネタになりそうなものは見つけたけど、40分も喋れなさそう」?
その悩みはよくわかります。

しかしこの心配は杞憂に終わることが多いのです。

登壇するときは、前提知識の説明が必要になります。
例えば Theme.of() メソッドで ThemeData オブジェクトを取得できる理由を解説しようと思ったら、引数に渡す BuildContext の説明、更に遡って Element ツリーの説明が必要かもしれません。
深掘った事柄を説明するには、想定聴衆を設定して適切な事前説明をする必要があります。

それでも分量が足りない気がするなら、テーマを膨らませましょう!

更に深掘りして、縦に膨らませる方法があります。
Element ツリーの働きがわかれば、 Widget ツリーと RenderObject ツリーとの関係もわかるでしょう。
どうやって生成や変更の反映が実装されているでしょうか?
いつかは画面描画に辿り着くはずですが、プラットフォームのAPIを使いに行くパスは?

同じようなテーマをシリーズ化し、横に膨らませる方法もありますね。
Theme.of() の実装がわかったら、 Navigator.of() は?
MediaQuery.of() は?
Scaffold.of() は?
全部同じ実装でしょうか?それとも違うでしょうか?
そもそも.of()系のメソッドはフレームワークにいくつあるのか?
他の実装方法は考えられますか?
複数の方法があれば、それぞれのメリット・デメリットは?

縦横に膨らませていくと、話せること、話したいことがどんどん広がっていくのを感じますね!
少し広げたくらいのことをプロポーザルのアジェンダに書きましょう!
発表資料を作る時に更に広げていきましょう!

あなたに登壇して欲しい理由

「どうしてそんなに登壇して欲しいのか」?

それはあなたに日本のFlutter開発の場を一緒に盛り上げてもらいたいからです!

初回の2021年から、FlutterKaigiはカンファレンスという形の開催にこだわって来ました。
新型コロナウィルス感染症の流行もあり、一昨年と昨年は物理会場でのオフライン開催が叶わずオンラインでのストリーミング配信となりましたが、当初からFlutterKaigiのメンバーは物理会場での開催を夢見ていたのです。

それは、直接対面だと人の情熱がよく伝わるから。
情熱に動かされて、自分もやってみよう、もっと開発したい、と影響を受けるから。

技術記事を書く、スライドを作る、講義動画を収録するなど、知識だけを共有する方法は以前からたくさんありました。
勉強会も、コロナ禍以前からオンラインミーティングで開催しても良かったはずです。
にもかかわらず、エンジニアは勉強会やカンファレンスに集まってきました。

私は、人の温度を感じられるから、人間は物理的に集まろうとしているのではないかと思っています。

新しいエンジニア友達を作る、
明るくない業界の人から業界ドメインの話を聞く、
久しぶりに会った人と近況報告に花を咲かせる、
Twitter (X) のあの人と知り合いになる、etc…

こうした人付き合いは、登壇者が一方的に話すオンラインミーティングの勉強会ではなかなか起こりません。
偶発的な人との出会いは、物理的な会場での「たまたま出会った」という一種の強制力がなせる技だと思っています。

そんな中で、「今回の登壇者」という看板は一際大きな力を発揮します。

あなたの顔の名前が知られているので、声をかけられることもあるでしょう。
あなたから誰かに声をかけるのも簡単になると思います。

それはあなたが登壇を通して、あなたの知識と熱量を披露したからに他なりません。

そうしてできた人間関係は、Flutterコミュニティに新しい活気をもたらします。
影響された人々の仕事が楽に、楽しくなるでしょう。
そこで見つかった新しい知見をもとに技術記事を書いたり、登壇する人もあらわれるかもしれませんね。

ぜひ、あなたにFlutterコミュニティを活気づける、新たな一歩を踏んでいただきたいのです。

FlutterKaigi 2023のプロポーザル募集終了まであと3日となりました。

「応募してもいいかも」
と思ったら、下のリンクからぜひご応募ください!

1人3件までご応募可能です。
思いついたネタは、書けるだけ書き切った方が選ばれる可能性も高くなります。

プロポーザルが採択された方には専用ノベルティをプレゼント!
今年はブラックのFlutterKaigiパーカーです!格好いい!!

FlutterKaigi 2023 登壇者パーカー! 開催される11月の気温にピッタリ。

あなたの情熱と知見を、Flutterコミュニティのみんなが待っています!

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菊池紘
FlutterKaigi

Apple端末が好きでMicrosoftを応援しながら主にGoogleのテクノロジ使ってる人。最近はFlutterやってます。 セプキャン2010Linux組。元MSPフェロー