Mediumの新しいロゴが出来るまで

Erika Ito
for Shirusu
Published in
4 min readOct 11, 2015

by Erich Nagler & Karen Jaimes

Mediumは3年前に初めてベータ版をリリースしてから、Stagというセリフフォントの太くて大きな「M」をロゴとしてきました。

この「M」は、シンプルでエレガントでよく出来ていましたが、ロゴとしては自由度の低いデザインでした。最初の数年はこれで十分でしたが、Mediumが成長し進化していく中で、味気や深みがなく、無愛想で遊びのないロゴだと感じるようになりました。また、目立って特徴があるわけでもありませんでした。簡単にいうと、この「M」はもう、成長したMediumを表しても伝えてもいなかったのです。

そこでこの夏、今のわたしたちとこれから目指す方向を表現するロゴを創ることをゴールに設定しました。

新しいアイコンの為にたくさんのアイディアを出しあったあと、やはり「M」はマークとして手放せないという結論にたどり着きました。次のステップは、楽しむこと。「M」を曲げて伸ばして、どうやったらMediumを体現する形にできるのかを模索しました。

そこからは、PSY/OPSを立ち上げたタイプデザイナーのRod Cavazosと一緒にもっと真剣に取り組む時間。Rodとは、コンセプトとして「相互的に影響し合うアイディアや形を繋げると、新しい考えとして成り立つようなロゴ」を追い求めました。記憶に残る会話のように、流れ、広がり、積み重なっていくようなロゴです。

やっと、それらしきものが見えてきました!「M」をシンプルで幾何学的に面白さで解釈しました — これは楽しいゲームや満足感を感じさせるパズルのようでした。変形させたり色を変えたり、見え方を変えてくれと自ら言わんばかりのロゴで、わたしたちはいつまでも遊んでしまいました。

わたしたちはロゴを形作っている4つの面を、重なりあって続いていく会話のようだと見るようになりました。ひとつの面が次の面と当たって角度が変わるように、トーンや方向が転じていくような会話です。

次に、この新しい「M」と同じような系統で隣に並べても違和感がないような文字マークを創るために、PSY/OPSのタイプデザイナーに再びデザインを依頼しました。そして堅すぎず幾何学的すぎない、ロゴの角度と思想を美しい形で受け継いだ特別な文字が出来上がりました。

最後に、ロゴに遠近法を使うか等角図がいいのか、それとも軸測投影図なのか(結局は等角図にしました)をデザイン哲学的に考えたあと、私たちは徹底的に高さやアングルを検証し、一番安定していて目に見ても心地よい形を作り出しました。

最後の最後に、角を本当にすこしだけ丸くしました。間違えて誰かの目を突いてしまわないようにね。そしてみなさん、わたしたちがこれ以上になく自信を持ってお届けするロゴがこちらです:

ロゴで遊んでみました:

--

--

Erika Ito
for Shirusu

Product Designer at VMware Tanzu Labs (former Pivotal Labs) in Tokyo. Ex Medium Japan translator. | デザインに関すること、祖父の戦争体験記、個人的なことなど幅広く書いています😊