Mediumで書くということ
ウェブ上で最も卓越した編集ツールを目指して
私たちは、ウェブ上で最高のパブリッシング・プラットフォームをつくるために日々努力しています。それはストーリーを司る言葉のために、画像のために、そして書くそのものの体験のために。
WYSIWYG
WYSIWYG(ウィジウィグ)とは “What You See Is What You Get” の頭文字を取った略称であり、ディスプレイや公開後に現れるものと処理内容が一致するように表現するための技術です。例えばこの記事を書いている私でさえも、単なる編集画面ではなく読んでいる画面と全く同じ画面で編集することができるのです。言葉を返せば、読んでいる画面「しか」Medium 上にはないのです。無駄な装飾を施す機能などは最小限に抑えている、シンプルな(そして古い)コンセプトですが、不思議なことに私自身は Google Docs を除けば他ではあまり目にしません。これは他の編集ツールとの大きな違いです。編集画面と公開後の画面を行き来するのはもはや無駄です。その回数だけで彫刻が掘れてしまいます。
文章を書く、ということは言葉を、そしてストーリーを創っていることと同じであり、プレゼンテーションではない、と主張する人がいました。確かに、プロの編集者はその方が馴染みやすいかもしれませんが、それは彼らの経験上、編集過程における最善の施策を知っているからかもしれません。加えて、文章が融けるコンテンツはあらゆる形に変化し、広まっていきます。私はそれに同意しますが、世にある多くの素敵なプレゼンテーションの少なくともひとつであって欲しい、と考えています。
「丁度いい」を実現する
ここで告白しますが、Medium の WYSIWYG エディタでは実現されていないが、他の編集ツールでは実現されていることが多くあります。例えばフォントそのものはサイズや色の変更などです。また、テーブルを文中に挿入したり、取り消し線や下線の設定ができません。ここでできること:
- 太字
- 斜体
- 副題
- リンク
- リスト
- 引用
“これは本物だ。“Medium は今まで見た中で最高のウェブ主体のエディタだ。それら全てを見てきたんだ。”- Anil Dash
上記に上げた工夫を施すには文書内の任意の単語や文章を選択し、選択した箇所の上部に表示されるツールバーで設定が可能です(キーボードのショートカットも実は使えますよ)。
そして既にお気づきの方がいるかもしれませんが、文章内に画像を挿入することができます。コードも表示したい?
こんな感じでコードを表示することができます。あまり知られていませんが、対象の文章を選択し、Ctrl+Alt+6 (Windows)を押すとこのような表現になります。
最後に、文書をセクションごとに区切りたい場合は空白の行に出現する + のアイコンをクリックし、横線アイコンを選択すればこのようなものが出現します。
まだまだこれから編集ツールを増やしていく予定ですが、目的はシンプルであり続けることです。私はたださえ Microsoft Word を立ち上げて、作業の半分の時間を文字間や行間の設定に費やす人間です。これは妨げ以外の何者でもなく、時間の無駄です。デフォルトの設定がひどい場合はそれでも必要な作業なのです。Medium では「優れた」デフォルトを用意することで、書き手のみなさんが気にしないでいられるようにすることを目指しています。
なぜか?
私は iA Writer という編集ツールを好んで良く使っています。そして Markdown 記法を用いて不自由なく書いている人をとても尊敬しています。但し、ほとんどの人がそうではありません。iA Writer で書くときも、リンクを追加したい衝動や副題を設定したい衝動に駆られる時が多くあります。そのような実体験こそが文章を書くときに最も必要なことや考え方を思い出させてくれるのです。
装飾はしない一方ですべてをコントロール可能にする、この中立地点こそが最善策であり、効率が良いはずだと考えています。慣れるには時間がかかると思いますが、一度この「丁度いい」を実感すると懐かしい感じにさえさせてくれると思います。
タイポグラフィ
勘違いしないでいただきたいのは、私はタイポグラフィのギークではありません。僕の友人にはギークが沢山いるのですが。その影響もあって、引用を用いる際の記号「“ ”」やダッシュ「 — 」も、Medium では自動的に修復してくれます。
この先の展望
私たちには Medium のエディタをより優れた卓越したものに仕上げるために、まだまだやりたいアイデイアが沢山あります。ただ、そこでも複雑にならないよう、かつみなさんの創造性やアイディアがそのままスクリーンに移行されるような流れを邪魔しないように心がけていきます。
もう既に、Medium は私にとってウェブ上で文章を書くための最高の環境だと自負しています。ややバイアスがかかっているかもしれませんが…、あなたにとっても近い将来、Medium がそのような存在になっていますように。