家具コンペ2016、審査結果の発表!

2017年のコンペ開催、作品募集中です。

昨年のコンペ審査結果は以下の通りです。多数のご応募、ありがとうございました。

『木材を使った家具のデザインコンペ2016』では139のエントリーがあり、審査により、グランプリをはじめとする入賞・入選作品が選出されました。この記事では、関連イベントのご案内ならびに審査結果(入賞作品データと審査員講評)をご報告します。なお、本コンペの告知ならびに募集を開始した際の記事(2016年6月16日公開)はこちらです。


本コンペに関連して、大阪にて以下の2つの展示やイベントが開催されます。 コンペ実施の趣旨や運営の舞台裏のほか、これからの日本の木材や家具業界を取り巻く状況や、建築・インテリアデザイン・家具の仕事の現場で選ばれるためのヒントも探ります。 ぜひお気軽にご来場ください!詳細と申込フォームは以下のリンク先でご確認いただけます。

●見本市『Living & Design』での展示・授賞式
展示:10月12日~14日/10:00–18:00、最終日は17:00まで
授賞式:10月14日(金)/14:30–15:10、 展示会場内のPresentation コーナー

● 35歳以下の若手建築家による建築の展覧会『U-35』での展示・ミニフォーラム
 審査員メッセージをうけ、受賞者をまじえたミニフォーラムを開催します。 コンペ実施の趣旨や運営の舞台裏のほか、これからの日本の木材や家具業界を取り巻く状況や、建築・インテリアデザイン・家具の仕事の現場で選ばれるためのヒントも探ります。

・モデレーター:喜多 俊之(プロダクトデザイナー、LIVING & DESIGN 総合プロデューサー)
・コンペ受賞者:
金賞:野口直人(野口直人建築設計事務所)
銀賞:永野真義(東京大学大学院)
入選:久保貴史(久保高良建築設計事務所)


それでは、入賞作品・入選作品からご紹介します!

入賞作品

(敬称略)

グランプリ
『Hammock Lace chair』
小林国弘


金賞
『紙のような椅子』
野口直人


銀賞
『もくばんプロジェクト』
永野真義


銅賞
『柔らかな椅子』高橋賢治


入選作品

『Knocking Chair』 久保貴史
『座り心地に御記憶ありませんか』 内田祥士
『8va table(オッターヴァ テーブル)』 峯公一郎
『kumita』 野田直希
『飛び込み台』 高橋梢
『寄り添う棚』 安川流加
『inside out』 佐藤邦彦
『座面のない椅子』 中川エリカ
『Little light』 楊子卓
『oyaco』 戸田舞子
『おとばこ日美器』 平塚一弘


審査員による講評

(敬称略、順不同)

内藤廣(建築家・東京大学名誉教授)

鉄やコンクリートにくらべて木は柔らかい素材です。力学的には、異方性、つまり繊維方向とそれと直角方向の特性が極端に異なる素材です。一方で熱伝導率はとても低い。だから手に触れた時に温かい感じがするのです。視覚的にも自然を連想させ、心を和ませてくれます。うまくこれらの性質を活かせば、人の暮らしの中に使われる身近な素材としてこれに勝るものはありません。これらの性質をどのように生かすかがアイデアの出しどころです。

上位に残った作品は、どれも木の性質を熟知し、うまく使いこなしています。グランプリのハンモックは、木の軽さと繊維方向の強さをうまく利用したものです。金賞の椅子は、木の異方性を巧みに引き出したものです。銀賞の木盤は、弾力性と視覚的な効果を活かしています。銅賞の柔らかな背もたれを持った椅子は、木の靭性を活かしています。

応募作品はどれも作者が楽しみながら制作しているのが分かるものばかりです。もっともっと楽しく、もっともっと楽しんで、見たこともないような新しいデザインを生み出してください。


小泉誠(家具デザイナー)

前回に引き続き審査をさせていただきました。応募数も増え、針葉樹に限らず広葉樹も可となったせいか、プロダクトの枠を超え、環境形成や活動的な作品が複数応募
されていたのが特徴的で興味深いものでした。ただ、条件が広がったために「木」に向かい合う気持ちが薄れてしまい「木」ではなくても実現可能で、場合によっては他素材の方が適切ではないかという不健康な作品も多く見られました。そんな中、受賞された作品は、木に向かい合い、多角的な思考を持ち、心に伝わる家具でした。


永山祐子(建築家)

今回の応募作品は様々なシチュエーションを想定した多岐にわたる提案が多いのが印象的であった。意匠性に加え、家具と人、家具と空間、家具と街とのあり方に対して新しい提案をした作品が高く評価された。グランプリの「Hammock Lace chair」は美しい造形に加え、折りたためるという機能性も持つ軽やかさが印象的であった。金賞の「紙のような椅子」は薄い1枚の合板を折り曲げてできるシェル構造によって成立させるという単純な構成と美しい造形に驚かされた。銀賞の「もくばんプロジェクト」は学校の黒板という固定化されたモノの素材を変え、新しい価値を見い出したところが面白かった。銅賞の「柔らかな椅子」は木ならではのしなりを使い、人の身体に添い、訴えかけるような椅子が魅力的であった。入選作の中で印象的なものとしては「座面のない椅子」のようにシチュエーションに合わせて様々な場所を椅子化できるアイデアが面白かった。「Knocking Chair」は座る行為自体を楽しむ面白さがあった。「寄り添う棚」は棚の存在に新しいキャラクターを与えていた。「8va table(オッターヴァ テーブル)」は積層合板を無垢材のように使うことで積層合板の新しい価値を見出しているようにも感じた。今回の賞を通して私自身も家具の在り方をもう一度考える良いきっかけとなった。


喜多俊之 (プロダクトデザイナー、L & D総合プロデューサー)

木材を使った家具デザインコンペは、2回目を迎えました。第1回目は、針葉樹をテーマにユニークな作品が選定され、更に今年は広葉樹を加えて、広く木を主材料とした家具コンペの開催となりました。次世代に向かって、オリジナリティの高い作品が数多く集まりました。伝統的な構造や工夫を凝らしたデザインが多かった中で、新しい時代に挑戦した作品の中から最終的に入賞、入選の対象が選定されました。審査員全員で、広く世界に発信できる日本のオリジナルデザインが誕生する事を期待しています。


以上、本コンペの運営事務局、フレーズクレーズがお届けしました!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。次回は、本コンペ入賞・入選作品の展示ならびに受賞式・ミニフォーラムの様子のほか、受賞者からのコメントや海外での情報展開などをお届けします。


本コンペの主催・共催・協力組織は以下の通りです。

主催:公益社団法人日本インテリアデザイナー協会
共催:大阪府地域産材活用フォーラム(事務局/大阪府木材連合会)
協力:LIVING & DESIGN実行委員会


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