AIDAの法則では補えない、現代の消費者心理プロセス

消費者の購買心理プロセスとは?

消費者が、どういう心境の変化によって購買という行動に至るのか?を表した消費者心理プロセスはいくつかありますが、そのベースになっているのが、「AIDAの法則」というものです。

1898年にセント・エルモ・ルイス氏が唱えた法則で、消費者心理プロセスの”大枠”という意味では、2016年の現在においてもキモとなっている法則です。

ただし、提唱されてから100年以上経過していることもあり、時代の流れや専門分野の違いによって、AIDMAの法則やAIDCAの法則、AISASの法則というように、消費者心理プロセスを表す「○○の法則」というものが現在、複数存在しています。

ですが私は、これらの全てを覚える必要はないと考えています。(資格試験で必要な場合は、覚えないとだめですけどね・・・。)

なぜなら、大切なのは法則を全部覚えることよりも、ターゲットとなる消費者が、どのような心理プロセスを経て、商品を購入するのか?という流れを把握することだからです。

そのためには、消費者心理プロセスの大枠となるAIDAの法則を理解することがポイントになります。

AIDAの法則とは?

消費者の購買心理プロセス:AIDAの法則

AIDAの法則とは、

① Attention(注意)
② Interest(関心)
③ Desire(欲求)
④ Action(行動・購買)

という、心理プロセスを経て、消費者は購入に至るという考え方です。

もう少し詳しく説明すると、消費者は、

① 商品やサービスの存在を知り、
② それが自分に関係のあるものであると思い、
③ 欲しくなって、
④ 購入する

という心理フローによって、購入という行動をとるということを表しています。

Aという商品があることを知らなければ、Aという商品を買うことはできないですし、Aという商品があることを知っていても、関心を持ってもらえなければ買いません。
関心を持ったとしても、欲しいと思われなければ買わないですし、欲しいと思っても、買うという行動を起こさなければ買いません。

改めて読んでみると「当たり前のこと」ですよね。

ですから、提唱されてから100年以上経過している現在においても、消費者心理プロセスの”大枠”という意味でキモとなっているということが分かると思います。

ただ、100年前と比べて消費者がおかれている環境がずいぶん変わりました。具体的に言うと、

・ 同じような商品がたくさん存在している
・ 消費者側も商品の詳細情報を簡単に知ることができる
・ 自宅に居ながら商品を購入できる
・ 消費者が商品の使用感を共有するようになった
・ 消費者の使用感を参考に商品を選ぶようになった

とういうような変化です。

こういった変化によって購買心理プロセスも、Actionに至るまでのプロセスも変わってきたため、新しい購買心理プロセスが複数登場してきたということです。

複数ある中で、現在の消費者心理プロセスを抑えているという意味で、個人的にオススメしているのは、AISCEASの法則を参考にすることです。

AISCEASの法則とは?

インターネット時代の消費者心理プロセス:AISCEASの法則

AISCEASの法則というのは、日本のアンヴィコミュニケーションズが提唱した法則で、先ほど説明したような環境の変化に対応し、インターネットでの購買行動を細分化したものです。

① Attention(注意)
② Interest(関心)
③ Search(検索)
④ Comparison(比較)
⑤ Examination(検討)
⑥ Action(購買)
⑦ Share(共有)

主にインターネットを利用する人を”消費者”として考えられたものですが、オフラインでも十分通用するプロセスです。

というのも、例えばスーパーのチラシを見て、”買う野菜”と”お店”を比較検討するというのは、現代においてごく普通に行われていることです。そして、偶然知り合いにあった際には、「あそこが安かった」とか「あそこのお店は良かった」というような、情報の共有も普通に行われています。

結局、インターネットを利用してもしなくても、モノと情報があふれる現代においては、損をしないため、そして気持ちよく買い物をするために、比較・検討というプロセスは一般的に行われるようになっているということが分かります。

見逃せないポイントは、Share(共有)

そして、見逃せないのが、 購入して良かったのか?失敗しのか?というようなことを共有するプロセスです。

「買って良かった!」と思っている人は、「自分がいい買い物をした」ということを伝えたいのと同時に、オススメ商品として紹介してくれます。

反対に「買って失敗だった・・・」と思っている人は、「なぜ失敗だったのか」ということを伝えると同時に、自分と同じように”買って失敗する人”が減るように、残念な商品として教えてくれます。

どちらも、”自分の経験を他者に共有してもらうため”の行動です。

ブログやツイッター、フェイスブックといったプライベートメディアを気軽に利用できる時代だからこそ、こういった”共有”というプロセスが一般的になったとも言えます。

この共有によって、他の人が比較・検討する材料もなりますので、「売って終わり」ではなくなっているということを再認識する必要があるという点でも、見逃せないプロセスです。

AISCEASの法則が循環型の理由

AISCEASの法則の図が、AIDAの法則と違って循環型になっているのにも理由があります。

それは、Share(共有)された情報によって、新たにAttention(注意)に繋がるということを意味しているからです。

口コミから新たな発見が生まれる!?

例えば、パソコン初心者の方にとっては、マウスといったら、有線タイプの左クリックと右クリックしかできないモノをイメージすると思います。

そんな人が偶然、尊敬している人のブログで、「トラックボール型の無線マウスを買って良かった」という記事を読んだ時に、「そんなマウスがあるのか!」とトラックボール型マウスの存在を知ります。

それと同時にトラックボール型のマウスに関心を持ち、ネットで他の利用者による評価(レビュー)をみたり、「価格.com」などで値段を比較し、一番安いところで買ってしまう・・・というケースです。

(「マウス」の例だとイマイチわかりにくかったかもしれませんが、特に家電製品を購入する際には、同様のプロセスを得ているケースが多いと思います。)

この購買行動のきっかけは、尊敬する人のブログの記事(=Share)です。

つまり、Share(共有)された内容が、他の人のAttention(注意)を引き起こしたということです。

ですから、Shareというプロセスが、次のAttentionに繋がるという意味で、循環型の図にしています。

AIDAは大枠として、AISCEASはポイント的に。

比較検討で一部劣っても、”欲しいから買う”につなげる

紹介したようにAISCEASの法則は、ネット世代の消費購買プロセスを反映しているため、参考にすることをお勧めしていますが、同時に、それがAIDAの法則にも適応できているか?ということも非常に重要です。

というもの、AISCEASの法則は「比較、検討していい方を買う」というプロセスであるのに対し、AIDAの法則は「欲しくなって買う」というシンプルなものだからです。

比較・検討するということが一般的になった一方で、比較・検討するうちに、それぞれ一長一短があるため、”どれを選べばよいのかがわからなくなる”ということも多くなりました。

その結果、「とりあえず今は買わないでおこう」という”先延ばしの結論”になるケースも多いのです。

ですから、AIDA(欲しくなって買う)が重要になるのです。

なぜなら、比較・検討した結果、他の商品よりも劣っている部分があったとしても、「これが欲しい」という欲求があれば、その商品を買うという行動につながるからです。(=Action)

欲しくさせるためのポイントは?

では、そうするにはどうしたらよいのか?というと、答えはシンプルです。

買ってほしいお客さんを決め、その人にとって魅力的なポイントを全面に押し出したプロモーションを行うことです。

その参考になるは、やはりApple製品のプロモーションがイメージしやすいと思います。

「新しいiPhoneを使えばこんな機能を使って、こんなことができますよ!」という機能PRではなく、「新しいiPhoneなら、こんな生活が送れますよ」というイメージをPRしてるのがわかると思います。

Appleに限らず、最近の製品プロモーションの多くは、そういった方法をとっているケースが多いので、気になったものは、ぜひ、参考にしてみてください。

読んで終わりではなく、実際に、取組んでみよう!

本日のワーク

テレビCMやインターネットの広告などから、思わず欲しいと思ったり、詳細情報をチェックしたモノをAIDAの法則とAISCEASの法則に当てはめてみましょう。

自分がどんな言葉や表現に魅力を感じるのかを知るのは、とてもヒントになりますよ。

P.S.

実はもう一つオススメのモデルがあります。

それは、AISDASモデルというもの。
これ、私が考えたもので、AISCEASの法則とは、またちょっと違ったネット世代のプロセスモデルです。

詳細はいつか紹介しますが、WEBサイトの方で、ちらっと紹介しています。気になる方はこちらもどうぞ。