国連ベクトルタイルツールキット(UNVT)って結局なんなの?
UNVTと聞いて、イメージするものはなんですか?
「ツールキット」だから、下の画像のような工具セットをイメージしている方もいるのではないでしょうか。
私はこの「ツールキット」という言葉を道具という意味の「ツール」、必要なものが全て入っているセットとしての「キット」として捉えてしまい、「国連ベクトルタイルツールキット」がどんなものなのか理解するのにかなりの時間が必要でした。
今回は、この「国連ベクトルタイルツールキット」とはなんなのか、について説明してみようと思います。
私自身、まだ正しく理解できていない部分もあるかもしれませんので、間違いに気づいた方はぜひコメントしてください。
UNVTが指しているのは?
実態のないものなので、名前からはよくわからないと思いますが、UNVTが指しているのは以下の4つの作業のセットのことだそうです。
- データの作成(produce)
- スタイリング(styling)
- ホスティング(hosting)
- 最適化(optimizing)
toolkitという言葉はエンジニアがよく使う言葉・概念だそうで、
こちらのページでは、ツールキットが次のように説明されています。
「toolkit(ツールキット)」 とは、ある目標達成や課題解決のために、新しいコンセプトの解説や、思考プロセス、導入や分析のための手法(ツール)の一連をまとめたガイドライン
つまり、「国連ベクトルタイルツールキット」は物理的に存在するものではなく”手法の一連をまとめたガイドライン”であり、その中身が先述の1から4であるということになります。
データを作成し、スタイリングし、それをホスティングして最適化したものがあれば、「UNVTを採用しています!」と言えるわけです。
具体的な手法の例
データの作成やホスティングなどは、さまざまな方法で行うことができます。
例えばデータの作成について、「地図をベクトルタイル化する」場合”Tippecanoe”というコマンドラインツールを使うことができますが、必ずしもこの方法でなければならないというわけではありません。
これは1から4のどの段階でも同じです。
私を含め、UNVTについて学び始めた当初は古橋ゼミのメンバーはUNVTと聞くと “Raspberry Pi”を思い浮かべる学生が多くいました。これは、ゼミ生が参加したUNVTのワークショップで紹介された例において「ホスティング」の方法の一つとして”Raspberry Pi” が採用されていたからです。
もちろん実際はRaspberry Pi以外のものでホスティングしても良いので、UNVTとRaspberry Pi が切り離せない関係にあるわけではないということになります。
最後に
ガイドラインとしての「ツールキット」という言葉が理解できれば、そういうことだったのか!と納得できる人も多いのではないでしょうか。
わかるようで、わからない。
わかったつもりだけど、どこか噛み合っていない気がする。
UNVTって結局なんなんだろう。
この記事がそんなモヤモヤを少しでも晴らす手助けになっていれば幸いです。
髙橋彩子